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動的平衡(2) の商品レビュー

3.9

90件のお客様レビュー

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2012/12/19

前著「動的平衡」に続く第二弾。個人的には2弾目ということもあり、1冊目の方がよいかなと思ったが、分類思想に対して、全体としてバランスをとる=動的平衡 となるような事例を、コラム、エッセイ風に書いた本というイメージである。 探求すると言うよりもこのような事例もあるのかあと思いなが...

前著「動的平衡」に続く第二弾。個人的には2弾目ということもあり、1冊目の方がよいかなと思ったが、分類思想に対して、全体としてバランスをとる=動的平衡 となるような事例を、コラム、エッセイ風に書いた本というイメージである。 探求すると言うよりもこのような事例もあるのかあと思いながら、読みすすめられるので読みやすい。本人の少年時代に昆虫に熱中したこと等や、ファーブルのことなど、生物学の入門書としても面白いのではないだろうか。

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2012/12/09

遺伝子は楽譜であることを、専門の科学者がきちんと喩えられるというのは、日本の科学者としては珍しい部類の人材。 文理のバランスをとりつつ、専門分野できちんと業績を出せる人材は貴重。さらに平易な書物を記せるのだから、このまま行って欲しい。

Posted byブクログ

2012/09/27

多少難しかったがなかなか面白かった。進化は遺伝子の突然変異で起きる。癌もまた然り。だから癌にならないよう遺伝子の変異を完全にシャットアウトできる薬ができたら,そこに進化はないという。なんとも矛盾に満ちた生き物の世界。よくわからないながらも結構ひきつけられて読んだ。福岡伸一って面白...

多少難しかったがなかなか面白かった。進化は遺伝子の突然変異で起きる。癌もまた然り。だから癌にならないよう遺伝子の変異を完全にシャットアウトできる薬ができたら,そこに進化はないという。なんとも矛盾に満ちた生き物の世界。よくわからないながらも結構ひきつけられて読んだ。福岡伸一って面白い。

Posted byブクログ

2012/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

杓子定規な考え方からの脱却。 人間はものごとを単純化しすぎなことに気づかされた。 遺伝子だけですべてが決まる。 遺伝子だけでは決まらない。 冷静に考えると、これほど複雑な生命が、遺伝子だけで継承されると考える方に無理がある。 でも、そう思い込んでいた。 でも、本を読んで、世の中はそういうことじゃないんだと、もっと全体的な調和とバランスで成り立っているんだと、新しい見方ができるようになった気がする。 ただ、やはり人が人の形でとどまっていられることは、とても不思議だ。

Posted byブクログ

2012/09/17

絵画から昆虫・量子理論まで。 多彩な知識が紡ぎ出すサイエンスワールドは、今回は”自由”を語る。 人生に起こる事は決して因果や予測的の起こるのではない。 全てが原理的に自由に起こるのであると考えれば、未来も自分の意思で変えられる。 サイエンスは、じつはそんな生き方までも証明してく...

絵画から昆虫・量子理論まで。 多彩な知識が紡ぎ出すサイエンスワールドは、今回は”自由”を語る。 人生に起こる事は決して因果や予測的の起こるのではない。 全てが原理的に自由に起こるのであると考えれば、未来も自分の意思で変えられる。 サイエンスは、じつはそんな生き方までも証明してくれるのである。

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2012/09/01

遺伝子的な差異は少なくても スイッチのオン・オフのタイミングの差で 結果が大きく違ってくる? 人とチンパンジーみたいに。 マターナルDNA、糸巻き、メチル化 エピジェネティックス とかなりややこし部分まで話は進むが、読みやすい。 前に読んだ「働かないアリ~」への言及がある ...

