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動的平衡(2)
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動的平衡(2)

福岡伸一【著】

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動的平衡(2)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 木楽舎
発売年月日 2011/12/10
JAN 9784863240445

動的平衡(2)

¥1,676

商品レビュー

3.9

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2024/09/20

(2012/6/7) この人は、普通に書けば面白くない遺伝子の話を、実に生き生きと、楽しいものに描いてくれる。 文才のある化学者。貴重な存在。見た目はぱっとしないのだけれど、、失礼。おたくであることを自認しながら、我々に、ふだんイメージできない世界をわかりやすく説明してくれるあり...

(2012/6/7) この人は、普通に書けば面白くない遺伝子の話を、実に生き生きと、楽しいものに描いてくれる。 文才のある化学者。貴重な存在。見た目はぱっとしないのだけれど、、失礼。おたくであることを自認しながら、我々に、ふだんイメージできない世界をわかりやすく説明してくれるありがたい存在だ。 動的平衡の第二弾もその文才を遺憾なく発揮してくれている。 いくら鍛えてもそれはRNAのみでDNAには反映されないとか、二酸化炭素が増えて地球が大変といっても、木を見て森を見ず、人間が影響を与えるのはごくごく限られた容量であるとか、覚めた化学の目で、鋭く世相も一緒に切っている。 生理が伝染る という微妙な話からフェロモンを上手に説明したり。 こないだのマラソンで私がお世話になったBCAAを取り上げたり。 読んでいて楽しいから不思議。 副題は「生命は自由になれるのか」あまり上手な副題ではない。読み終わってこの副題をみてもぴんとこない。 目次は 第1章 「自由であれ」という命令 ――遺伝子は生命の楽譜にすぎない    生命体は遺伝子の乗り物か  働きアリにみる「パレートの法則」  ホモ・ルーデンスかロボット機械か  サブシステムは自然選択の対象にならない  生命の律動こそ音楽の起源  生命を動かしている遺伝子以外の何か  遺伝子は音楽における楽譜  卵環境は子孫に受け継がれる 第2章 なぜ、多様性が必要か――「分際」を知ることが長持ちの秘訣    子孫を残せないソメイヨシノ  植物は不死である  進化で重要なのは「負ける」こと  センス・オブ・ワンダーを追いかけて  なぜ、蝶は頑ななまでに食性を守るか  動的だからこそ、恒常性が保たれる  多様性が動的平衡の強靭さを支えている 第3章 植物が動物になった日――動物の必須アミノ酸は何を意味しているか    なぜ食べ続けなければならないか  なぜ、動物が誕生したか  グルタミン酸においしさを感じる理由  「うま味」を探り当てた日本人  地球を支配しているのはトウモロコシ  アミノ酸の桶の理論  運動、老化にはBCAAが効果的    第4章 時間を止めて何が見えるか――世界のあらゆる要素は繋がりあっている     昆虫少年の夢  日本最大の甲虫ヤンバルテナガコガネ  ファーブルの言明  人間は時間を止めようとする  この世界に因果関係は存在しない 第5章 バイオテクノロジーの恩人たち――大腸菌の驚くべき遺伝子交換能力    タンパク質研究の最大の困難さ  大腸菌が遺伝子組み換え技術を可能に  大腸菌とヒトの共生  風土に合ったものを食べる知恵  大腸菌の驚くべきパワー  細菌たちのリベンジ――腸管出血性大腸菌O104  遺伝情報の水平的に伝達するプラスミッド 第6章 生命は宇宙からやって来た――パンスペルミア説の根拠    地球外生命体の証し  DNAが先かタンパク質が先か  チェック博士のRNAワールド  「生命誕生までに八億年」はあまりにも短い  パンスペルミア説 第7章 ヒトフェロモンを探して――異性を惹き付ける物質とその感知器官    ファーブルが探した誘引物質  ブーテナントとシェーンハイマー  なぜ「生理は伝染る」か  ヒトにもあるフェロモン感知器官  フェロモン香水を作った人たち 第8章 遺伝は本当に遺伝子の仕業か?――エピジェネティクスが開く遺伝学の新時代    トリプレット暗号とは何か  なぜ、生命の起源は単一だと言えるか  生物は不変ではなく、動的なものだ/ダーウィンの予言      第9章 木を見て森を見ず――私たちは錯覚に陥っていないか    花粉症は、薬では治らない  生命は水でエントロピーを捨てている  達成できそうにないCO2削減目標  排出権取引の胡乱さ 気楽に読む本。

Posted by ブクログ

2023/11/23

小田原の地球博物館に行った時に記念に買った本 ちょうどこの本を読み終える頃に、死にまつわる経験をした。死んでも、炭素という形で循環する。その循環を感じられるだけで救われる気がしました。 放っておけばエントロピーは増大する。それに抗うために、生命は積極的に壊して、再生を繰り返す...

小田原の地球博物館に行った時に記念に買った本 ちょうどこの本を読み終える頃に、死にまつわる経験をした。死んでも、炭素という形で循環する。その循環を感じられるだけで救われる気がしました。 放っておけばエントロピーは増大する。それに抗うために、生命は積極的に壊して、再生を繰り返す。膨大なエネルギーとコストをかけて。コントロールできる範囲で積極的に壊し作り変える、というのはものづくりの観点で真剣に向き合ってみたい。決して使い捨てでゴミを増やすことではなく、循環のために、そして長く平衡を保つために。 生命は常に動的に平衡を保とうとする。ある一側面の現象を変えると、また全体の平衡を保とうと全体が調整される。病気になる、筋肉が衰える、いろんなことが起こるけど、長い目を見てどう平衡させたいかは念頭に置いておきたい。 そして、生命も社会システムも同じなんだろうな。一つを調整すると全体が調整されていく。 一現象にとらわれず、全体を見ていきたい 自然農でその訓練をして、システム思考を持って社会と対話する

Posted by ブクログ

2023/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 本屋で動的平衡3が出ているのを見かけたので、まずは読んでいない2を読んでみた。これは2と呼んでいいのか正直微妙なところで、1作目の圧倒的な完成度と比較すると寄せ集め感が強かった。一部は媒体の原稿を集めて編集したものなので仕方ないのだけど、逆に1作目の凄さを際立たせる結果になっていた。  ただ一つ一つの原稿は当然ハズレなし。著者の作品を読むのは4冊目だが、サイエンティストかつエッセイストとして右に出るものはいない。身近な生命の現象をこれだけ豊かに描くことができるのは圧倒的な読書量と頭脳の明晰さによることを本作でも例に漏れず思い知らされた。個人的にはエントロピーをめぐる議論が興味深かった。物事は自然と発散の方向へ向かうようになっているが、生命はそれを見越して自らを破壊・再構築を繰り返し動的平衡を維持、エントロピーの影響を逃がしている。ここからもう一歩踏み込んで「水を飲むことでエントロピーを捨てている」という話になるあたりが他のサイエンティストと違うところだと思う。あとは遺伝子上に発生するミスとしてのガンを考察しながら、どうしてミスが起こるような設計になっているかの話も興味深かった。ミスが発生する、つまりそこに進化の可能性を残しているということらしい。そこに遊びがないと皆共倒れになるというのは人生の教訓のよう。自分とは縁遠い生物の世界をアナロジーとして捉える面白さもあるのでジャンルにとらわれず色んな本を読みたい。

Posted by ブクログ

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