傷痕 の商品レビュー
「伏」のときもそうだったがなんでこんなに誰も手を出さないようなド高いハードルのモチーフを持ってくるかね桜庭一樹は、ホントいつもヒヤヒヤさせられっぱなしである。だがあの零戦本みたく丸写しにならずそれなりに仕上げてくるところは流石かな。 マイケル、パリス、孔雀はラトゥーヤ、そして少女...
「伏」のときもそうだったがなんでこんなに誰も手を出さないようなド高いハードルのモチーフを持ってくるかね桜庭一樹は、ホントいつもヒヤヒヤさせられっぱなしである。だがあの零戦本みたく丸写しにならずそれなりに仕上げてくるところは流石かな。 マイケル、パリス、孔雀はラトゥーヤ、そして少女を描く事については一流の桜庭マジックで女の子となった復讐と傷痕の心情のコントラストが絶妙で知っている者はもちろん知らない者も充分に楽しめる内容になっている。 緻密な計算によりあえて在り来たりに纏められたエピローグも良かった。 ときにその軽さ故手を出してなかった桜庭作品、また読んでみようかなぁ
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マイケル・ジャクソンの桜庭一樹ver物語。 と言いきってしまうには惜しいような。 復讐ちゃんのお話がいちばんらしくて好き。 やっぱり砂糖菓子の少女を書かせたらピカイチ。流石。 久しぶりにあの頃、少女だった頃に戻れた気がした。 桜庭さんがすべてだったあの頃の私に。 角砂糖や金平糖み...
マイケル・ジャクソンの桜庭一樹ver物語。 と言いきってしまうには惜しいような。 復讐ちゃんのお話がいちばんらしくて好き。 やっぱり砂糖菓子の少女を書かせたらピカイチ。流石。 久しぶりにあの頃、少女だった頃に戻れた気がした。 桜庭さんがすべてだったあの頃の私に。 角砂糖や金平糖みたいに綺麗なお話だった。 いつもより痛さが少ないから、余計に不思議で硝子細工だった。 美しいなあ。どうしようもなく儚いなあ。
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14/6/22 キングオブポップ/マイケルジャクソンをモチーフにしたお話。 「モチーフにした」だけどあまりマイケルジャクソンに詳しくない私にはドキュメンタリーのように感じた。 そして途中からマイケルジャクソンの曲が聴きたくて聴きたくてたまらなくなって何度も本を閉じて音楽を聴いて...
14/6/22 キングオブポップ/マイケルジャクソンをモチーフにしたお話。 「モチーフにした」だけどあまりマイケルジャクソンに詳しくない私にはドキュメンタリーのように感じた。 そして途中からマイケルジャクソンの曲が聴きたくて聴きたくてたまらなくなって何度も本を閉じて音楽を聴いてしまいました。 今更ファンになったよ。それほど魅力的に描いてあった。 せっかく一緒に生きている時間があったのに勿体無かったな、もっと彼が生きている間に彼のこと知りたかったなー。 桜庭一樹作品としては少し物足りなく思ったけど。 キングオブポップに性的虐待されたとされる復讐という名の少女の描き方はとっても桜庭一樹らしかった◎
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桜庭一樹からマイケル・ジャクソンへのラブレター。 去年の夏、シルク・ドゥ・ソレイユのMichael Jackson: The Immortal World Tourを観て号泣したときのことを思い出した。 「わかるから、好きなんじゃないのよ」 「わけもわからず、好きなの」
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一人の世界的スターの死を巡るストーリー。 この話はどこがって言われてもうまく言えないけど好きだな。…このスターのについてスター以外の視点から語られて好印象だったのだと思う。だからこの話が好きって言うよりスターが好きなんだと思う。
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偉大なポップスターの死を残された人々の視点から描いた作品。 様々な人物の物語や想いが、最後の、彼の死から2ヶ月後に催された特別なセレモニーのシーンに繋がっていく。 彼を送るためのセレモニーはとても素敵だった。彼のことを知らない、一読者であるわたしも思わず彼の死を悼み、叫んでいる...