遺伝子的な差異は少なくても スイッチのオン・オフのタイミングの差で 結果が大きく違ってくる? 人とチンパンジーみたいに。 マターナルDNA、糸巻き、メチル化 エピジェネティックス とかなりややこし部分まで話は進むが、読みやすい。 前に読んだ「働かないアリ~」への言及がある 31 摂食機能を放棄して1週間で死ぬカゲロウ 52 カンブリア爆破、酸素濃度上昇?視覚の獲得? 84 たんぱく質→アミノ酸 93 トウモロコシ8億トン、小麦6億、米5億、人は3.5億トン 96 必須アミノ酸、優等生は鶏卵 101 化学肥料は20世紀最大の発明のひとつ 133 腸内細菌と風土、海藻の成分を分解できる日本人。欧米人にはない 144 遺伝情報、大腸菌は460メガ、人は3ギガ 170 ギリシャ語のホルモン、興奮させる 175 生理はなぜ揃ってくる?腋パッドの実験 177 植物、ガス状の揮発物質で情報伝達?防御物質の同時作成 183 人もヤコブソン器官活躍中 198 ラマルクの娘の意地 211 ネオテニー 223 尿、水の流れに乗せてエントロピーを捨てている

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2012/08/15

科学エッセイとして読むにはいいと思うが、ところどころ主張に賛成できない。その手の人たちには妄説も膨らませる材料にされてしまうのではないか。 特に、反進化論者と同じレトリックを使っているのには驚かされた。なぜそうまでして「利己的な遺伝子」を覆したいのか分からない。あまりに鮮やかすぎ...

科学エッセイとして読むにはいいと思うが、ところどころ主張に賛成できない。その手の人たちには妄説も膨らませる材料にされてしまうのではないか。 特に、反進化論者と同じレトリックを使っているのには驚かされた。なぜそうまでして「利己的な遺伝子」を覆したいのか分からない。あまりに鮮やかすぎて反感を覚えるのだろうか。遺伝子の発現順というのも究極的には遺伝子に還元される要素であるはずで、遺伝子外の要素があるにしろ、エピジェネティクスの研究から「遺伝子から自由」という見解は出てこないはずだ。 ひとつの倫理観を科学で補強しようとしているように感じてしまう。もちろん筆者は立派な研究者なのだからそんなつもりはないのだろうが、そのような試みは倫理にとっても科学にとっても不毛だ。 あとがきの量子論的ゆらぎが因果律の破綻を示しているというのは分からない。あれはそういう話なのか。 生物多様性を守る意義として、生物間ネットワークを維持して、環境の復帰力を維持するという考えはなるほどと思った。

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2012/06/09

生物の、ちょっとした知識とか、概念とか、そういったものを、著者が生物学にあまり詳しくない人たちにも分かるようにかみ砕いて、著者の考えを交えながら説明する本。 『動的平衡』というタイトルなので、生物の、パーツが入れ替わり、全体として新しさを保ちながら全体として平衡を保ち続ける、とい...

生物の、ちょっとした知識とか、概念とか、そういったものを、著者が生物学にあまり詳しくない人たちにも分かるようにかみ砕いて、著者の考えを交えながら説明する本。 『動的平衡』というタイトルなので、生物の、パーツが入れ替わり、全体として新しさを保ちながら全体として平衡を保ち続ける、という話が大きなトピックとしてあった。 生物多様性は多様な変化に対応するための装備というか、クッションのようなものだという話、ちょっとなるほどと思った。

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2012/05/22

綺麗な文章。生物学をここまでわかりやすく、そしてロマンチックに語られたら、科学雑誌ニュートンも真っ青だろうと思っています、個人的に。

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2012/05/21

 いつも作者の人間味にあふれ、かつ科学者としての矜持を持った話には、楽しみと興味をそそられる。細胞、生物、植物、動物どれも読者の知的好奇心を満たしてくれるのだ。  特に第9章の「木を見て森を見ず」は震災以後の日本人には必読だ。理性的かつ真実を探求する科学的態度がわれわれにも求め...

 いつも作者の人間味にあふれ、かつ科学者としての矜持を持った話には、楽しみと興味をそそられる。細胞、生物、植物、動物どれも読者の知的好奇心を満たしてくれるのだ。  特に第9章の「木を見て森を見ず」は震災以後の日本人には必読だ。理性的かつ真実を探求する科学的態度がわれわれにも求められている。引用させて頂いたが、234ページの「相関性」と「因果関係」にふれた文だけでも、この本を読むべき価値がある。

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