カソウスキの行方 の商品レビュー
特に何が起こるわけでもない、日常を切り取ったような小説は好きなのですが、これはわざわざ読む必要がなかったような印象。 うまくいえませんが・・・
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表題作が一番好き。はっきりと好きになった訳ではないが、ちょっと好きになっている感じ?で終わるのがいい。
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ジェンダー論を考える題材として大学の授業で勧められたから読んだが、 面白いとは思わなかった。 誰かを「カソウスキ(仮想好き)」になることで、淡々とした日常にちょっとした光を差し込ませてみようという発想はまあ興味をそそるのだが、 主人公のイリエや仮想恋愛対象の森川などの主要登場人物...
ジェンダー論を考える題材として大学の授業で勧められたから読んだが、 面白いとは思わなかった。 誰かを「カソウスキ(仮想好き)」になることで、淡々とした日常にちょっとした光を差し込ませてみようという発想はまあ興味をそそるのだが、 主人公のイリエや仮想恋愛対象の森川などの主要登場人物が味気なく、時間を忘れるほどには物語に没頭できなかった。 自分が男性だからだろうか、年増の独身女性の行動にはいまいち感情移入はできず、終始ようわからんなあという感じでいた。 が、まあ文章自体は読みやすいので、よくわからないなーと思いながらもスイスイ読めた。年を重ね、いろいろと諦めるのが美徳とされるくらいの年代になった頃にこの物語に深く入り込めていけるんだろう。
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私も頻繁に「カソウスキ」します。 主人公に自分を投影して、かなり楽しく読めました。 異性としては好きじゃないけど「もし好きなら…」って変に意識しちゃう自分が恥ずかしかったけど、この本で何だか安心しました。
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イリエ、28歳、独身。郊外の倉庫に左遷、同僚の森川を好きになったということを仮定してみる。 津村さんの小説の読み方、魅力がやっと理解できました。一般人にとっては、むしろ普通かもしれない感覚。
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雰囲気がそんなに好みじゃないし、キャラクターもちょっと好きになれない、描き手が透けて見えすぎる感じで読んでいる途中は「う〜ん…」だったのですが、読み終わると妙に心に残ってました。現代の感覚を持った女性は共感できるのかなと思います。
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芥川賞を受賞した『ポストスライムの舟』といい、これといい、この人の作品のタイトルはなかなかに魅力的だ。もっとも、この「カソウスキ」は、物語の中でその謂れが語られるまでは何の事だかわからなかったのだが。てっきりロシア語か何かだとばっかり思っていた。物語のテンポは相変わらずすこぶる軽...
芥川賞を受賞した『ポストスライムの舟』といい、これといい、この人の作品のタイトルはなかなかに魅力的だ。もっとも、この「カソウスキ」は、物語の中でその謂れが語られるまでは何の事だかわからなかったのだが。てっきりロシア語か何かだとばっかり思っていた。物語のテンポは相変わらずすこぶる軽快。あまりのリアリティに、思わず笑ってしまうこともしばしば。本人(物語の主人公のイリエ)は真剣なのだから、笑っちゃいけないのだろうが。物語の舞台となっている中小企業の様子のしがなさもよく出ているし、そこでの濃密な人間関係も見事。
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解説にもあるように、津村さんの作品に出てくる人物は我慢強い。 たぶん、バブル期の人だったら、怒って会社を辞めてしまうようなシチュエーション。それなのに、生活などをはかりにかけてぐっと我慢し、視点をずらして問題をやり過ごす(表題作だと、不倫後輩のせいで飛ばされたのに、そこにはフォー...
解説にもあるように、津村さんの作品に出てくる人物は我慢強い。 たぶん、バブル期の人だったら、怒って会社を辞めてしまうようなシチュエーション。それなのに、生活などをはかりにかけてぐっと我慢し、視点をずらして問題をやり過ごす(表題作だと、不倫後輩のせいで飛ばされたのに、そこにはフォーカスしないで職場の男性を「好きと仮定する」ことで、嫌な日常から目をそらす)。 不況期特有の我慢強さみたいなものが、津村さんの作品にはにじみ出ていて、同世代の者としてはすごく共感する。
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働く女性あるある、な短編が3つ収録されている。 新しい職場の一人しかいない独身男性を仮に好きだとしてみたり(『カソウスキの行方』)、自分が少し好意を抱いていた男性の結婚相手のブログを覗いてみたり(『Everyday I Write A Book』)、恋人の不義理と自分の不義理の回...
働く女性あるある、な短編が3つ収録されている。 新しい職場の一人しかいない独身男性を仮に好きだとしてみたり(『カソウスキの行方』)、自分が少し好意を抱いていた男性の結婚相手のブログを覗いてみたり(『Everyday I Write A Book』)、恋人の不義理と自分の不義理の回数を合致させようとしたり(『花婿のハムラビ法典』)といった、私たちの日常の中にありがちな行いや抱く思いに共感し親しみをおぼえる。 仕事で疲れる日々の中でささやかな楽しみを見出し、すごく幸せではないけどものすごく不幸というわけでもないというのがいい。
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最初に読んだ『ポトスライムの舟』で津村作品にはまり、その後『ワーカーズ・ダイジェスト』『婚礼、葬礼、その他』『アレグリアとは仕事はできない』と読破、そして本書『カソウスキの行方』をネットで購入しました。 最初に本書のタイトルを見たとき思ったのは、「カソウスキって何?」ということ...
最初に読んだ『ポトスライムの舟』で津村作品にはまり、その後『ワーカーズ・ダイジェスト』『婚礼、葬礼、その他』『アレグリアとは仕事はできない』と読破、そして本書『カソウスキの行方』をネットで購入しました。 最初に本書のタイトルを見たとき思ったのは、「カソウスキって何?」ということ。「チャイコフスキーとかドストエフスキーと同様に、ロシアの人名? でも、スキーと『ー』で伸ばしていないし・・・。。」などとアホなことを思いながら読み始めました。 読み始めて、すぐに「カソウスキ」の意味が判明。やはり私はアホでした(汗)。津村さんならではの働く女性を主人公にしたストーリーが展開され、いつもと同様、楽しく読みました。自分も兵馬俑の表紙のノートが欲しいかも。 本書は、表題の「カソウスキの行方」を含み「Everyday I Write A Book」「花婿のハムラビ法典」の3つの短編が所収されています。 先の見えない不安定なご時世、世知辛い世の中、そんななかで色んな事に遭遇したり、生きにくさを感じながらも、それでも自分なりの生き方で行けば良いのだと思わせてくれる、微笑ましく思える作品集。
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