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スパイス、爆薬、医薬品 の商品レビュー

4.2

44件のお客様レビュー

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2025/01/20

化学物質という側面から歴史を見る面白さに気がついた。各分子が人類にどのように影響を与えたのか分かりやすく書いてありとてもためになった。分子自体は小さい変化でも作用として大きく変わるところが化学の面白いところ、もっと勉強しとけばよかつた。エピローグにあったように今の時代に最も影響し...

化学物質という側面から歴史を見る面白さに気がついた。各分子が人類にどのように影響を与えたのか分かりやすく書いてありとてもためになった。分子自体は小さい変化でも作用として大きく変わるところが化学の面白いところ、もっと勉強しとけばよかつた。エピローグにあったように今の時代に最も影響した分子がなんなのか未来の人たちに聞いてみたい。

Posted byブクログ

2024/11/27

日記を見るにどうやら一か月以上、この一冊を読んでいたらしい。P・ルクーターとJ・バーレサンの共著であり、小林力訳「スパイス、爆薬、医薬品 世界史を変えた17の化学物質」だ。初めは表紙がカッコいいと思って二階の本棚に飾っておいたのだが、次第にいつまでも置いておくことの罪悪感が芽生え...

日記を見るにどうやら一か月以上、この一冊を読んでいたらしい。P・ルクーターとJ・バーレサンの共著であり、小林力訳「スパイス、爆薬、医薬品 世界史を変えた17の化学物質」だ。初めは表紙がカッコいいと思って二階の本棚に飾っておいたのだが、次第にいつまでも置いておくことの罪悪感が芽生え始め、一度手を付けたら非常に面白くて堪能してしまった。裏表紙を見たら定価が2600円+税金ということで、かなり高価な部類に入る著書なのだが、メルカリで買ったため半額くらいだったと思われる。タイトルから想像できるように化学物質と世界史のつながりを描いていて、全17章に分かれているのだが、このチョイスがすごくいい。本当に日常生活に溶け込んでいる物質から取り上げていって、次の物質を連想できるような構成になっている。例えば大航海時代を切り開いたスパイスの刺激物質であるピぺリンから、同時期に多発した壊血病の原因物質であるアスコルビン酸、ビタミンCを取り上げる。さらに大航海時代の奴隷貿易で莫大な利益を上げた砂糖の生成という観点からグルコース、グルコースの集合体ということでセルロース、セルロースはニトロ基が付くと起爆性が生じることから爆薬、主にニトロ化合物の話になっていく。こんな感じで、基本的に話が繋がっているから、読んでいて小気味いい。これが砂糖の話から爆薬の話になって、アスコルビン酸の話からモルフィネの話にでもなったら情緒が不安定で読みづらいことこの上ないが、そういう懸念はない。何よりもベースが世界史だから、その時点でストーリー性があって面白い。ただ思うのは、もう少し世界史の知識があればより楽しめたのだろうと思う。だから将来的に世界史を学んでから、改めて読み直したい本だ。あと非常にいいと思ったのは、化学構造式が明記されており、そのたびに読者に丁寧な説明が施されていたことだ。あくまでも一般書だから専門的な用語はあまり使わず、図解してくれている。いままでいろいろな本を読んだが、この本ほど図というものを巧みに使用している本はなかった。だからある意味では科学の本でもあるし、世界史の本でもあるし、一般の書でもある。ただそこに壁を作っていないので、新しい知識に触れるという新鮮さもあって、化学の入門という感覚もあり、非常に本作りがうまいと思った。それでいて訳者も上手だ。原文は読んでいないが、和訳に柔らかみがあり、図解も相まって硬いながらも柔らかい本になっている。歴史の中で化学物質のような微小な存在を意識することはあまりないのだが、生物兵器のようなものが作られ使用までされたことを考えると、その存在は極めて重要である。そのことに気づかせてくれるような本だ。本当に面白かった。

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2024/09/10

世界を変えた化学物質について。 香辛料が世界をがらりと変えた、というのはそれなりに知られた話だ。 香辛料のおかげで、今までは塩漬けや乾燥させることでしか保存の利かなかった食料が、別の方法で保存され、味にもバリエーションが増えた。 それはたとえば、香辛料の持つ、とある化学物質の働...

