曾根崎心中 の商品レビュー
人形浄瑠璃で有名な曾根崎心中は、 名前と「最終的に遊女とその相手が心中する恋物語」ということしか知らなくて(しかし原作読む気力はない)、 角田光代さんが描いているのを知って、早速図書館で借りてみました。 例えば(私ごとで恐縮です) 「死にたいと思ったことはあるか」と聞かれたら「...
人形浄瑠璃で有名な曾根崎心中は、 名前と「最終的に遊女とその相手が心中する恋物語」ということしか知らなくて(しかし原作読む気力はない)、 角田光代さんが描いているのを知って、早速図書館で借りてみました。 例えば(私ごとで恐縮です) 「死にたいと思ったことはあるか」と聞かれたら「ある」と答えます。 (ある程度生きていれば、一度くらい死にたいと思ったことはあるかと・・・) でも、「恋のために死ぬ」「(たかが)恋に破れて死ぬ」とか 「心中する」といった感覚が、全く理解できない。 (理解したいと思ったこともないですが。真剣に恋したことと死ぬことは別ですよね?) といった感じで読み始めて 幼少から狭い世界に閉じ込められ、 遊女として生きてきた初にとっての恋とは、 最初から死と隣り合わせであったのだな。と思い知りました。 ゾッとするほどの筆力で初の恋と 心中まで転がり落ちていく初の心情が描かれています。 ・・・あんまり若い子がこれみたら、恋なんてしたくなくなっちゃうんじゃない?!(苦笑。 酸いも甘いも味わった子育て中の主婦とか(ワタシです。)におススメでは。
Posted by
いつか読みたいと思っていた曽根崎心中が 読もうとして、到底日本語とは思えない文体に投げ出した曽根崎心中が 現代語で!!! もうそれだけで星3つは確定していた 近松門左衛門原作・角田光代翻案 タイトルだけならみんな知ってる曽根崎心中です 朧気に内容は知っていたので 予想外!な...
いつか読みたいと思っていた曽根崎心中が 読もうとして、到底日本語とは思えない文体に投げ出した曽根崎心中が 現代語で!!! もうそれだけで星3つは確定していた 近松門左衛門原作・角田光代翻案 タイトルだけならみんな知ってる曽根崎心中です 朧気に内容は知っていたので 予想外!なんてことが起こらないのもヨカッタ 非常に読みやすかったけど もっと陰々滅々としていてもよかったなー あっさり読めるし こういう話は日本人の好むところなんで 一読の価値はある 一度は諦めた原作に再挑戦したくなるのもいい けどフツーっちゃフツーなんで 星は3つ
Posted by
人形浄瑠璃で有名な曾根崎心中。大阪人ならお初天神の頭上に、寄り添う初と徳兵衛を見たことがあるだろう。しかし、その2人にどんな物語があったのか、知っているだろうか。 幼い頃から遊郭に身を置く初は、男を人とは見ず、老成し乾いていた。しかし徳兵衛との出会いが初のすべてを変えてしま...
人形浄瑠璃で有名な曾根崎心中。大阪人ならお初天神の頭上に、寄り添う初と徳兵衛を見たことがあるだろう。しかし、その2人にどんな物語があったのか、知っているだろうか。 幼い頃から遊郭に身を置く初は、男を人とは見ず、老成し乾いていた。しかし徳兵衛との出会いが初のすべてを変えてしまう。 遊女は金さえ払うなら誰にでも体を開きながらも、心は固く閉ざしていて、誰より純情に思えた。こんな話が江戸時代から語り継がれているなんて! いっとき流行ったケータイ小説と通じるものを感じた。きっと普段小説とか読まない人でも読みやすいと思う。
Posted by
曽根崎辺りは馴染みのある土地ながら近松の原作を読んでおらずぼんやりとしたあらすじだけを知るだけだったこの有名な物語を初めてきちんと読んでみた。 ストーリーはどこまでもピュアで、淡々とした語り口と繊細な筆致が、余計に物語に濃密さを与えている。 大阪弁がすごくいい。 生き生きとしてい...
