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名もなき毒 の商品レビュー

3.9

424件のお客様レビュー

  1. 5つ

    76

  2. 4つ

    203

  3. 3つ

    108

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    0

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2012/05/22

(2012年5月22日改稿) 初読み当時は推理小説推理小説、というのが念頭にあったため曇り眼はなはだしく、なかなか楽しめなかったのだが、これはいい作品だ、と現在なら言える。当時は先入観と偏見の塊だったが(半年しか前のことではないのだけれど)、活路を見出したきっかけは「理由」。これ...

(2012年5月22日改稿) 初読み当時は推理小説推理小説、というのが念頭にあったため曇り眼はなはだしく、なかなか楽しめなかったのだが、これはいい作品だ、と現在なら言える。当時は先入観と偏見の塊だったが(半年しか前のことではないのだけれど)、活路を見出したきっかけは「理由」。これはむしろ「理由」っぽい感じで楽しめる作品なのだ。 宮部みゆきは関係を書く。一つ一つのエピソード、登場人物の一人一人がなんて活き活きしていることか!  人物描写は本当に秀逸で、困ったさんのエピソードなどはエクストリームな感はあったが楽しませてもらった。

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2012/01/07

二つの事件が並行して進んでいく。ページ数が残り少なになっても、なにひとつ解決しないのでやきもきした。感想はひとそれぞれだと思うけど、あと一捻り欲しかった。作中人物の原田(げんだ)という女性に似た人が昔同僚にいて、決して背中側に回られないように行動していた。ぐさっ、といかれそうな気...

二つの事件が並行して進んでいく。ページ数が残り少なになっても、なにひとつ解決しないのでやきもきした。感想はひとそれぞれだと思うけど、あと一捻り欲しかった。作中人物の原田(げんだ)という女性に似た人が昔同僚にいて、決して背中側に回られないように行動していた。ぐさっ、といかれそうな気がしたから。

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2012/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

名もなき毒、最初は「原田いずみ」のいかにもその辺によくいそう(実際に見たことはないけど)なトラブルメーカーぶりにどきどきわくわくしながら読み進めていた。 実際に身近にいたら最高に怖い、からこそ創作ではちょっと興味深いシチュエーション。 バックにはちゃんと義父やらその関係の弁護士やら、個人的に知り合いらしい刑事さんもいることだし、どうせといっては何だけど、きっと最後には一件落着するんだろうという安心を下敷きにしての野次馬根性。 けど、読めば読むほどに、「原田いずみ」や「外立くん」のような毒が、自分の中にもあることに気づいてきた。 腹が立っているとき、確かに、誰かを傷つけてもいいような気分になっている。 こんなに腹が立っているんだから誰かに八つ当たりしたって許される、と思っている。もちろん許されないし、そのときは八つ当たりだということすら思い当たらないのだけど。 むしゃくしゃして、誰かを傷つけたい。自分の不愉快さに誰かを感染させたい。 そんなふうに思う「毒」は、確かに自分にもある。 最初は原田いずみの言動にどきどきしながら「わーこわーい」と思っていたけど、読み終わったとき「怖い」と思ったのは、そんな毒をもっている自分だった。

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2012/01/06

名もなき毒。何かの曲の名前みたいだけど、読了した。 後から知ったことだが、これは「誰か」という宮部さんの本の続編のようだ。なので「誰か」を読み終わったあとに改めてレヴューを書き直そうと思う。

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2013/11/04

誰か の続編の物語。 ドラマより先に読もうと思ったのに勝てず(´Д`|||)あらー だいぶ遅れて読み終わりました。 人は誰でも大小どうあれ毒を持っている。 禁忌を犯して行われる権力には、対抗すべき策がない。 この禁忌の領域を越すか越さないで、罪を犯すかどうかが決まる。って...

誰か の続編の物語。 ドラマより先に読もうと思ったのに勝てず(´Д`|||)あらー だいぶ遅れて読み終わりました。 人は誰でも大小どうあれ毒を持っている。 禁忌を犯して行われる権力には、対抗すべき策がない。 この禁忌の領域を越すか越さないで、罪を犯すかどうかが決まる。っていう考えが私の好みの犯罪推理モノにグッときます。

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2012/01/05

やはり宮部さんはさらっと読める! そこが凄い。 ただ…やっぱし時代物の方が好きかなー 最後のどんでん返しも特に…でした。

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2012/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

