怪物はささやく の商品レビュー
コナーは母さんを抱き締めた。二度と放してなるものかと抱き締めた。 そうすることで、今度こそ本当に母さんの手を放すことができた。 最後まで、読んだときもう号泣だった。 課題図書として図書館で借りたけど、欲しくなって購入してしまった。
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パトリック・ネス 著 ジム・ケイ イラスト シヴォーン・ダウド 原案 池田 真紀子 訳 あすなろ書房 (2011/11) 昨年の中学生の課題図書 イラストがすごい! モノクロでこちらに迫ってくる ストーリーもこわくて切ない 物語・真実ってなんだ...
パトリック・ネス 著 ジム・ケイ イラスト シヴォーン・ダウド 原案 池田 真紀子 訳 あすなろ書房 (2011/11) 昨年の中学生の課題図書 イラストがすごい! モノクロでこちらに迫ってくる ストーリーもこわくて切ない 物語・真実ってなんだろう? 中学生はどのように読んだのかな? 原題「A MONSTER CALLS」 毒にもなり薬にもなるイチイの木が圧巻 ≪ 怪物は 僕が呼び寄せ 物語る ≫
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去年の読書感想文の課題図書(中学生部門)。知り合いからオススメされていてやっと読みました。 主人公は13歳の少年コナー。彼は母親と二人で暮らしているのですが、母親は末期ガンに侵されています。そんな中、家の裏にあるイチイの木が怪物に姿を変えてコナーの元へやってきて・・・。 ファ...
去年の読書感想文の課題図書(中学生部門)。知り合いからオススメされていてやっと読みました。 主人公は13歳の少年コナー。彼は母親と二人で暮らしているのですが、母親は末期ガンに侵されています。そんな中、家の裏にあるイチイの木が怪物に姿を変えてコナーの元へやってきて・・・。 ファンタジーなんだけど、全体的にトーンは暗く(そもそも挿絵も暗い)、本文にルビもないので大人でもすんなり読めます。むしろ読解力のない中学生がこの話を読んでもちんぷんかんぷんなんじゃ。「人間は単純に白黒では割り切れない存在なんだ」ということを強く感じます。夏目漱石とか、芥川龍之介の作品になんとなーく似てる気が。面白く読みました。
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怪物は言う、真実の話をしろ、と。夜毎襲われる悪夢本当の怪物。 人は自分の信じたい事を信じる。 信じた現実がやってくるかはまた違う問題で。 それに気が付くのはそれぞれのその時なんだろうけど、 知るのと分かるのとではまるで違ってるから、 コナーは真実を本当を抱きしめる。 これ課題図書...
怪物は言う、真実の話をしろ、と。夜毎襲われる悪夢本当の怪物。 人は自分の信じたい事を信じる。 信じた現実がやってくるかはまた違う問題で。 それに気が付くのはそれぞれのその時なんだろうけど、 知るのと分かるのとではまるで違ってるから、 コナーは真実を本当を抱きしめる。 これ課題図書とされてるんだよなあ、 小中高生が読むとどんな感想なんだろう、と思えた。
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家庭でも学校でも悩みを抱える少年・コナーのもとに、イチイの木の怪物がやってきて、物語を語りだす。 3つの物語を語り終えたら、次はお前が語る番だ、と。 何も語ることはない、と突っぱねるコナー。 コナーの悩みは13歳の少年がたった1人で抱えるには大きすぎて、だから怪物が呼ばれてやってきたのだろう。 吐き出すことが必要だ。 ただ抑えつけるだけでは受け止められないし、消化も出来ない。 挿絵も含めて、すごい作品だ、と思った。
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子供向けの図書と聞いていて少しあなどっていました! 母親の愛情もそうですが、子供が感じる自分の闇。 いつしか手に汗を握りながら読んでいました。
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この本が読書感想文コンクールの課題図書(※中学生の部)に選ばれたことは、子どもたちにとって大きな幸運であり、また大きな不幸だ。 これは素晴らしい作品だと思う。いや、ほんとものすごい本だ。 課題図書としてこの本と出会えた子どもは幸運だ。しかし、たとえどんなに素晴らしい本でも、課題として読まされるとかなり高い確率で面白くない。どんな理由にせよ読んだ本を面白く読めない(面白くない本を読んだ、ではない。なぜなら面白くない本はないから!)ならば、それは不幸だ。しかし、その子どもがこの本に非常に感銘を受け、作文用紙に向かうとしたら、それはもっと不幸なことだ。 なぜなら、この本は、「真実を語らされる」本だからだ。 誰にだって秘密がある。 隠しておきたい感情がある。 けれども、この本について語ろうとするとき、なぜだかそういうものを語らずにはいられなくなる――ちょうど、少年が怪物に四つめの物語を語らされたのと同じように。 多感な思春期に、誰が好き好んで、学校の先生に自分の内面を吐露した文章を読ませたがるだろうか? それほどの信頼関係が、先生と生徒の間にあるだろうか? ましてそれを添削されて清書し直して、コンクールに応募したいと思うだろうか? わたしなら、イヤだ。 絶対イヤ。 これを読まされた生徒は、「怪物がでてきて最初は怖かったけど、最後まで読んだら、やっぱりよかったと思いました。」とか適当な感想文を提出しておけば、いいんじゃない。 感動はこっそりノートにでも書いたら、いいんじゃない。 そういうわけなので、わたしの本当の感想はチラシの裏にでも書くこととして、ここでレビューを終了とす。 だって多感なアラサー女子じゃん。 ネットに流すとか耐えられないじゃん。 おわり。 原題:A MONSTER CALLS
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泣けて来た。 直視するのに耐えない自分の闇。 見るのは怖い。 だけど、目をそらし続ける事はかえって、苦しさを長引かせるだけなのかな。 物語自体は奇抜なものではないし、もしかしたら、つまらないと感じるかも知れない。
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身近な人に死が訪れようとしている時、その濃密な時間の中での孤独は本当に辛く逃げ出したいものだ。 自分が祖父の介護をした3年の間も、コナーと同じ様な罪悪感と焦燥感で心がいっぱいだった。早く楽になりたい、と思うことが既に、充分に自分を縛りつけてゆく理由になる。 怪物は、この現実には...
