傷痕 の商品レビュー

桜庭一樹【著】

2012/10/25

彼をモデルにしたんだろうなぁ…でも何故？　桜庭さんって彼のファンなんだろうか？　とぼんやりと感じつつ、私自身に彼への思い入れがそんなになかった分、最後までするすると読めた。
彼の事を詳しく知ってたり、彼の熱狂的なファンだったりすると（この小説自体はフィクションだと頭ではわかっていても）読みづらかっただろうな、と、なんとなく思う。

とりあえず、傷痕、とか、孔雀、って名付けがやっぱり桜庭さんだと思った。普通にいたら変なのに、桜庭ワールドでは普通というかピッタリというか。

復讐ちゃん編は、読んでてなんだか切なかった。誰が悪かった、とかじゃないけど…誰が正しかった、とも言い切れず。
やっぱりほんのりエロスな匂いが漂ってるのが、桜庭さんらしかった。直接的じゃないけどね、なんか匂いがむあんと。

2012/10/24

故マイケルジャクソンをモデルにした小説でいいのかな？
娘やファン、アンチのジャーナリスト、彼を訴えた少女など色んな人によって語られる彼。
どの視点でも『強烈なカリスマ性』というより「人を惹きつけてやまない」彼が描かれてました。
彼がどれだけ偉大で孤独だったのかわかる作品でした。

2012/10/06

桜庭さんの最新作。マイケルがモデルになってるとは知らなくて、読み進めていくうちに「もしかして...？」と思って確認した。その事実を知ってからは、何度も「彼」の姿がマイケルと重なってしまって、何度も「あ、違う、彼は日本人だ...」「あ、彼の故郷は日本なんだっけ...」と、何度も軌道修正をする必要があった。実際、私はマイケルのことは漠然としか知らない。ただ、裁判や遊園地のことは、彼の音楽やダンスの素晴らしさを知らない私にも、十分すぎるほどのインパクトを与えた。作中の彼、「銀狐」は、繊細で傷付きやすく、読んでるとこっちが泣きたくなるほどにかわいそうな美しいこども。恵まれないこどもたちのために、そして自分自身が父親と向き合うためにも、彼には「楽園」が必要だった。楽園と傷痕の存在は、彼を少しでも救うことができたのだろうか。そうだったら、良い。

2012/09/24

個人的に往年のM.Jにあまり興味が無かったせいなのだろう、何を読ませたいのか、伝えたいのか、がよく判らなかった。
筆者の特有の世界は相変わらず良いと思った。

2012/09/10

しょっぱなからあからさまにMJをモデルにしたことがわかる変わった作品でした。しかし作者なりの解釈と構成はおもしろいし、読後感もわるくない。

2012/09/03

桜庭一樹さんの連作短編。

MJの死の事を少し婉曲的に書いた小説で、急にもうMJはいないんだなぁと思い出して少しさみしくなった。
そんなさみしさとか、回りを取り巻く人が知らず知らずのうちに受けていた影響の大きさをたった数行で描く小説の凄さに、こういう小説が書けるようになるといいなぁ、と素直に思った。

2012/09/01

個人的に桜庭一樹には思い入れがあるけど、MJには普通、だったから楽しく読めたんだと思う。
このひとのずっと一貫して書いている家族ということについて、キングオブポップ、そのファン、裏切者、マスコミという色んな形を色んな角度から切り取って見せてくれてるのは面白かった。
十二分に面白かったのだけど、このままでいることに勝手ながら不安を覚えるのも事実。こうきたか！みたいなのももしかしたらそろそろ見たいかも。
いや、でもこれはこれで本当に不思議な設定が良かったです。銀座の小学校とか、勝手にたいめい小学校？とか想像したり。

今、ふと気付いたけどこのひとはラノベ出身なのだよね。
勿論そのあとラノベの感じとは全然違うすごいのをたくさん書いてるのは知りつつ、この本に漂う雰囲気がラノベなのかもしれんと思った。だからあまぞんの書評が良くないのかな。。。

2012/08/28

マイケルジャクソンの急死を題材にしたお話。

小説の中では日本のスーパースターで、幼いころから芸能界で生きてきた。そのキングオブポップと、その周りの人々の人生が描かれている。

なぞが多いキングオブポップの一人娘といわれている子どもの名前が「傷痕」というのが悲しい。

スーパースターの幼少期、家族で住んでいた場所の設定はもしかしたら、長崎県の軍艦島かな？

2012/08/21

突然死んでしまった世界のポップスターの周囲の人々の話

マイケルみたいだな〜
まんまマイケルだな〜
と思って読んでて

巻末の参考文献にはマイケルジャクソンの本がずらり

わたしは年齢的にもマイケルジャクソンあんまり知らない世代で
根も葉もないのかあるのかわからないスキャンダルはなんとなく耳にして‥って感じだったから

子どもへの犯罪とか
皮膚とか整形とかそういう方ばっかり騒がれてたイメージ

でも死んじゃってから映画みたりCDきいて感動した

ので真相というか
生い立ちとか詳しいことは知らない

ので、この本の内容がどこまでマイケルとリンクしてるのかわからない（さすがに学校改築して〜とか娘に仮面つけて〜とかはフィクションってわかるけど）

だから桜庭さんがどういう意図でこの話をかいたのかわからない

あとがきあってもいいな（あとがきは気が向けばけっこう読む）
と思った

2012/08/18

マイケルジャクソンの話、というのは
最後の参考文献で気付きました。
まっさかーなんて気持ちで読んでいたので
本当に結びつけていたとはなぁ。
桜庭さんがマイケルジャクソン...
予想外すぎました。

端的にいうと
桜庭作品として読むのはやめたほうがいいです。
これは、独立した、斜め横から見たノンフィクションです。
あえて言うなら
それぞれの名前が桜庭さんらしい、ぐらいかな。

年々、桜庭さんにはがっかりさせられるばかり。
砂糖菓子が一番面白かった。
期待して読むけど、もうやめようかな。