名もなき毒 の商品レビュー
やはり宮部さんはさらっと読める! そこが凄い。 ただ…やっぱし時代物の方が好きかなー 最後のどんでん返しも特に…でした。
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購入:油谷(2012.1.5)返却(2012.1.14) 本屋さんでランキング2位だったのと個人的に宮部みゆきの本は好きなので購入しました!少し長いですが気になるストーリーなのですぐ読めます。 日常の生活に潜んでいる「名もなき毒」。誰しもがいつその毒の犠牲になってもおかしくないので、「普通」に生活出来ている事の有難さを考えさせられるストーリーでした。 中山(2012.2.22) 宮部みゆきの本は安心して読めます。今のとこ、ハズレなしです。ほんまに世の中には、自分の価値観とまったく違う価値観の人がいますねえ。怖いですねえ。自分ではどうしようもないのですが、事件に巻き込まれん様にしたいです。結構、僕は巻き込まれるタイプなので、気をつけたいです。もし、ラストの事件みたいな事があったら、我を忘れてしまうだろうと思いました。読んでるだけで、かなりムカつきました。
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続編だと知らずに読んでしまった…。 何箇所か何のことなのか分からない点もあったけど、本筋には影響なく読めたので差し支え無かったですが。 サスペンスにカテゴリを分けてしまいましたが、サスペンスというよりは人間の性が書かれています。 毒物混入殺人事件という、読んで字のごとくの「毒」...
続編だと知らずに読んでしまった…。 何箇所か何のことなのか分からない点もあったけど、本筋には影響なく読めたので差し支え無かったですが。 サスペンスにカテゴリを分けてしまいましたが、サスペンスというよりは人間の性が書かれています。 毒物混入殺人事件という、読んで字のごとくの「毒」と、人間誰もが持っている内面的な「毒」。 人間誰もが毒で人を苦しめ、苦しまされる。 それは誰と過ごそうと、どこで暮らそうと、人間である限り避けられない道。 当たり前の感想で申し訳ないのですが…、そんなことを思いました。 でも絶望だけで終らせないのが宮部作品。他の作品同様、支え合える人達も沢山出てきます。解毒するのも人との触れ合いなんだ。 そんな人たちのやりとりが、ちょっと「クサイ」と思ってしまうこともあるけどネ。(笑)
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『誰か』の続編。 “素人探偵もの”ということで、 所々にテレビの2時間ドラマ的な不自然さを感じないこともなかったが、 人物描写が巧みなため、楽しく読むことが出来た。 特に原田いずみは、『模倣犯』の樋口めぐみを更に酷くしたような、 見事な(?)サイコパスっぷりであった。 事件を...
『誰か』の続編。 “素人探偵もの”ということで、 所々にテレビの2時間ドラマ的な不自然さを感じないこともなかったが、 人物描写が巧みなため、楽しく読むことが出来た。 特に原田いずみは、『模倣犯』の樋口めぐみを更に酷くしたような、 見事な(?)サイコパスっぷりであった。 事件を描くこともさることながら、 最近の宮部さんは“人間そのもの”を描こうとしているようで、 その辺りが非常に興味深い。
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この小説の前に出た「誰か」に登場した平凡なサラリーマン杉村三郎が主人公です。小説の題名に出てくる”毒”を扱った推理小説です。人のこころの奥に潜む得体のしれない悪意はどんな形になって毒素をまき散らすのか・・冒頭ひとつの事件が起こるのですが、その事件の犯人が分かった時点で思いがけない...