曽根崎辺りは馴染みのある土地ながら近松の原作を読んでおらずぼんやりとしたあらすじだけを知るだけだったこの有名な物語を初めてきちんと読んでみた。 ストーリーはどこまでもピュアで、淡々とした語り口と繊細な筆致が、余計に物語に濃密さを与えている。 大阪弁がすごくいい。 生き生きとしていて品がある。 初めての恋を知った主人公、初のほとばしるような感情の表現がすばらしい。 そうだった、この感覚。 なくなりかけていた心の真珠がすこし輝きをとりもどしたかのようなズキズキとする感じ。 ヘビーな心中ものなのになぜか読後さわやかささえ感じるほどひたすらピュアだった。 再読必至。
Posted by
近松門左衛門原作を遊女お初の視線で描いた、角田さんの繊細で大胆な筆致に圧倒された。 お初が恋に目覚めてゆく過程がリアルで切ないが、ラスト近くで自分の愛した男に芽生える疑心、それすらもいいのだとするお初の心情がひたすら切ない。姐さん遊女達の想いが一心に集まるラスト、お初の凄絶な最期...
近松門左衛門原作を遊女お初の視線で描いた、角田さんの繊細で大胆な筆致に圧倒された。 お初が恋に目覚めてゆく過程がリアルで切ないが、ラスト近くで自分の愛した男に芽生える疑心、それすらもいいのだとするお初の心情がひたすら切ない。姐さん遊女達の想いが一心に集まるラスト、お初の凄絶な最期が圧巻。
Posted by
図書館にて。 ざっとは知っている内容だったけれど、この作家の美しい言葉の選び方で新鮮に読めたと思う。 ずっと恋におぼれていた主人公が、ラスト少し我に帰り冷静になるくだり、でもそれでもいいと運命に呑み込まれていく様子がせつなかった。
Posted by
遊郭へ売られた娘が色街の理を知り、諦めを知り、最後に本物の恋を知った果てに心中によって魂の自由を得るまでのお話。 主人公の初が恋に目覚めた瞬間の描写が素晴らしかったです。 角田光代にしか書けないかもしれない、と思わせる昂ぶり方があります。 読めば読むほど「あぁこれは心中するしか...
遊郭へ売られた娘が色街の理を知り、諦めを知り、最後に本物の恋を知った果てに心中によって魂の自由を得るまでのお話。 主人公の初が恋に目覚めた瞬間の描写が素晴らしかったです。 角田光代にしか書けないかもしれない、と思わせる昂ぶり方があります。 読めば読むほど「あぁこれは心中するしか無いな、いや心中こそが二人のゴールだな」と思わせられました。 最悪のゴールなのにそれが天国への切符にすら思えてしまう。 切羽詰まった人間がどんどん選択肢を失い道を狭められ、心中というゴールに後光が指しているかのように勘違いしてしまう。 遊女の哀しさが次々と押し寄せてきて息苦しくなる中、初が心中へと飛翔することに何故か希望や光を感じました。 現代の遊女はこれをどう読むでしょうか。 感想を聴きたいです。
Posted by
あまりにも有名な話なのに詳しくは知らない物語。 日本人として知っておこう程度で読みましたが、 現代風に書き直された文体はとても読みやすく アッ言う間に読み終えました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
岩波の原作本を挫折した私ですがどうしても読みたいと思っていたので角田さんリメイクは嬉しかった。 今は電話があってメールがあって大変便利な世の中なのに、いや、便利だからこそ私はいつも素直に気持ちを伝えられない。 恋とはこんなにも命がけで尊い物か。 自分が女性で視点も初だからか、相手の男や客の男には若干イラつきながらも一気読み。 それでもひたむきに一途に相手を思う籠の中の女たちの気持ちは私にはわからない。 髪切りも爪剥ぎも指切りも到底無理な話。 でも、そこまで想える人が欲しい、と思った。 最後は初が先に逝くけれど、徳兵衛は本当に自分に刃を向ける事が出来たのか甚だ疑問。 心中しかないと初は言ったけど、せっかく姐さんたちが橋を渡らせてくれたのだからもう少し、逃げられるだけ逃げて一緒に新たな人生を歩む事は不可能だったのかな…
Posted by
最近古典リメイクって流行ってr(略) 叶わぬ恋をした遊女が恋人とともに心中する話。ちゃんとした物語として読むのは初めてですが、有名な話ですね。 慕っていた姐さんの話、そして主人公・初の気持ちの描写がとても良いです。古典なのに新鮮な感じがします。 やっぱり角田さんの文章好きだな...
最近古典リメイクって流行ってr(略) 叶わぬ恋をした遊女が恋人とともに心中する話。ちゃんとした物語として読むのは初めてですが、有名な話ですね。 慕っていた姐さんの話、そして主人公・初の気持ちの描写がとても良いです。古典なのに新鮮な感じがします。 やっぱり角田さんの文章好きだな~
Posted by