傷痕 の商品レビュー

桜庭一樹【著】

2024/03/05

なるほど、マイケルジャクソン………。
なんてーか、桜庭一樹先生ってやっぱり根が挑戦的なんだろうな…すげーよ…。

2023/03/08

「終末時計」
亡くなってしまった。
何を欲しているのは気付いた時、嘘の優しさを思い出すと悲しくなりそうだな。

「孤島」
変わりゆく姿を見て。
家族になり共に過ごしている中でも、恋人の頃のような感情は消えないのだろ。

「胡蝶」
追いかけ続けた先に。
事実確認もせずに憶測で書かれたものなど、誰も信じようとはしないだろうな。

「風の歌」
選ばれた子供だけが。
お金をもらった途端に逃げ出したら、誰だって示談目的で騒いだと思うだろう。

「魔法」
音楽が繋いだ絆とは。
家族以外の前でも暴力を振るっているのに、何故誰も関わろとしないのだろう。

「世界地図」
最後の別れを告げて。
奇異の目で見られようと、自由に生きてほしいからこそ大切に育てたのだろう。

2021/01/22

偉大なるポップスターであった男は一人娘である11歳の傷痕を残して51歳の若さで突然死んだ。傷痕はどうやって誰から生を受けたのかを知らない。
さまざまな人の視点からポップスターであった彼に纏わる出来事が章ごとに分割されて物語が進んでいく。
マイケルジャクソンがモデルとなっていることは少し読めばわかる。あまりマイケルには詳しくはないがもしかしたらこんなふうに彼は考えていたのかと思いを馳せると楽しめるストーリーであるように感じた。

終末時計
娘の傷痕目線で語られる父の話と亡くなった後の家族の様子について

孤島
ポップスターであった彼に触れたことのある男性の目線から語られる話。男性の青春、青年、中年時代を通して彼の様子が描かれてる。

胡蝶
パパラッチ目線。ポップスターが作り上げた楽園で起きた猥褻事件は本当だったのか。真相はわからないが裁判の様子などが語られる。

風の歌
ポップスターの楽園に招待されて訴えた女の子目線で語られる。彼女は貧しい家の子で少しでも彼に気に入られたことがとても嬉しかった。しかし猥褻な事件が起きてしまった。父親との関係やその後の様子など。

魔法
ポップスターの姉、孔雀の視点から描かれる。
過去の様子。ポップスターをいかに大切にしていたか。

世界地図
運転手、警備員、傷痕さまざまな人からの目線でまとめられている。
ポップスターは愛されていた。世界中の人から。

人は楽園なんかで生きるべきじゃないし、地に足をつけて、一歩一歩踏みしめて歩いていくべきだろ。たとえその地が荊に満ちているとしても。楽園なんてくそみたいな場所に閉じこもるよりもずっといいさ

2019/06/14

読み始めてこういう本だったのね、とちょっとびっくり。この作家さん、自分には合わないのかな、とも思ったり。でも読み進めていくうちになんとなくわかってきました。少女の名前だけでなくいろんな意味で様々な人々に残った傷痕。これから何か月、何年と月日を重ねるにしたがって傷痕を持つ彼らはどうなっていくのか、直後よりもそちらが気になります。

2017/03/18

世界中で才能が認められ、多くの人々に愛された偉大なるポップスター、キング・オブ・ポップ。たくさんのものを手にしたようにみえるけれど、何か満たされていないような気がする。彼は幸せだったのかな？たった一人の娘「傷痕」が心を休ませてくれて、癒してくれる存在だったのかも。「傷痕」には、永遠の王国になったあの場所で、いつかまた逢えるまで、新しい世界を生きて、がんばって歩き回って、大切なものを見つけてほしい。

2017/03/15

『彼･･･この国が二十世紀に産み落とした偉大なるポップスター、キング･オブ･ポップがとつぜん死んだ夜』
物語はこの１行から始まる。
これを読んでマイケル以外の話だと思う人がいるだろうか？
100人の読者が100人とも「マイケル･ジャクソン」をモチーフにした物語だと思うだろう。
だが、描かれているのはけっしてマイケルの真実ではない。
あくまで創作した物語でありマイケルとは何の関係もない。
巻末にある参考文献はすべてマイケルに関するものであり、あたかもマイケルの物語を設定だけを変えて書いてみました･･･的に勘違いする人も出てきそうだ。
あとがきにでもいい。
ひと言「マイケルから創作意欲をもらった物語で実際のマイケルとは関係ない」と書かなかったのか。
オマージュならばそれなりの配慮が欲しかった。
マイケルの一生がこんな薄っぺらな物語だったと誤解されるのは堪らない。
好きな作家のひとりだけれど、この物語だけは好きになれそうもない。

2017/02/11

変わった題材だったなあ。
日本の話に置き換えられていたけど、ほぼほぼ、MJを思い浮かべながら、読みました。
結局、傷跡って、名前で呼ばれてるのは、なんで？で、終わってしまいました。

2017/01/11

この国が二十世紀に生み落とした偉大なるポップスター、キング・オブ・ポップ。そんな彼のファミリーや娘、彼に関わったことで人生が大きく変わった人たちを描いた作品。

参考文献にマイケル・ジャクソンに関する書籍がずらっと並んでいることからわかる通り、実在したキング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンをモチーフにしています。

インターネットの発達によって人々の興味関心が細分化された今、いい意味でも悪い意味でも、誰もが認めるビッグなスターってもう現れないんだろうなぁ。

そんな稀有な存在を自分なりの解釈で描いてみたくなる気持ち、何となくわかる。

2015/05/09

桜庭さんの作品は読んでなくてもだいたい知ってるつもりだったのに、この作品は知らなかったです。
マイケル・ジャクソンをモデルにしているというのは、読んでてなんとなく分かりました。
私にとっては、可も無く不可も無く、という印象の作品です。

2014/12/20

モチーフがあのスター一家？
もやもや感が否めぬまま進んでいき、やや疲れました。
ただ、桜庭作品は今の私にはなぜか心地良し。
満足です。
つぎ、いこ。