右岸(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こちらから先に読んだ。 「左岸」から先に読んだ方がいいとよく言われてるみたいだけど 私は逆かなと思う。 「右岸」の方が物語の設定がしっかり盛り込まれているから 「左岸」の内容が分かりやすくなる 気がする。 懐かしい、親しみやすい感じがしたのは登場人物たちが皆 博多弁でしゃべるからなのだろうか。 私は福岡出身だから文字におこした博多弁でもすんなり読めるけど、 そうじゃない人は厳しいんじゃないだろうか。 そもそも方言は文字におこすものじゃないしね。 余談だけど辻仁成の博多弁は自然と読めたけど、江國香織の博多弁は 所々違和感があった。 祖父江九、超能力を持った男の壮大な半生。 しょっぱなから幼馴染のお兄さんが自死し、サーカスの一行と暮らしだしたと思いきやヤクザあがりの父親は目の前で撃ち殺され、 母親と新しい恋人の情事をみてしまったショックで家出して熊本までいって修行僧に会ったり祖父の師匠と暮らしたり 超能力が使えたり 世界中を旅したり、パリで結婚して子供がうまれたり そして奥さんが事故で亡くなり、九も記憶をなくして福岡へ帰ってくる。 それからなんだかんだで空を飛んだりする。 なんか守護霊とか背後霊とかいろいろいたりするし会話したりする。 笑えるくらい壮大でスピリチュアルな人生。 そしてダメダメな人生。 「左岸」の茉莉の人生と比べると全く現実味に欠けているのだけど、 しっかり作りこまれているから読みやすい。 登場人物も魅力的で結構すき。 惣一郎と茉莉。 隣家に住んでいた幼馴染の兄妹。 輪廻転生。 三島由紀夫「豊饒の海」を思い出す。ガンジス川だし。 「惣一郎」って名前の響きなんとなく「清顕」っぽいし(?) 輪廻転生とかそういう仏教観は詳しくないけど、 スピリチュアルなものを人生のなかで直感的に感じ取れることはあると思う。 生まれ変わりと運命。 あとサーカスの皆でスプーン曲げる場面がよかった。 「人間の能力は未開発な部分のほうが多いと。文明が発達したせいで、人間は本来持っとったこれらの能力を閉ざしてしまうことになっただけたい。」p223
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんでもありだからか飽きなかった。反面、なんでもありだからか、薄っぺらさも感じた。機会があれば左岸も読んでみたいけど、わざわざ買ってまで…という程度。
Posted by
読み始めるのに、大変時間がかかった 読み始めたら、割りとすんなり読了 人生とは誠実に向かい合えば誠実が戻ってくる
Posted by
なんとか最後まで読んだけど 「で?」と言う感想しかないなぁ 左岸と右岸のリンク具合も「冷静と情熱」ほど決まった感はない
Posted by
九は本当に大変な人生をあゆんできたんだな。 もう一度茉莉の人生も読み直したくなった。 なんてもないような、普通であることが、実は奇跡なんだってこと。 改めて気づかされました。
Posted by
いよいよ結末を迎える。 自分は左岸からスタートし、本当の最後だったけど、 うまいこと諸々の伏線が回収され、 弱冠の心地よい余韻が残された。 振り返ってみれば、男女二人の著者の共作により、 一つ一つの話や、一人一人の人物に厚みがあるよなぁ。 ちょいと奇跡が起き過ぎな感じが、 ...
いよいよ結末を迎える。 自分は左岸からスタートし、本当の最後だったけど、 うまいこと諸々の伏線が回収され、 弱冠の心地よい余韻が残された。 振り返ってみれば、男女二人の著者の共作により、 一つ一つの話や、一人一人の人物に厚みがあるよなぁ。 ちょいと奇跡が起き過ぎな感じが、 予定調和じゃ?となってしまう人もいるかもしれないけれど、 自分はこの空気感、嫌いじゃないな~ 生きるってなんなんだろうな~、 ふとそんなこと思って、ちょいと非日常体験したいあなたに贈りたい、そんな一冊。
Posted by
超能力を持ってしまった少年の、ほぼ一生を描いた物語。 「普通の基準なんて人それぞれ違う」と教えてくれた方がいます。 彼女のおかげで今の私がある、ひさしぶりにそんなことを思い出しました。
Posted by
上巻よりはよかった。 一人の人の、人生の最初から最後まで読んだ感じなので、ドッと疲れた…。 恋愛小説と言うよりは、哲学書だったな。 言語障害に陥る主人公の会話文は、どうしても裸の大将思い出してしまった…(笑)素朴な印象があって、そちらの文体の方が好きだったけどね。
Posted by
うーん…。上巻の感想でも少し触れたけど、「左岸」が一人の女性の壮絶な生き様だったのに対して、「右岸」はスピリチュアルな話で、リアリティがない。 「右岸」と「左岸」を別作品と割り切って読めばいいのだろうけれども、やっぱり対となっている作品とあらば、一人の男性のリアリティある生き様を...
うーん…。上巻の感想でも少し触れたけど、「左岸」が一人の女性の壮絶な生き様だったのに対して、「右岸」はスピリチュアルな話で、リアリティがない。 「右岸」と「左岸」を別作品と割り切って読めばいいのだろうけれども、やっぱり対となっている作品とあらば、一人の男性のリアリティある生き様を読んでみたかったと思ってしまう。 そもそも…、九ちゃんが好きになれなかったんだよね…。 落ち込んだときにだけ自分本位な長文の手紙を茉莉に送るのがなんともなぁと。こんな手紙来たらイヤだなぁ…なんてシラけてしまった…。 冷静ですんません…。(苦笑)
Posted by
力を持って生きる男の話。 能力とコンプレックスは紙一重。 『左岸』と同時進行で読めばよかったのか 時系列がこんがらがる。 九目線の方がなんだか不幸だ。
Posted by