動的平衡(2) の商品レビュー
一冊目の続きとして読んだ方がより楽しめると思います。 すべての章内容の世界を体験した上での、著者のあとがきがとても素敵です。 だから、引用文を載せたくて仕方ないけど載せられない。 なぜ私たちはこの身体を保ち生命活動を続けているのでしょう。種の存続に一体どんな必要性があるのでし...
一冊目の続きとして読んだ方がより楽しめると思います。 すべての章内容の世界を体験した上での、著者のあとがきがとても素敵です。 だから、引用文を載せたくて仕方ないけど載せられない。 なぜ私たちはこの身体を保ち生命活動を続けているのでしょう。種の存続に一体どんな必要性があるのでしょう。生きていることが不思議でたまらないです。
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生物学の話なのに、動的平衡をキーワードに、頭の別のところで、伊勢神宮の式年遷宮の意義や、組織の在り方、人生について考えながら読んだ。
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「生命とは動的な平衡にあるシステムである」と、私たちの生命が可変的でありながら持続的であるさまについて語っています。
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二匹目の泥鰌~設計図はDNAだが,そこに「自由であれ」と言われているのではないか。ヒトとチンパンジーのDNA上の違いは2%弱だが,第二次性徴を促す性ホルモンが出るスイッチ・オンはヒトの場合,遅れてやってくる。それまでの時間で,試行錯誤や手先の器用さ,好奇心,探索行動が長続きする。...
二匹目の泥鰌~設計図はDNAだが,そこに「自由であれ」と言われているのではないか。ヒトとチンパンジーのDNA上の違いは2%弱だが,第二次性徴を促す性ホルモンが出るスイッチ・オンはヒトの場合,遅れてやってくる。それまでの時間で,試行錯誤や手先の器用さ,好奇心,探索行動が長続きする。卵子由来で継承されるマターナルRNAがどのような働きをしているかはまだ分かっていないし,糸巻き効果,メチル化のメカニズムも未解明だ。花粉症対策として抗ヒスタミン剤を服用すると,ヒスタミンは余計に出て,花粉症は悪くなる。腎臓のメカニズムは,一日に1700㍑の血液が流れ込み,300回の循環だ。原尿と呼ばれるのは180㍑,99%が回収され,残りの1~2リットルが尿となる。沢山水を飲んで,せっせと尿として出すことで,エントロピーを捨てることになる。問1大気中に含まれる二酸化炭素の濃度は何パーセントですか?答0.035%問2一年間に人間の活動によって排出される二酸化炭素の量は,大気に含まれる二酸化炭素の量の何パーセントですか?答1%以下(72億トン/7300億トン)問3日本が排出する二酸化炭素の量は,全世界の排出量の何パーセントですか?答4%問4二酸化炭素排出量を国別に比べると上位ファイブは?日本は何位ですか?答1位中国2位アメリカ3位ロシア4位インド5位日本(4%)問5実質,日本は何パーセント減らさなければなりませんか?答実質十数パーセント。そもそも相関性と因果関係は同じだと考えたがる傾向がヒトにはある。遺伝子外の要因を考えねばね。それはDNAのコピーエラーかも知れない。それが進化を促進したかも知れない。どんなにジムで筋トレしても,子孫に影響は与えない~ロハスって,インチキ臭いんだけど,流石に科学者が書くと信憑性が出る。まだ,続きが書けそうだね
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http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10070793
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福岡先生の動的平衡の続きとなる書物です。 一作目は本当に面白くて、あっという間に読み終わってしまいました。その期待をこめて2を読みましたが、期待が大きすぎたのか、一作目ほど感動は感じませんでしたが、面白い本だと思います。。。。一作目があまりにも面白すぎたのかな?
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「『生物と無生物のあいだ』の人だけど、あの本は正直、面白くなかったんだ」 油絵の匂いのするガレージの隅で、蛹はコーヒーを淹れていた。そこら辺にあったマグカップに、勝手に熱いコーヒーを注ぐ。そして、大きな古いソファに腰を下ろすと、持ってきた本をぱらぱらとめくり、適当に読み返し始めた...
