放蕩記 の商品レビュー
どうして母を愛せないのだろう――。 良くも悪くも母親の影響というのは誰にでもあり、そこから抜け出すのは他人が言うほど単純なことではないのかもしれない。特に「娘」にとって、母親との絆は時に憎しみになるほど強く重い。 自分自身と母、そして家族の関係を思い返しながら読みたい作品。
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半自伝的、母親との確執、といった著者インタビューを読んで以前から読みたかった作品。親、特に同性の親に対して何らかのこだわりを持たない女性はいないのではないだろうか。描かれるエピソードの細部の積み重ねにこそ、心を抉るものがある。主人公の想いに痛いほど共感を覚え、よくぞここまでという...
半自伝的、母親との確執、といった著者インタビューを読んで以前から読みたかった作品。親、特に同性の親に対して何らかのこだわりを持たない女性はいないのではないだろうか。描かれるエピソードの細部の積み重ねにこそ、心を抉るものがある。主人公の想いに痛いほど共感を覚え、よくぞここまでという渾身の作品。
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普通のお姉さんですのにねぇ、恥ずかしげもなく… 図書館で借りた後、帯を読んでみるとそこには「衝撃の半自伝的小説」とあり、「な〜んだ、また女性作家の自慢話か…面白くなさそう」という感想をもって読み始めました。母や最初の夫に持ったどうしようもない感情、大学時代の彼氏たちとのできごとな...
普通のお姉さんですのにねぇ、恥ずかしげもなく… 図書館で借りた後、帯を読んでみるとそこには「衝撃の半自伝的小説」とあり、「な〜んだ、また女性作家の自慢話か…面白くなさそう」という感想をもって読み始めました。母や最初の夫に持ったどうしようもない感情、大学時代の彼氏たちとのできごとなど、とても面白くぐっと引きつけられながらの読書となりました。 ただ、半自伝的小説と銘うってのこの作品。執筆した作者の気持ちをワタシには量ることができません。インターネットで調べてみたら普通のお姉さんですのにねぇ、恥ずかしげもなく…。
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20140117読了 書棚で見つけ、新聞の書評欄で紹介されていたのを思い出して1時間ほどナナメ読み。自叙伝的な小説。母と子の葛藤を描く。こういうのが「毒親」っていうやつかな?強烈だった。●中島義道や藤原正彦の留学エッセイを読んだときも思ったのだが、よくここまでプライベートを赤裸々...
20140117読了 書棚で見つけ、新聞の書評欄で紹介されていたのを思い出して1時間ほどナナメ読み。自叙伝的な小説。母と子の葛藤を描く。こういうのが「毒親」っていうやつかな?強烈だった。●中島義道や藤原正彦の留学エッセイを読んだときも思ったのだが、よくここまでプライベートを赤裸々に書けるなと・・・プライバシーの観点からフィクションも巧妙に織り交ぜているのかもしれないけれど、小説なのでエッセイより生々しい。著者は文字にすることで昇華されて一区切りついただろうか。●マザコン(マザーコンプレックス)、ファザコンは異性の親子関係だが、この場合は同性の親子関係がテーマ。育てる者による育てられる者への支配は、長年の呪縛になって子にまとわりつく。そういう意味ではマザコン(マザーズ・コントロール)?●「断捨離」のやましたひでこ氏も、モノと自分との関係を考える上で自分の生き方を見直す、ひいては母の呪縛を解く、というところまで思考を深めていたなと思い出した。
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ある意味、昨年この本を読んで、救われました。 ご両親の愛を普通にうけて育った人には、理解しづらい内容だと思うけれど、同じような、胸のどこかが、ぽかって空いてしまって、生きづらさを持って育った女性には、共感できる1冊だと思います。
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母親との葛藤を描いた自伝的小説。 母親を愛せないと苦しみ、でも激しく愛情を求めてしまうところに共感しました。でも、最後はきれいにまとめ過ぎと感じました。現実は、母親の老いを感じたくらいで、解消できる葛藤ではないのでは…。 こんなに、赤裸々に自伝的小説書いてしまって良いのかしらね。...
母親との葛藤を描いた自伝的小説。 母親を愛せないと苦しみ、でも激しく愛情を求めてしまうところに共感しました。でも、最後はきれいにまとめ過ぎと感じました。現実は、母親の老いを感じたくらいで、解消できる葛藤ではないのでは…。 こんなに、赤裸々に自伝的小説書いてしまって良いのかしらね。生々しかったです。
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主人公夏帆は38歳の小説家、母美紀子の呪縛から逃れられない。妹秋実にはきっとわからない。 各章ごと母との思い出が語られる。 夏帆の気持ちはわかるところはわかるので感情移入できました。ここまでひどい親ではないが、うまく言い出せない気持ち等わかるなと思いました。 意外と人か...
主人公夏帆は38歳の小説家、母美紀子の呪縛から逃れられない。妹秋実にはきっとわからない。 各章ごと母との思い出が語られる。 夏帆の気持ちはわかるところはわかるので感情移入できました。ここまでひどい親ではないが、うまく言い出せない気持ち等わかるなと思いました。 意外と人から言われたことの中でも強く印象に残る言葉ってあるので、気をつけないとなぁと思いました。 美紀子はどうしても好きになれず、むかむかしながら読んでました。重い話なので気分が下がるお話でした。
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上村由佳『放蕩記』読了。著者の自伝的小説。いわゆる「毒親」である母親とその関係に悩み苦しむ主人公が半生を振り返る。すべてをこの母親のせいとするのは行き過ぎかとも思うが、それでも「ひどかった、辛かった」の陰に「愛したかった、愛されたかった」という叫びが見えるようである。自分自身は、...
上村由佳『放蕩記』読了。著者の自伝的小説。いわゆる「毒親」である母親とその関係に悩み苦しむ主人公が半生を振り返る。すべてをこの母親のせいとするのは行き過ぎかとも思うが、それでも「ひどかった、辛かった」の陰に「愛したかった、愛されたかった」という叫びが見えるようである。自分自身は、親との関係が必ずしもすべて自分の生き方に影響を及ぼすとは思わない。しかし、一般にそれをどこまで「親のせい」と思うのかは、親子関係の在り方によるのかもしれない。
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著者のほぼ自叙伝。母と娘の長い葛藤の歴史。母が呆けて少しの風穴があくが、それはけして解決ではない。娘の刻み込まれたトラウマは消えないし、母は人生の終焉を前に1人舞台から降りてしまっただけ。読み終わって、心にいつまでも残ったのは、父が昔の許されざる恋愛を、時が戻ってもやはり繰り返し...
著者のほぼ自叙伝。母と娘の長い葛藤の歴史。母が呆けて少しの風穴があくが、それはけして解決ではない。娘の刻み込まれたトラウマは消えないし、母は人生の終焉を前に1人舞台から降りてしまっただけ。読み終わって、心にいつまでも残ったのは、父が昔の許されざる恋愛を、時が戻ってもやはり繰り返してしまうだろうと娘に語る場面と、兄が妹に、母はお前をちゃんと愛せてなかった、と告白する場面。特に後者は、何にも勝る救いとは言えないだろうか。解決はしないのだとしても。
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母娘問題と言う、とても暗くなるテーマ。 親との葛藤に、読んでるこっちも心が切なくなったりしたけれど、 とても読ませるのが上手。
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