この小説の前に出た「誰か」に登場した平凡なサラリーマン杉村三郎が主人公です。小説の題名に出てくる”毒”を扱った推理小説です。人のこころの奥に潜む得体のしれない悪意はどんな形になって毒素をまき散らすのか・・冒頭ひとつの事件が起こるのですが、その事件の犯人が分かった時点で思いがけない事件が杉村氏を襲います。杉村氏が逆玉の輿であるだけに、一族の関係性も事件の背景にしばしば登場することとなります。また住宅のシックハウス症候群・土壌汚染など環境面の毒物のことも同時に筋書に盛り込まれていて社会問題的な要素も混ざっています。この小説を読んでいると和歌山の毒物入りカレー事件が思い出されたりするのですが、作者もあの事件から触発される部分があったのかもしれないなあと考えてしまいます。そしてもうひとつの事件を引き起こした理解しがたい動機を持つ人物の存在は不気味です。これは以前に読んだ「模倣犯」を連想させるものでした。常識が常識では通らない不条理な世界に迷いこんだ人間をどう扱えばよいのか。何も小説の中だけではなく程度の差はあれ実際に存在しつつある現代の世の中ですから、これはまさに背筋が寒くなります。
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宮部みゆきの現代ミステリー。「誰か Somebody」に継ぐ杉村三郎シリーズ二作目で、文庫入りを機に読了。その「誰か Somebody」は本棚にあるので、確かに読んでいるはずなのだが、あらすじを読んでも特に記憶にない。あんまり印象に残る作品ではなかったのかなぁ。この「名もなき毒」...
宮部みゆきの現代ミステリー。「誰か Somebody」に継ぐ杉村三郎シリーズ二作目で、文庫入りを機に読了。その「誰か Somebody」は本棚にあるので、確かに読んでいるはずなのだが、あらすじを読んでも特に記憶にない。あんまり印象に残る作品ではなかったのかなぁ。この「名もなき毒」も、エンターテイメント小説としては楽しめたが、それほど強い印象を残しはしなかった。杉村三郎という印象の薄いキャラクタを主人公にした、このシリーズの宿命かもしれない……。あえて印象に残ったところを上げれば、あの露骨な伏線。わざとバレバレの伏線を張ることで、「読者には判っているが主人公は気がついていない」状態が延々と続き、サスペンス小説らしい不安感をあおられてしまった。 「名もなき毒」で描かれるのは、自らの力によってはどうにもならない境遇によって生まれ、やがて無差別殺人という形を取って外へ向かう「悪意」の恐ろしさと、全てを境遇のせいにして自ら省みることなく純粋培養された「悪意」の恐ろしさの二重奏である。そして、連続薬物混入事件や、宅地土壌汚染、自分探し(作中では「自己実現」)に翻弄され自殺する若者たち、サイコパスによる犯罪(作中でサイコパスという言葉が使われることはないが、原田いずみは典型的なサイコパスであり、その描写は見事である)など、現代の世相を鋭く切り取った数々のエピソードがこの 2つの軸を彩り、宮部みゆきらしさが非常によく出た小説と言えるだろう。言うなれば、火車と模倣犯を足して 5で割ったくらい。
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小説だから、もちろん非日常的な話なんだけど、 すごくドラマチックだったり、スリリングだったりするわけでなく、 比較的小さなトラブルや事件だった。 だったはずなのに…、 そんな感じの自分の回りの毒がじわじわと侵食してくるような そんな気持ちになる。 人間どこで毒に犯されるか、わかったもんじゃない。 宮部みゆきのこの市井の民の感覚が好き。
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全然意識してなかったけど、『誰か』から続くシリーズ物の 第2弾でした。 主人公は前作と同じく、今多コンツェルン会長の娘婿であり、 今多グループの社内報編集部に所属する杉村三郎。 ごく平凡なサラリーマンが巻き込まれる不連続毒殺事件と 編集部元バイトのトラブルメーカーによる嫌がらせ...