偉大なポップスターの死を残された人々の視点から描いた作品。 様々な人物の物語や想いが、最後の、彼の死から2ヶ月後に催された特別なセレモニーのシーンに繋がっていく。 彼を送るためのセレモニーはとても素敵だった。彼のことを知らない、一読者であるわたしも思わず彼の死を悼み、叫んでいる。そんな想像が頭の中で広がった。本の内容だけでなく、個人的な感情や思い出も押し寄せてきて、ゾクゾクっと背筋に何か走った気がした。GLAYの20万人ライブの熱狂や、小さな劇場で、卒業公演の後の挨拶を行い涙を流す演者を包み込む熱気。ZARDの坂井泉さんの突然の訃報やミスターこと長嶋茂雄が病で倒れたニュースを聞いた時。頑張っても報われないこともあると知ったあの日。憧れや慕うという感情に出会った瞬間。それぞれが大きく膨らんで混ざり合って物語を身近に感じることができた。 偉大なポップスターの名がこの物語の中で明かされることはない。まるで神の名のように。国民的スターも、長きに渡って国の統治に関わってきた一族も、幾多の宗教が奉じる神様も、身近にいる憧れのあの人も。遠い存在でありながら、一人一人の日々の生活に親しく寄り添っている点では同じでわないかと思う。 自分の歩みをふいに振り返るときそれらの存在はかけがえのない指針となるはずだ。”自分とは何者なのか”それを考えるときの”過去”の経験を切り離すのは難しい。桜庭一樹さんの作品を手に取ったのは『GOSICK』が最初だった。『私の男』『道徳という名の少年』『ばらばら死体の夜』そして『傷痕』。色々共通点はあると思うけれど”過去”との闘いの物語が描かれているのはその一つだと思う。今の自分を語るとき①まさに今この瞬間を切り取るのか②未来へのスタート地点として語るのか③過去の経験を再構成して説明するのか。全てが必要なのだろうが私はどうしても③が占める割合が大きくなってしまう。②のウエイトを高めれればもっと楽しい人生を送れるのではないかなどと思うのだけれどなかなか難しい。③から②への葛藤を感じられたからこの作品のセレモニーのシーンに共感できたのだと思う。過去に囚われ心に不安を抱えていたとしても、未来は描けるのだと。もう自分ではなに描いてるか分からないくらいグチャグチャになっても、他人からは落書きにすら見えないくらいクレイジーでも描き続けていいだよって。そんな気分になれた気がした。
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マイケルジャクソンを下敷きにした話。 スーパースターの周りの人(子供とか姉とかファンの人)が語り手。でもやっぱり、スーパースターは雲みたいでつかみ所がなくて。 マイケルジャクソンは音楽で大成功を収めたけど、変なスキャンダルにも見舞われた人だったよなあ。 この小説では、「子供時...
マイケルジャクソンを下敷きにした話。 スーパースターの周りの人(子供とか姉とかファンの人)が語り手。でもやっぱり、スーパースターは雲みたいでつかみ所がなくて。 マイケルジャクソンは音楽で大成功を収めたけど、変なスキャンダルにも見舞われた人だったよなあ。 この小説では、「子供時代を子供として過ごせなかった。だからネーバーランド的なものを作った」みたいな設定だったけど。なーんか、彼を美化し過ぎと思ってしまって、いまいち納得できなかった。 本を読んでる間中、頭でマイケルジャクソンがくねくねダンスしてて、気味悪かった。(完全に私の問題ですが)
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偉大なる大スター、キング・オブ・ポップ。 彼が急死した日から、彼の愛娘「傷痕」は一人で歩むこととなった。 実在の大スター、キング・オブ・ポップを題材にした作品だった。 実在する彼がおこした様々な事件もしっかりと書かれ、 ネバーランドのような癒しの館までも登場。 彼の親族の遺産相...
偉大なる大スター、キング・オブ・ポップ。 彼が急死した日から、彼の愛娘「傷痕」は一人で歩むこととなった。 実在の大スター、キング・オブ・ポップを題材にした作品だった。 実在する彼がおこした様々な事件もしっかりと書かれ、 ネバーランドのような癒しの館までも登場。 彼の親族の遺産相続騒動など、現実の問題とかなりダブル内容だった。 誰が母親かわからない11歳のキング・オブ・ポップの娘は、 素顔を誰にも見られないように、いつも木彫りの仮面をかぶせられ、 世間と隔離されて生活していた。 それは、彼の私生活を暴こうとするマスコミやパパラッチから 彼の娘の人生を守るための工夫だったという。 かなり謎の多い人物として描かれているキング・オブ・ポップだが この作品では主役ではなく、本当の主役は彼の娘「傷痕」だ。 彼の死後、しばらくして、 「傷痕」は仮面をとってそれまで住んでいた館を出ていく。 トレードマークの仮面をとれば、素顔は誰にもわからない。 キング・オブ・ポップの娘はただ一人の少女として 生きることを選んだのだ。 この作品のいいたいことは「傷痕」のこの潔い決意だろう。 ここまで忠実にキング・オブ・ポップのことを小説化するとは、 桜庭さんは彼のファンだったのだろうか。 実在する娘の話とは全く違ってきているが、 あくまで架空の物語としているのだろう。 大スターをモデルにするのは、やはり難しい。 レポを書きながら、ふとそんなことまで考えてしまった・・・。
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女の子の謎が知りたくてどんどん読み進めた点で、ミステリー小説としてはなかなかよかったと思う。 読んでる間は知らなかったんだけど、明らかにマイケルジャクソンの話しだよなぁ〜と思ってたら、やっぱり。 面白かったような、物足りなかったような・・・
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マイケル・ジャクソンを現代日本で再現したら?という話。 桜庭一樹は父もしくは母との関係により、少女が健全に生きられないという話が多かった。 今回はスーパースターに性的いたずらをされた復讐と、彼の娘の傷跡が対照的に描かれている。 復讐はスーパースターの視界に入るために、また大人たち...
マイケル・ジャクソンを現代日本で再現したら?という話。 桜庭一樹は父もしくは母との関係により、少女が健全に生きられないという話が多かった。 今回はスーパースターに性的いたずらをされた復讐と、彼の娘の傷跡が対照的に描かれている。 復讐はスーパースターの視界に入るために、また大人たちにのせられて、彼を訴える。けれども、スーパースターは彼女に同情するだけ。一方、傷跡は彼が亡くなっても生きていけるように、自由になるように配慮される。保護される者とそうでない者。持つ者、持たざる者。 傷跡に対する彼の行動、傷跡が立ち上がる姿は今までの桜庭一樹にはなかったように思う。強い。 この対比は彼を取り巻く人間にも言える。才能の有無。愛情の有無。
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