身近な人に死が訪れようとしている時、その濃密な時間の中での孤独は本当に辛く逃げ出したいものだ。 自分が祖父の介護をした3年の間も、コナーと同じ様な罪悪感と焦燥感で心がいっぱいだった。早く楽になりたい、と思うことが既に、充分に自分を縛りつけてゆく理由になる。 怪物は、この現実には手を差し伸べてくれないかもしれないが、死を経験したことがあれば、何も言わなくとも‘共感’という一助で、誰かを救けてあげられるかもしれないと思えた。
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2007年に惜しくも早世したシヴォーン・ダウドが遺したメモをもとに、パトリック・ネスが肉付けして完成させた作品。 コナー・オマリーは13歳。 母さんと二人暮らし。 ある夜、怪物がやってきた。 教会の墓地の真ん中にあるイチイの巨木が、裏庭までやってきたのだ。 「コナー」と名を呼び...
2007年に惜しくも早世したシヴォーン・ダウドが遺したメモをもとに、パトリック・ネスが肉付けして完成させた作品。 コナー・オマリーは13歳。 母さんと二人暮らし。 ある夜、怪物がやってきた。 教会の墓地の真ん中にあるイチイの巨木が、裏庭までやってきたのだ。 「コナー」と名を呼びながら。 なぜかコナーは怖いと感じなかった。 母さんが病気になって1年。途中からコナーは毎晩、恐ろしい夢を見るようになった。誰にもいえないその夢ほど、怖くは無かったから。 学校では母の病気が知れ渡り、かわいそうな子として遠巻きにされている。 だが優等生のハリーがなぜかコナーに目をつけ、子分二人といじめるようになっていた。 幼馴染のリリーはコナーをかばおうとするが、みなに事情が知れたのはリリーがしゃべってしまったのが発端なので、リリーを許せないコナー。 父は6年前に家を出て、アメリカで新しい家庭を持っている。 治療のたびに母の具合が悪くなると、祖母が世話をしに家に来るのだが、まったく気が合わないため、気が重いコナー。 たった13歳で感じやすいのに、つらすぎる状況で、心はがんじがらめ。 イチイの木の怪物は、3つの物語を話して聞かせるという。 4つ目はコナーが話すのだと。 それは‥? イチイというのは非常に寿命が長くて数千年もあるほど。葉や種に毒があるのが薬としても有用で、ヨーロッパでは死と再生の象徴とされているそうです。 一筋なわではいかないイチイの怪物が話す物語に、魅了されます。 第一の物語は、この地に王国があった頃。 王には4人の息子がいたが、戦争や病気で死に、跡取りは孫だけになった。王は後妻として新しい王妃を迎える。 王がなくなったとき、孫息子が成人するまでの間、王妃が摂政として実質的に女王となった。 孫の王子には恋人がいたが、殺されてしまう。そして‥? 第二の物語は、150年前のこと。 薬草に詳しい薬剤師のアポセカリーは強欲で気難しかった。教会の司祭は進んだ思想の持ち主で、思いやりのある人柄だった。 アポセカリーがイチイの木を切らせてくれるように頼んだが、司祭は拒む。そして、アポセカリーの治療は時代遅れと村人に話したため、患者は医者にかかるようになる。ところが、司祭の娘達が病に倒れ、司祭はアポセカリーにすがった‥ 物語の意味がすぐにはわからないけれど‥ 矛盾を抱えた人の心。 大事なのは行動なのだ。 さまざまな苦しみを経て、コナーがたどりつくのは‥? ハッピーエンドとまでは行きませんが。 葛藤を経て、コナーは素直な心で母のそばに‥ 救いのある結末です。 大胆な筆致の黒っぽいイラストが多数挿入され、ホラーっぽいムードを盛り上げます。 中学の課題図書だったそうですね。 それにしては重いけれど、完成度は高い。考えさせる題材ですね。 パトリック・ネスは1971年アメリカ生まれ、後に渡英。オクスフォード大学で創作を教えながら、さまざまな活動をしている。 YA向け三部作の3作目でカーネギー賞を受賞している。 シヴォーン・ダウドは、1960年ロンドン生まれ。オクスフォード大学卒業後、人権擁護に携わる。2006年にデビュー。 死後に刊行された「ボグ・チャイルド」でカーネギー賞を受賞。5作目に構想していたのがこの作品。
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