「『生物と無生物のあいだ』の人だけど、あの本は正直、面白くなかったんだ」 油絵の匂いのするガレージの隅で、蛹はコーヒーを淹れていた。そこら辺にあったマグカップに、勝手に熱いコーヒーを注ぐ。そして、大きな古いソファに腰を下ろすと、持ってきた本をぱらぱらとめくり、適当に読み返し始めた。 ガレージの主は、一心不乱にキャンバスに向かっていたが、コーヒーの匂いに気付いて振り返った。 「オレのぶんは?」 「俺が持ってきた豆だけど」 「そこにあるロータスのビスケット、食べていいよ」 「蚕も、コーヒー飲む?」 「やった!」 蚕は筆を置き、トレーナーの裾で手を拭った。それから、ポットに残っていたコーヒーをカップに注ぎ、蛹の隣に座る。身を乗り出して、蛹の手元から本を取り上げ、ぱらぱらとめくった。 蚕は、ガレージで夜通し絵を描いている。昼間は眠っていることが多い。昼夜が逆転しているので、訪ねてくる人間は少ないし、自分から誰かを訪ねていくことも少ない。蛹は、その数少ない一人だった。いつも何かしら本を持ってきて、そのまま置いていく。持って帰ることは少ない。おかげで、ガレージの隅にはちょっとした本の山が出来ていた。 「ふーん。生物と無生物のアレは、生命の定義を探す本だっけ。個人的には、生物がらみの色々な話題が取り上げられていて、けっこう楽しめたけど」 「でも、答えにはたどり着けなかった。結局、自己複製能力という、既存の定義に縛られたまま終わった感じだったように思う」 へえ、と蚕は相槌を打つ。彼は、どうやら面白そうな箇所を探して斜め読みしているようだった。 「この人、そのあとも、何冊か本を出してなかったっけ?」 「うん。で、前作の『動的平衡』で『生命とは動的平衡状態にあるもののことだ』っていう結論にたどり着くんだけど」 「動的で平衡?」 「動的で、平衡」 「動的も、平衡も、理系っぽい言葉だよね」 「絶えず変化しながら一定の秩序を維持し続けるシステム、くらいに捉えたけど」 「感覚的には分かるかも。感覚的にしか分からないけど」 うん、と蛹は頷く。 それから、ビスケットに手をのばす。 「で、この本は、動的平衡という概念を広げて生物学やら何やらを眺めてみるっていう感じ。新しかった」 「新しい? 自分のコピーを作れるのが生命、っていう考え方を変えるってこと?」 「考えてみたら、それって確かに窮屈だと思って」 「まあ、もうちょっと何かねえの? とは思うけどさ」 「うん。自己複製能力だと言われれば、そんなものかと思ってしまうけど、窮屈だし、独りよがりな気がする。それに、生命が『なぜ』存在するのか、という問いに対しては、行き止まりだし。どうでもいいけど、このビスケット、こないだ俺が買ってきたやつだよね」 「それはどうでもいいんだけどさ、『なぜ』って、理由のこと? お前そんなん考えてたの?」 「いや、理由というとちょっと違うんだけど、外側に求める何かっていうか―――生命それ自体でどうこうじゃなくて、っていう話で」 「何らかの秩序を維持するために、生命という仕組みを導入したってこと? あ、なんか違うって顔してる」 「目的というよりも、そういう仕組みを導入した結果、こういう惑星になった、っていう方が、好きかもしれない。生命という枠から、自由になれるとっかかりのようなものを感じるっていうか」 蚕は少し首を傾げ、それからじっと表紙を見る。 「うーん、まあいいや。ゆっくり読みたいから、しばらく貸してよ」 それから、休憩終わり、と言って立ち上がった。 蛹は、これからが休憩の本番とばかりに、靴を脱いでソファに横になった。
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福岡先生の代表作、「動的平衡」の続編です。共時的な多義性が人生にもみられる、我々の世界は全く自由であるというメッセージに感銘を受けました。
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最先端の生物学の知見をやさしく教えてくれ、そこから、生物としての人間のあり方をも示してくれる。量子力学とともに、ここまで発見の続く学問の面白さ。著者のような、透徹した知性は稀だと思う。
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http://tacbook.hatenablog.com/entry/2014/05/25/212109
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