モモちゃんとアカネちゃん 合本版 の商品レビュー
モモちゃんは小学生になり、アカネちゃんは乳幼児から2歳ぐらいまで。 二人の話ではあるけれど、メインはモモちゃんからアカネちゃんになりつつある。 両親の離婚、お母さんの病魔=死神=死が近寄ってくる メルヘンな部分が多いけれど、現実的な部分も日常にあふれているたくさんのことも描かれ...
モモちゃんは小学生になり、アカネちゃんは乳幼児から2歳ぐらいまで。 二人の話ではあるけれど、メインはモモちゃんからアカネちゃんになりつつある。 両親の離婚、お母さんの病魔=死神=死が近寄ってくる メルヘンな部分が多いけれど、現実的な部分も日常にあふれているたくさんのことも描かれている。 この巻では、ママパパともに沢山字を書く仕事だということが伝わってくる。 前巻では疑問だったこと、やっと読むきっかけを作ってくれた原田ひ香さん『古本食堂新装開店』にあって死に神と木のエピソードが文庫あとがきを読むと理解が深まった気がする。
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アカネちゃんとモモちゃんを中心に子供の考える世界をとても良く表現していると思う。 子供はよく分からないことをしたり言ったりするけど、それは子供の世界でしか通用しない物語なのかも知れません。 子供と一緒に読むと良い本だと思います。
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家族の変化。ママとパパ。パパのパパ。 離れる縁。つながる縁。 夫婦が一緒に暮らせなくなる状況をこんなふうに描けるのだなぁと、興味深く読みました。 植木鉢のたとえ、なるほどと思いながら読みました。 いろんなことが起こりながらも続いていく日常が愛おしく思える物語でした。
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ほのぼの感あるのに 時々不穏な空気が 暗喩されていたり そういうところが 頭にずっと引っかかる感じ 不思議な不協和音 そしてやっぱり 酒井駒子さんの けぶるような 挿絵が良い ブックオフ一宮妙興寺店にて取り寄せ
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「[児童文学』というものは『子どもに夢を希望を与えるもの』だとしたら、どうも、『モモちゃんとアカネちゃん』はちがうものなのかもしれない。もっとなんというか、リアルなことが、この作品には書かれている。」ー高橋源一郎氏の本書解説より 作者である松谷さんの実体験…ほんとうにあったこと...
「[児童文学』というものは『子どもに夢を希望を与えるもの』だとしたら、どうも、『モモちゃんとアカネちゃん』はちがうものなのかもしれない。もっとなんというか、リアルなことが、この作品には書かれている。」ー高橋源一郎氏の本書解説より 作者である松谷さんの実体験…ほんとうにあったことを元にしつつ、ファンタジックな要素もある、苦さも優しさもある、そんなおはなしたち。 欠かせない隠し味は、モモちゃんとアカネちゃんにみんなが注ぐ視線に「愛情」がこもっていること。 黒ネコのプーはモモちゃんが生まれた時におうちにやってきて、モモちゃんやアカネちゃんだけでなくおかあさんともおはなしができる(子どもだけが動物と話せる物語はよく見かけるけど、大人も動物と会話できる物語は新鮮だった)。 アカネちゃんが生まれる前からおかあさんが編んだアカネちゃんのための双子の靴下・タッタちゃんとタアタちゃんは、アカネちゃんとだけおはなしができる。 タッタちゃんとタアタちゃんがアカネちゃんのために奔走する姿は微笑ましい。 他にもおかあさんが忙しい時においしい料理を作ったりして助けてくれる森のくまさん。 森の動物さんたち。 やさしいファンタジーがここにある。 でも、おとうさんとおかあさんは「もっか けんかちゅう」になった末におわかれをすることになる。 最初はおとうさんが帰ってくるのを待っていたおかあさん。でも足音がしてドアを開けると、そこにいるのはおとうさんの靴だけ。 そんな現実のシビアさもファンタジーの中に伝えられている。 児童文学なのにたまにドキッとするシビアさがところどころ現れる。 でもシビアさもちょっぴりは必要なのかもしれない。 子どもだって、現実はしあわせだけじゃないって、わかってると思うんです。 その中で愛情に包まれて、笑って生きていく。 たくさんの人(動物さんたちにも)に助けられながら。 あとは、おかあさんの子どもたちへの思いの通じなさ、子どもたちからおかあさんへの思いの通じなさの描き方がリアルだなと思いました。 たくさんたくさんあるお話のうちで、私が一番好きなのは、ーちいさいアカネちゃんーの中の「野原で」というおはなし。 いたいのいたいの飛んでけっておかあさんがアカネちゃんにやったら、お山に飛ばしたらお山にいるおじいちゃんのおひざがもっといたくなっちゃうようと泣き出すアカネちゃん。 困ったお母さんはラクラク山のうさぎさんにお電話をして、そちらへ飛んでいったいたいいたいはどうなっておりますかと聞きました。 そのうさぎさんの答えがとても素敵なのです。 いつも短編集は備忘録がてら目次を載せるのですが、あまりにも数が多いので今回は割愛。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
児童書といっても、確かに幅が広くて、ヤングアダルトと分類されるものは、非常にリアルな現実が描かれていたり、大人が読んでも読みごたえがあるものがたくさんあるので、離婚や別れを描く本は、他にもあると思うのですが、モモちゃんとアカネちゃんが小さい幼児であること、しゃべる猫やモノたちなど、小さい子を読者対象としたようなファンタジーらしい内容であることを思うと、同時になんてリアルなのか、本当に対象は幼児や子どもなのか?と思う。むしろ、大人になった今読んでこそ、大人の読む本なのでは?と思ったり。 別れることになった夫婦の二人を二本の木として、その在りようが異なることから、別れがお互いのために仕方ないものとして描かれている部分に、とても納得できました。 ただ「歩く木」が仕事や世界を飛び回りたい活動てきなものをイメージはしたのですが、つい、気になってネットで他の作品や周辺情報など調べてしまったので、知った内容からは、もっと別の意味の「歩く木」かなとも思ったり。作品の中では、夫への非難めいたことは全く出てこないのですが、私なら納得できないし許せないなと思ったり。実際に、心の中がどうであったかわかりませんが。 「さようならはしても パパはパパ、パパのパパもパパのパパ」と歌い、母子で夫の両親の元を訪れ、娘とパパおおかみで山登りをし。 しかし、この絵本の続巻シリーズは、娘から離婚の経緯を知りたい、書いて欲しい、読みたいとの要請があってのものだそうなので、それなら父親を貶めるようなことは書かないかとも思ったり。それもと、仕事(芸)のためなら、そういう男はそれで仕方ないと思っていたのか、それでも愛していたということなのか。
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子供の頃読んだモモちゃんとアカネちゃんが大人向けに文庫になってると知って読んでみた。 中身は子供の頃に読んだものと同じだと思うが、子供の頃には見えなかった背景が見えてきた。 お母さんの気持ちがリアルに伝わってきた。 離婚なんていう厳しい現実を児童書の中に伝えていたと言う事にも些か...