世界を変えた化学物質について。 香辛料が世界をがらりと変えた、というのはそれなりに知られた話だ。 香辛料のおかげで、今までは塩漬けや乾燥させることでしか保存の利かなかった食料が、別の方法で保存され、味にもバリエーションが増えた。 それはたとえば、香辛料の持つ、とある化学物質の働きによるものかもしれない。 そういうものが17種類書かれている。 歴史を変えた、といってもたしかに過言ではないと感じる。 化学式もところどころ散見されるが、本当に一部で、内容を補足する程度、もっと言えば、読み飛ばしても大丈夫なくらいにしか出て来ない。 化学式にアレルギーがある人でも、興味があればチャレンジすべき。 形を見て、「似ている」とわかれば、ラッキーくらいの感覚で読めると思う。

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2024/08/13

理科は得意だが歴史が苦手だった私に、歴史の面白さを教えてくれた思い出深い1冊。様々な化学物質が人類の医学的・文化的発展にどう貢献したのかが良くわかる。特に、フェノールやペニシリン等の医薬品を発見した先駆者達には感謝しかない。

Posted byブクログ

2024/04/14

化学に興味がある人なら取っ付きやすい本だと思います。 身近な物が化学という成り立ちで物語的に進んで行きます。 納得する部分がたくさんあり、 個人的にはセルロースがとても 感動的でした。

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2022/09/03

化学という切り口から歴史を語る本。香辛料や薬など身近にあるものに新たな視点を加えてくれる。単なる読み物としてではなく、化学の構造式まで書かれており、構造式をしっかり理解できる人はより本書を楽しめるかもしれない。とはいえ、身近なものを扱っているので、化学にまったく疎い人でも、歴史的...

化学という切り口から歴史を語る本。香辛料や薬など身近にあるものに新たな視点を加えてくれる。単なる読み物としてではなく、化学の構造式まで書かれており、構造式をしっかり理解できる人はより本書を楽しめるかもしれない。とはいえ、身近なものを扱っているので、化学にまったく疎い人でも、歴史的な背景を知ることができため、十分読み応えがあり、楽しめると思う。

Posted byブクログ

2022/02/26

名著「銃・病原菌・鉄」と似た響きを思わせるタイトル。 中身は科学(サイエンス)の本かと思いきや、化学(ケミストリー)を縦糸に、世界史を横糸に丹念に編み上げた壮大なストーリーが楽しめる。そう、サイエンス系の本にもかかわらず、ストーリーが実によく練られており、読み応えがある。基本的に...

名著「銃・病原菌・鉄」と似た響きを思わせるタイトル。 中身は科学(サイエンス)の本かと思いきや、化学(ケミストリー)を縦糸に、世界史を横糸に丹念に編み上げた壮大なストーリーが楽しめる。そう、サイエンス系の本にもかかわらず、ストーリーが実によく練られており、読み応えがある。基本的に1つの化学物質に対し1つの章が割り当てられているが、章と章の間は化学物質または世界史の出来事で関連づいており、違う化学物質を取り上げているにもかかわらず、一貫性のあるストーリー仕立てで読者を飽きさせない。 著名な世界史の出来事を化学物質の視点で捉えているのが斬新。事実を追うだけでは無味乾燥になってしまう世界史を、独特の味付けで味わえる。また教科書には登場しないような視点(例えば「スパイス」の視点)でのテーマ史の読み物としても非常に興味深く楽しめる。 著者が入れるのを最後まで迷ったという構造式が掲載されているのも特色の一つ。私は高校の時に化学を少しかじった程度。懐かしさもあったが、丁寧な説明のおかげで文型の私にも苦労なく理解できた。ほんの僅かな原子の違い、構造の違いで特性が大きく変わること、あるいは共通の構造を持っていると共通の特性が発現されることなどが理解できた。 分厚い本で字も小さく、読み切れるかとたじろいだが、化学物質が世界史に大きな影響を与えていく内容がとても興味深く、毎晩楽しみながら読み、読了の際には物語が終わってしまう一抹のさみしさを覚えた。 最後に、洋書の翻訳本にもかかわらず文体がとても読みやすく、訳者の力量の高さを感じさせた。訳者の他の本も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2022/01/16

全然中身が違うものが一冊に収まっている、だって? いやいや、どれもこれも、分子レベルで見れば化学という物でつながっている。 構造式を描くことで、見てわかる……? ……バケガクかぁ…構造式、習ってないしなぁ…。 そう、大学受験の時に、理系文系で分けられた上に、国立か私立か選ぶとき...