購入:油谷(2012.1.5)返却(2012.1.14) 本屋さんでランキング2位だったのと個人的に宮部みゆきの本は好きなので購入しました!少し長いですが気になるストーリーなのですぐ読めます。 日常の生活に潜んでいる「名もなき毒」。誰しもがいつその毒の犠牲になってもおかしくないので、「普通」に生活出来ている事の有難さを考えさせられるストーリーでした。 中山(2012.2.22) 宮部みゆきの本は安心して読めます。今のとこ、ハズレなしです。ほんまに世の中には、自分の価値観とまったく違う価値観の人がいますねえ。怖いですねえ。自分ではどうしようもないのですが、事件に巻き込まれん様にしたいです。結構、僕は巻き込まれるタイプなので、気をつけたいです。もし、ラストの事件みたいな事があったら、我を忘れてしまうだろうと思いました。読んでるだけで、かなりムカつきました。

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2012/01/04

続編だと知らずに読んでしまった…。 何箇所か何のことなのか分からない点もあったけど、本筋には影響なく読めたので差し支え無かったですが。 サスペンスにカテゴリを分けてしまいましたが、サスペンスというよりは人間の性が書かれています。 毒物混入殺人事件という、読んで字のごとくの「毒」...

続編だと知らずに読んでしまった…。 何箇所か何のことなのか分からない点もあったけど、本筋には影響なく読めたので差し支え無かったですが。 サスペンスにカテゴリを分けてしまいましたが、サスペンスというよりは人間の性が書かれています。 毒物混入殺人事件という、読んで字のごとくの「毒」と、人間誰もが持っている内面的な「毒」。 人間誰もが毒で人を苦しめ、苦しまされる。 それは誰と過ごそうと、どこで暮らそうと、人間である限り避けられない道。 当たり前の感想で申し訳ないのですが…、そんなことを思いました。 でも絶望だけで終らせないのが宮部作品。他の作品同様、支え合える人達も沢山出てきます。解毒するのも人との触れ合いなんだ。 そんな人たちのやりとりが、ちょっと「クサイ」と思ってしまうこともあるけどネ。(笑)

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2012/01/03

『誰か』の続編。 “素人探偵もの”ということで、 所々にテレビの2時間ドラマ的な不自然さを感じないこともなかったが、 人物描写が巧みなため、楽しく読むことが出来た。 特に原田いずみは、『模倣犯』の樋口めぐみを更に酷くしたような、 見事な(?)サイコパスっぷりであった。 事件を...

『誰か』の続編。 “素人探偵もの”ということで、 所々にテレビの2時間ドラマ的な不自然さを感じないこともなかったが、 人物描写が巧みなため、楽しく読むことが出来た。 特に原田いずみは、『模倣犯』の樋口めぐみを更に酷くしたような、 見事な(?)サイコパスっぷりであった。 事件を描くこともさることながら、 最近の宮部さんは“人間そのもの”を描こうとしているようで、 その辺りが非常に興味深い。

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2012/01/03

この小説の前に出た「誰か」に登場した平凡なサラリーマン杉村三郎が主人公です。小説の題名に出てくる”毒”を扱った推理小説です。人のこころの奥に潜む得体のしれない悪意はどんな形になって毒素をまき散らすのか・・冒頭ひとつの事件が起こるのですが、その事件の犯人が分かった時点で思いがけない...

この小説の前に出た「誰か」に登場した平凡なサラリーマン杉村三郎が主人公です。小説の題名に出てくる”毒”を扱った推理小説です。人のこころの奥に潜む得体のしれない悪意はどんな形になって毒素をまき散らすのか・・冒頭ひとつの事件が起こるのですが、その事件の犯人が分かった時点で思いがけない事件が杉村氏を襲います。杉村氏が逆玉の輿であるだけに、一族の関係性も事件の背景にしばしば登場することとなります。また住宅のシックハウス症候群・土壌汚染など環境面の毒物のことも同時に筋書に盛り込まれていて社会問題的な要素も混ざっています。この小説を読んでいると和歌山の毒物入りカレー事件が思い出されたりするのですが、作者もあの事件から触発される部分があったのかもしれないなあと考えてしまいます。そしてもうひとつの事件を引き起こした理解しがたい動機を持つ人物の存在は不気味です。これは以前に読んだ「模倣犯」を連想させるものでした。常識が常識では通らない不条理な世界に迷いこんだ人間をどう扱えばよいのか。何も小説の中だけではなく程度の差はあれ実際に存在しつつある現代の世の中ですから、これはまさに背筋が寒くなります。

Posted byブクログ