子供の頃読んだモモちゃんとアカネちゃんが大人向けに文庫になってると知って読んでみた。 中身は子供の頃に読んだものと同じだと思うが、子供の頃には見えなかった背景が見えてきた。 お母さんの気持ちがリアルに伝わってきた。 離婚なんていう厳しい現実を児童書の中に伝えていたと言う事にも些か驚いた。 子供の私はその時はどんな風に捉えたのかもう知る由も無い。
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再読。 モモちゃんがお姉ちゃんになって奮闘して、アカネちゃんはおしゃべりできるようになって…あたりまえのような成長だけど、子どもの世界と可能性の果てしない広がりにつくづく感心。 歩く木と育つ木の話や「…すぐにふたりとも大きくなって、自分の道を歩いて行くのね」というママならではのた...
再読。 モモちゃんがお姉ちゃんになって奮闘して、アカネちゃんはおしゃべりできるようになって…あたりまえのような成長だけど、子どもの世界と可能性の果てしない広がりにつくづく感心。 歩く木と育つ木の話や「…すぐにふたりとも大きくなって、自分の道を歩いて行くのね」というママならではのため息が深く心に刻まれる。忘れちゃいけないプーの存在も、恐ろしい死神も、重い大人のリアルも全てひっくるめて愛おしい物語。
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「ちいさいモモちゃん」の続編。 アカネちゃんの生まれて初めてのお友達の靴下の双子「タッタちゃんとタアタちゃん」、「おいしいもののすきなくまさん」、「死に神」…個性的なキャラクター達が現実の世界で当然のようにモモちゃん達と話をするおとぎ話の要素がありながら、パパとママの離婚が容赦...
「ちいさいモモちゃん」の続編。 アカネちゃんの生まれて初めてのお友達の靴下の双子「タッタちゃんとタアタちゃん」、「おいしいもののすきなくまさん」、「死に神」…個性的なキャラクター達が現実の世界で当然のようにモモちゃん達と話をするおとぎ話の要素がありながら、パパとママの離婚が容赦なく描かれていたり…。 児童文学というカテゴリーにある物語ですが、大人でも引き込まれる世界観。
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やっぱり面白い。 モモちゃんは小学校入学~2年生?くらい、アカネちゃんは初めての誕生日~3歳くらいの時期のお話で、前半の『モモちゃんとアカネちゃん』でママとパパは離婚します。 離婚に至るまでの夫婦の関係を、「近頃パパは靴だけ帰ってくる」というふうに表現します。ぞくっとする表現。...
やっぱり面白い。 モモちゃんは小学校入学~2年生?くらい、アカネちゃんは初めての誕生日~3歳くらいの時期のお話で、前半の『モモちゃんとアカネちゃん』でママとパパは離婚します。 離婚に至るまでの夫婦の関係を、「近頃パパは靴だけ帰ってくる」というふうに表現します。ぞくっとする表現。 母子家庭になったモモちゃん一家。 ママは「はたらくママ」で、アカネちゃんは「赤ちゃんのいえ」に通い、ときには「おいしいもののすきなくまさん」他、リスさんやうさぎさんに預かってもらうこともあります。 ひろこおばさんに映画につれていってもらうためにひとりで出掛けたモモちゃんは、すれ違う人たちに「ひとりでいくの?ママといっしょじゃないの?」と何度も聞かれ、よそゆきの服をふつうの服にわざわざ着替えに戻ってきます。 何かと助けてくれる「おいしいもののすきなくまさん」の存在が本当にありがたい。 今は離婚家庭もワーキングマザーも珍しくないけれど、珍しくないからって苦労しない訳ではなくて、モモちゃん一家にとっての「おいしいもののすきなくまさん」のような人が、それぞれの人生にいたらいい。 松谷みよ子さんの自伝『じょうちゃん』というのがあるらしく、そちらも読んでみたい。
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