放蕩記 の商品レビュー
半自伝的小説、といわれても何処からが創作か分からないので、ほぼ実話?ぐらいの気持ちで読んでしまう。作家本人のエピソードとして聞いた事のある話も出てくるし。 その為、悪く書かれている前夫や母親のことを思うと、彼らには反論の機会が無いだけに後味が悪い。文中の言葉でいえば、まだ「恨み...
半自伝的小説、といわれても何処からが創作か分からないので、ほぼ実話?ぐらいの気持ちで読んでしまう。作家本人のエピソードとして聞いた事のある話も出てくるし。 その為、悪く書かれている前夫や母親のことを思うと、彼らには反論の機会が無いだけに後味が悪い。文中の言葉でいえば、まだ「恨み節」に過ぎないと思う。 日記では無く小説なのだから読んで欲しいと思って書いているのは当然なのだけど、「こんな複雑な家庭で育った可哀想なあたし、生きて行くわ」という思いが濃過ぎて。客観的な描写が少し欲しかった。
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母からの呪縛。 こういった話を全くありえないという人はとっても幸せな家族で育ったんだろうな。 所々での母親の存在が自分と重なってくる。顔色を伺う。父親のほうが話がわかる。
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母娘の確執。 愛されたい・母の様にはならない 怖い・死んでしまえばいいのに 倫理を守らなくちゃ・背徳にぞくぞくする 相反した気持ちが渦巻く中で、母を許す。 その儀式が出来るか出来ないかで、 人生が変わると思った。 読んでいて苦しくなる人は多いと思う、 でもこの本を読んで許せる人に...
母娘の確執。 愛されたい・母の様にはならない 怖い・死んでしまえばいいのに 倫理を守らなくちゃ・背徳にぞくぞくする 相反した気持ちが渦巻く中で、母を許す。 その儀式が出来るか出来ないかで、 人生が変わると思った。 読んでいて苦しくなる人は多いと思う、 でもこの本を読んで許せる人になったら 残りの人生が幸せだと思う。 村山さんは作家としてよくぞここまで書いて くれたと思う。
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最近、村山さんの作品は性描写ばかりが目立って、私的にはイマイチだったけれど、今回は登場人物の気持ちをかなり掘り下げて書かれていて、よかったと思う。 ただ、ちょっと長すぎるような…途中同じような内容の繰り返しで、ダレてきた。
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衝撃的だった。共感…というよりも、同じような類いの嫌悪感、苦悩を抱えた人が(たとえ小説の上であっても)居たことにショックだった。自身の生育環境や経験を踏まえたうえで好みの分かれる作品だと思うが、むしろ共感できない(なんか嫌い、または気持ち悪いと思う)ほうが私にとっては羨ましい。フ...
衝撃的だった。共感…というよりも、同じような類いの嫌悪感、苦悩を抱えた人が(たとえ小説の上であっても)居たことにショックだった。自身の生育環境や経験を踏まえたうえで好みの分かれる作品だと思うが、むしろ共感できない(なんか嫌い、または気持ち悪いと思う)ほうが私にとっては羨ましい。フィクションでもノンフィクションでも関係ない。これからの私の、母を含めたすべての人との関わり方に、少なからず影響を与えることには変わりない。読了するまでの二日間、「美紀子」とは母であり、私でもあり、「夏帆」もまた母であり、私でもあった。最後に夏帆が知ることになる、父のみぞ知る「美紀子」には、悲しいながらもほんの少しだけほっとさせられた。語彙が乏しく、今の気持ちをうまく表せないのがもどかしい…。
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何が言いたいんだって感じ。 半自伝的小説らしいけど、小説としてはどうなのかな・・・。 作家の自己満足的な小説なんじゃないかな。 微妙でした。
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切なかった。 大人になって、兄弟に『母親はお前を愛せてなかった。育て方を間違えてた』様なこといわれるのって…
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手元にきてから、読むまでに時間がかかった本。読み始めたら、あっという間に、夢中に読んでしまった。 ダブルファンタジーが、元夫についての葛藤を描いた小説であったのに、対し、放蕩記は、母親との捻じれた関係を見せつける話。 ダブルファンタジーより、読了後がよくてホッとする。 母親...
手元にきてから、読むまでに時間がかかった本。読み始めたら、あっという間に、夢中に読んでしまった。 ダブルファンタジーが、元夫についての葛藤を描いた小説であったのに、対し、放蕩記は、母親との捻じれた関係を見せつける話。 ダブルファンタジーより、読了後がよくてホッとする。 母親と、娘、とくに長女である娘にたたいしては、ああ、ここまでハードな関係ではないし、愛がない訳でもないけれど、自分の家も似たところはある、と感じさせられた。 母親である前に女である人を母親にもつのは、キツい。 放蕩記の放蕩しているのは、主人公である娘のことなのだと思っていたけど、登場人物、全員のことのように思えてくる。 家族関係について考えさせられる本。
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村山さん自身とお母さんとの関係を、夏帆という主人公で描いた小説です。 とにかく、かなりハードなお母さんです。 関西弁でガンガンしゃべり、ダメなものはダメ。 絶対的なお母さんのルール。 子どもの都合などお構いなし。 娘の良いところは、「さすが、お母ちゃんの子ぉーや」。 ダメなとこ...
村山さん自身とお母さんとの関係を、夏帆という主人公で描いた小説です。 とにかく、かなりハードなお母さんです。 関西弁でガンガンしゃべり、ダメなものはダメ。 絶対的なお母さんのルール。 子どもの都合などお構いなし。 娘の良いところは、「さすが、お母ちゃんの子ぉーや」。 ダメなところは、「お父ちゃんの血ぃーや!」…。 それでも、褒めてもらえるうれしさに縋り、お母さんを好きになりたい自分がいて…。 読んでいて胸が痛くなります。 幼い頃からの想い出を振り返りつつ、現在の老いた母親とも向き合います。 最後の方で、父や兄とそれぞれ語る場面がありますが、ようやく夏帆の心の棘が抜けていくように思いました。 ラストのお母さんとの電話での会話は、涙・涙…でした。 以前読んだ、佐野洋子さんの『シズコさん』を思い出します。 二人とも長女で、お母さんの厳しい躾の中で育っています。 私自身は、次女なので姉からはよく「要領が良いなぁ」と言われていました。 夏帆の妹・秋実タイプですね~。 姉にも、多かれ少なかれ、葛藤があったのでしょう…。 家族の繋がり、愛を改めて考えさせられました。
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村山由佳さんの自伝的小説。母親との確執を恋人との関係や仕事を通して語られているのがユニークでした。誰もが自分と重ね合わせてしまうのでしょうか、私の母親と似過ぎていて気味が悪いくらいでした。この気持ちは自分だけではなかったんだなと、少しホッとしたり。
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