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放蕩記 の商品レビュー

3.7

145件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2011/12/17

村山由佳の半自伝的小説。私には同性の親が居ないので、むしろ持ち得ない感覚にグイグイと引き寄せられ。つながっているは血ではなく、自分と親との間の関係性から生じるもの、か。最終章で語られるお父さんの告白にはいたく感銘

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2011/12/09

タイトルに漂う歌謡曲臭が苦手で、今まで手に取ろうともおもわなかったが、これは母と娘の確執を描いた半自伝的小説ということで、村山由佳を衝動的に帯買い。支配的な母の描写に引き込まれて一気に読んだのだけど、主人公への共感より彼女への同情が勝ってしまい、読後感はすっきりしない。その母はわ...

タイトルに漂う歌謡曲臭が苦手で、今まで手に取ろうともおもわなかったが、これは母と娘の確執を描いた半自伝的小説ということで、村山由佳を衝動的に帯買い。支配的な母の描写に引き込まれて一気に読んだのだけど、主人公への共感より彼女への同情が勝ってしまい、読後感はすっきりしない。その母はわたしの母にも似ていたから(娘に疎まれる母の人格は意外と没個性で、誰のそれもよく似ている)自分でも意外だったが、父への思慕もない者にとって、かれへの寛容さはなんだか不気味で。そのぶん母への酷薄さが目立つと感じた。だって不倫する父親なんてそれだけでいやだし、そのせいで妻が自殺未遂までしたのに、それでもあれはいい経験だったと娘相手に昔語りはじめるとか、想像を絶するおぞましさだ。ましてや不倫相手のことを性技に長けていただの、からだの相性がよかっただの、それに比べておまえの母親は受け身で淡白で……だの、正直それを聞いてる娘の神経も疑わしい。「嫌じゃないよ。むしろ聞かせて」とか言ってるし。そんな話し全力で聞きたくないよ!

Posted byブクログ

2011/11/28

自分的に、今年の1番! 母、娘、女……とにかく、読んでいて心を揺さぶられました。 うちの母はこんなんじゃないけれど、自身の思い出も蘇ってきてしまったり。 半自伝的と謳われてはいるものの、フィクション部分が多いみたいです。 時折、これまでの村山作品を読んできた人は心当たりがある...

自分的に、今年の1番! 母、娘、女……とにかく、読んでいて心を揺さぶられました。 うちの母はこんなんじゃないけれど、自身の思い出も蘇ってきてしまったり。 半自伝的と謳われてはいるものの、フィクション部分が多いみたいです。 時折、これまでの村山作品を読んできた人は心当たりがある部分もあります。 もともと新聞連載なので、エロ描写は控えめです(笑)

Posted byブクログ

2011/11/27

ダブルファンタジーが、作者自身のことでは?と言われていたけど この自伝的小説の「元旦那」がダブルファンタジーの旦那と まったく同じなので、村山由佳はよっぽどこの元旦那に対して 不満があったんだなあ・・と思ってしまった・・・・・。

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2016/06/10

娘にとっては母は絶対的な存在で、母を受け入れ乗り越えるということはかなり難しい行為だと思う。 母と娘は永遠に鎖で繋がれた関係。躾という調教を施され、母の言動に怯え、顔色を伺いながら生活をする。 男性作家が描く家族のお話より、女性作家の物語に共感し自分のことのように感じ涙を流すの...

娘にとっては母は絶対的な存在で、母を受け入れ乗り越えるということはかなり難しい行為だと思う。 母と娘は永遠に鎖で繋がれた関係。躾という調教を施され、母の言動に怯え、顔色を伺いながら生活をする。 男性作家が描く家族のお話より、女性作家の物語に共感し自分のことのように感じ涙を流すのは、私が【娘】だからだろう。 実家を離れて10年以上、結婚もしている私。しかし今でも母の顔色を伺っている自分がいて愕然としてしまう。 夏帆の、固くて柔らかくて。本人ですら触れてはならないその塊を1つ1つ薄く剥ぎ取って行く作業は、読者である私の心をも乱れさせる行為だった。 そして母・美紀子の『認知症』が進むにつれ、美紀子のその頑な塊も1つ1つ剥ぎ取られていくことになる。 物語が壮大な交響曲のようで、たくさんの楽章がそれぞれの痛みと彩りを作り出していた。本当に重厚な音楽を聴いているかのような感じだった。 そして最終楽章(最終章)は『儚』 母を赦す、という行為は今までの自分を赦す、ということだ。 この物語が『希望』で終わってよかったと思う。 読者の私も救われた気がした。

Posted byブクログ