カソウスキの行方 の商品レビュー
言葉選びが絶妙! 一気に惹き込まれます。 心の声を見せて貰っている感じで それがリアルさに繋がっていると思う。 仮想 好き。
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おもろいーー1日で読んだーー。津村記久子さんの描くキャラクターは自己分析力が高くて変なとこの行動力思考力がある、「変なヤツ」なんだけど、義理堅さと真面目さがあって、意外と一貫性もあったりする。そこが好き、そこに多分共感もしてる。 『カソウスキの行方』に対しての解説の「恋愛をする...
おもろいーー1日で読んだーー。津村記久子さんの描くキャラクターは自己分析力が高くて変なとこの行動力思考力がある、「変なヤツ」なんだけど、義理堅さと真面目さがあって、意外と一貫性もあったりする。そこが好き、そこに多分共感もしてる。 『カソウスキの行方』に対しての解説の「恋愛をするのが当然、とあまり思っていないもののラブストーリー」という表現がスッと入ってきた。どの小説の主人公もそういう節がある。それが個人的にはとても居心地が良い。でも私は彼らほどカラッとしてないし機転も効かないからな〜〜羨ましさもある。 そして数年前より、社会人描写に対する解像度が上がった気がする、幸か不幸か…。
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- ネタバレ
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三作とも読みやすく飽きずにとても面白かった 恋愛をしたいわけじゃないけど会社の楽しみを作るために仮想好きを思いつくあたり、最高。 三作とも悩みがありながらもそれを重く書くことなく、笑いもありながら読めた。
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日頃、心の中にフワッと浮かんでくる、言葉に表したことのないようなしょーもないこと。そういうのをこんな風に書けるのってすごいなぁ。
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シニカルにいつも心の中で毒づいているイリエさんのOLライフ。 OLライフなんて書くとイリエさんにキレられそうな気がします。イリエさんは圧倒的に女性が生きづらい会社社会を、敢えて恋愛に全フリしてやり過ごそうとします。 恋愛依存度高くないのに、女子力高くないのに、高いフリをして、自分...
シニカルにいつも心の中で毒づいているイリエさんのOLライフ。 OLライフなんて書くとイリエさんにキレられそうな気がします。イリエさんは圧倒的に女性が生きづらい会社社会を、敢えて恋愛に全フリしてやり過ごそうとします。 恋愛依存度高くないのに、女子力高くないのに、高いフリをして、自分さえ誤魔化して、恋愛が生きがいのようなフリをして実施する仮想恋愛プラン『カソウスキ』。それはまるで、不条理な社会への怨嗟の様にも感じられます。そもそもが雑で乱暴なプランで、真面目に完遂する気があったのでしょうか? いや、なかったのでしょう。ずーっと心の中で毒づきながらも、結局は真面目に仕事をこなしています。 真面目なことはそんなにいいことではない。真面目であればあるほど生きづらくなる一方だとイリエさんも言っています。『カソウスキ』で少しでも生きやすくなったのであれば、それは正解だったのでしょう。
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「仮想好き」であっても「仮想敵」であっても、ターゲットに関心をもって観察することで、ただの「同僚」とか「30代独身男性」でしかなかった人物が、一人の人間としての輪郭を帯びてくる。そうなって初めてそれまで見えなかったその人の魅力に気づき、いいなと思えてくるようになる。表題作を初めと...
「仮想好き」であっても「仮想敵」であっても、ターゲットに関心をもって観察することで、ただの「同僚」とか「30代独身男性」でしかなかった人物が、一人の人間としての輪郭を帯びてくる。そうなって初めてそれまで見えなかったその人の魅力に気づき、いいなと思えてくるようになる。表題作を初めとする3作品は、そんなふうにいつもの日常の他人との関わりの中にふとたち現れた「好意のきざし」を切り取ったものに感じた。「好き」とまではいかない、「あ、いいかも」という、恋愛ではなく好意という距離感にストレスを感じない絶妙な心地よさを感じる。表題作で主人公とカソウスキの相手が、正月休みに会社の食堂でテレビを見るという、なんてことのない場面だがとても心が惹かれた。他人に語ってもその場面がなぜ良いのか、その良さをなかなか伝えることができないが、そういう他人に説明できないようなものこそ小説の真の醍醐味と思う。
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自分と社会との間の些細なズレ。そこにとても自覚的な人間はハジけないしハジけられない。作者の描くそういう「常識人」がたまらなく愛おしい。
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仮想によって、世界は良い方にも悪い方にも意味づけることができる。良い方なら自分や他人の身近な幸せを喜べるし、悪い方ならせっかくの幸せを素直に受け取れない。
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誰にでも起こりそうだし、自分にもこんな感情になったりすることあるなーと思いながら読んでた。 津村さんの小説に出てくる主人公達の感情ダダ漏れというか、ノリツッコミ?みたいな感じの文章を目で追いながらクスッとしてしまうんだよなぁ〜
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「仮想の好き」で「カソウスキ」。カタカナにするだけで、なにやら意味不明な、新しい概念のようになります。そして、物語の内容もおなじように、分かりやすいはずの関係が、一般的な枠組みを越えて、地味に、新たに、広がって行く過程が心地よい作品です。わざわざ人に言うまでもないけれども、モヤっ...
「仮想の好き」で「カソウスキ」。カタカナにするだけで、なにやら意味不明な、新しい概念のようになります。そして、物語の内容もおなじように、分かりやすいはずの関係が、一般的な枠組みを越えて、地味に、新たに、広がって行く過程が心地よい作品です。わざわざ人に言うまでもないけれども、モヤっとすることや、人間関係上の心の機微みたいな描写が相変わらずリアルで、自分とはタイプの違う人間であっても、まるで主人公の内側に入り込んだような気持ちになれました。 津村記久子作品は、いつも本当に普通の人たちの、普通の生活を描いています。カッコつけたりもせず、露悪的でもなく、説教くさくもなく、嘘くさくもなく、悟りにいたることもなく、あくまでも中庸で、こんなに地味にじわじわと面白く、謎に心あたたまるのが、毎度のことながら素晴らしいです。
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