全然中身が違うものが一冊に収まっている、だって? いやいや、どれもこれも、分子レベルで見れば化学という物でつながっている。 構造式を描くことで、見てわかる……? ……バケガクかぁ…構造式、習ってないしなぁ…。 そう、大学受験の時に、理系文系で分けられた上に、国立か私立か選ぶときに、理科はほとんど私の人生から消えてしまったのだ。 高校時代の知識なんて遠い知識で、手が二本あって……確か分子式だとこう書いたような。 うーん、形は綺麗だけどさ、やっぱりさ、とっつきにくいんじゃない? だが、訳者あとがきで「そんなあなた」におすすめされたら、読むっきゃない。 構造式そのものは見てわかるレベルにはない。 だが、ここが置き換わることでこう変化する、というのが確かに構造式で見ると分かりやすいのだ。 ニンジンの色とサフランの色、カフェインとテオブロミン。 たったひとつ違うだけで別の分子になってしまう不思議。 最近職場で関わることの多いPCB。 毒性が強く、処理方法が定められているのだが、その理由がわかった。 それに、フロン。オゾン層の破壊につながりますーなんていわれていたが、そもそもなぜ使われ始め、どのような経緯で作られたのか、本書を初めから読むことで、物質の関連性がわかるようになっている。 こういう物語の連なりはわかりやすいし記憶に残る。 文系だから、理系だから、ではなく、気持ちの赴くままに。 歴史も化学も、どちらもたまらなく面白い。

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2020/08/16

買えるか買えないか、学校は微妙ですが、一応紹介しておきます。 面白いよ。 2020/08/20 更新

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2018/11/05

自然のものであったり人工のものであったりする化学物質について、それぞれの物質を軸に世界史への影響を解説する。物質ごとに17の章立てになっている。化学物質の性質の解説だけでは単調だろうが、その発見や利用の歴史と絡めると、両者のケミストリーにより面白い読み物になる。いろいろ知らなかっ...

自然のものであったり人工のものであったりする化学物質について、それぞれの物質を軸に世界史への影響を解説する。物質ごとに17の章立てになっている。化学物質の性質の解説だけでは単調だろうが、その発見や利用の歴史と絡めると、両者のケミストリーにより面白い読み物になる。いろいろ知らなかったことが満載で消化不良気味だが読んでみて良かった。 分子式を使って解説していることのメリット ・分子の構造の単純/複雑が直感的に分かる ・似た物質の類似の程度、共通パーツが分かる ・異性体についても分かりやすい ・シルクとか脂肪とか、分子の形状が性質を決めるのが見える 昔の人は新しい物質はどんどん人体実験をして、利用価値を見極めていたものだ。 <復習> グルコース(ブドウ糖) 単糖類で六員環構造 OHの位置によりα・βの2種類             普通の哺乳類の脳は栄養分としてグルコースのみを使う スクロース(蔗糖、いわゆる砂糖) 二糖類 グルコース1分子+フルクトース1分子 フルクトース(果糖) グルコースの異性体で五員環構造 ブドウ糖や蔗糖より甘い ラクトース(乳糖) 二糖類 グルコース1分子+ガラクトース1分子 セルロース αグリコースのポリマー(多糖類)。構造多糖。直線構造。 アミロース βグルコースのポリマー。貯蔵多糖。らせん構造なので水に溶ける。 アミロペクチン βグルコースのポリマー。アミロースが枝分かれしたもの。         でんぷんの成分の2-3割はアミロース、7-8割はアミロペクチン。 グリコーゲン 枝分かれがアミロペクチンより激しい。        先端が多いので急激な燃焼が可能。よって動物の貯蔵多糖である。

Posted byブクログ