全然意識してなかったけど、『誰か』から続くシリーズ物の 第2弾でした。 主人公は前作と同じく、今多コンツェルン会長の娘婿であり、 今多グループの社内報編集部に所属する杉村三郎。 ごく平凡なサラリーマンが巻き込まれる不連続毒殺事件と 編集部元バイトのトラブルメーカーによる嫌がらせ、という 2つの事件が中心ですが、 編集部に起きるゴタゴタの方が非常にリアルというか、 そこら辺にありそうな感じの悪意が満ちていてイヤな感じ。 ああ、こんな人周りにいるわ、的な。 事件が終わっても結局、こちらの件については悪意の源がどこにあるのかが 見えにくくて、やっぱり理解の範疇を超えた人がいるってことだな、と 個人的には変な納得をするしかない状態で、もやもやが残ってしまいました。 <解説>杉江松恋
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「誰か」の続編のようなお話。 テンポ良くあっという間に読めるけど、ストーリーはしっかりしている。 無差別毒殺事件と、アルバイトをクビにされたトラブルメーカーの女性とのすったもんだが並行に進んでいく。 人間の出す毒、というのがポイントになっていて、コミカルなのにどこか切ない感じ。...
「誰か」の続編のようなお話。 テンポ良くあっという間に読めるけど、ストーリーはしっかりしている。 無差別毒殺事件と、アルバイトをクビにされたトラブルメーカーの女性とのすったもんだが並行に進んでいく。 人間の出す毒、というのがポイントになっていて、コミカルなのにどこか切ない感じ。 逆玉の輿にのった杉村がいろんなことを我慢したり考えたりしながら、自分の家族や困ってる人のためにあれこれ動く。 意外と複雑な状況にあるんだなーというのが分かるけど、それを感じさせない描写。 「誰か」より面白く読めた気がします。
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2005年に発売された「誰か」の続編にあたる現代ミステリーですが、 人の心の怖さと脆さと悲しさを描いた素晴らしい一冊だと思います。 今多コンツェルンの娘婿となった杉村三郎は、 今多コンツェルン広報室で社内広報誌のインタビューなどを行う会社員。 そこに雇われたアルバイトの原田いず...
2005年に発売された「誰か」の続編にあたる現代ミステリーですが、 人の心の怖さと脆さと悲しさを描いた素晴らしい一冊だと思います。 今多コンツェルンの娘婿となった杉村三郎は、 今多コンツェルン広報室で社内広報誌のインタビューなどを行う会社員。 そこに雇われたアルバイトの原田いずみは質の悪いトラブルメーカー。 勤務態度の悪さにより解雇された彼女は、 クレーム対応係となった杉村に途方も無いクレーマーぶりを発揮する。 一方、首都圏ではコンビニの紙パックに青酸カリを混入するという無差別殺人が発生し、 首都圏で4件の被害者が出るという事態となっていた。 原田いずみのクレーマーぶりに手を焼いた杉村は、 彼女の経歴をたどっていくうちに無差別殺人の被害者家族と知り合うことになり、 徐々にその事件の真相解明に巻き込まれていくことになるが、、、 青酸カリによる無差別殺人の話と経歴詐称の若い女性との話が平行して進んで行きますが、 それぞれの物語が一転二転して進んで行くため、 読んでいて息つく間も無くグイグイと物語の中に引き込まれてしまいます。 無差別殺人の加害者もクレーマーの女性も、 今の世の中には必ずいるだろうと思えるタイプだけに、 読んでいて自分の近くにこんな人間がいるのではという怖さも感じます。 ただし、悪者が悪者として書かれているだけではなく、 そこに”人間の弱さ”と”哀れさ”というものを感じさせるのがさすがに宮部みゆきさん。 こういったテーマの物語なのに残酷さをそれほど感じないというのは、 登場人物の心の中まで踏み込んだ描き方をしているからなのかなと思いました。 特にラストのすべてのトラブルが解決する部分はスピード感もあり、 時間が経つのも忘れて一気に読み切ってしまいました。 ミステリーがお好きな方にはもちろんおすすめですが、 宮部みゆきさんの本を読まれたことの無い方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。 年末年始のお休みにじっくり読んでみるというのはいかがでしょうか。
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