怪物はささやく の商品レビュー
イチイの怪物の姿が、文章と絵では違う感じだが、絵の雰囲気はとても良い。内容に合っている。 イチイが語る三番目の物語はちょっともの足りないけど、最後のコナーの物語は胸に響く。心から愛しながらもその存在を疎ましく思う。振り切ってしまいたいと思う。 うしろめたさとともに、家族にそういう...
イチイの怪物の姿が、文章と絵では違う感じだが、絵の雰囲気はとても良い。内容に合っている。 イチイが語る三番目の物語はちょっともの足りないけど、最後のコナーの物語は胸に響く。心から愛しながらもその存在を疎ましく思う。振り切ってしまいたいと思う。 うしろめたさとともに、家族にそういう思いを抱いたことのある人なら、この物語に涙せずにはいられないだろう。 しかし、脳天気に明るく前向きに生きている人には何の事だかさっぱりわかるまい。 読書感想文の課題本としては、非常に難しいと思う。 いい文章を書くためには、少なくともこの本に描かれている感情を抱いたことを白状しなくてはならない。 しかし、コナーだって最後まで抵抗したではないか。 それを語るのは、大人でも難しいのに。
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ともかく絵がいい、影絵のような絵が。 人が寝ているときに見る夢は、実はモノクロなんて言われるけれど、 そういう意味では本作品の絵も、人の深層心理を微妙に表現しているのではないか・・・。 ※“微妙”は本来の意味として 肝心の内容はというと、繊細で内省的な話なんだろうけれどあまり...
ともかく絵がいい、影絵のような絵が。 人が寝ているときに見る夢は、実はモノクロなんて言われるけれど、 そういう意味では本作品の絵も、人の深層心理を微妙に表現しているのではないか・・・。 ※“微妙”は本来の意味として 肝心の内容はというと、繊細で内省的な話なんだろうけれどあまりピンとこなかったかな・・・。 少し感想的な前置きを受けて読んだので、そのポイントを探すのに気が向いたかも(笑)。 もう少し若いときに読めば、ちゃんと感じられたかな。
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たとえば、親が離婚をするのは自分のせいだと子供は思うとか。「あなたのせいじゃない!」と伝えることがどんなに難しいか。正しいことと間違っていること、真実とはなにか。深い話である。
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重くてつらくて悲しい。 涙が後半は止まらなかった。 けれど、この感情は確かに存在するな、とも思った。 もう助かる道はないのでは、という患者の家族が、解放されたいと望む気持ち。 これを文字にして(しまった)という本。 おばあちゃんと、母と、自分、のそれぞれの心の動きがとても泣けました。 でもハリーのくだり、いまひとつ理解できない。 ちょっと全体に期待しすぎていたのかも。 すごい本だと思うけど、特別ひとにすすめたい本ではないかも。
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人間、人生、世の中とは。救いがなくて、ものすごく救いに満ちている、不条理でものすごく理にかなっている。久しぶりに「物語」を読んだ気分。まさにジュブナイル。 13歳、コナーの触れたら手が切れそうな純粋さが痛々しくて愛おしかった。作者、原案者はなぜ、まだ幼いコナーに、人生の本当を知ら...
人間、人生、世の中とは。救いがなくて、ものすごく救いに満ちている、不条理でものすごく理にかなっている。久しぶりに「物語」を読んだ気分。まさにジュブナイル。 13歳、コナーの触れたら手が切れそうな純粋さが痛々しくて愛おしかった。作者、原案者はなぜ、まだ幼いコナーに、人生の本当を知らせるために恐ろしい怪物を遣わしたのか。なぜ怪物を使ってあんな荒療治をしたのだろう。幼い、思春期だからこそあんな嵐に遭うのだろうか。 人が自分の心の中にある真実を見ようとしないとき、怪物はそっと近寄ってきて私たちを苦悩に導く。でもそれって人生に必要だなぁと。目をそむけたままで生きるのはつらい。自分の心の真実から目をそらし、怪物を恐れなかったコナーが、心の中を直視した途端、ものすごく苦しむ。身を裂かれるように。その姿が読んでいてつらかった。 怪物がただの恐ろしい存在で終らず癒しの存在になってくれてよかった。本の装丁もすごく好き。 中学生の課題図書だそうだけど、自分が中学の時読んだら理解できただろうか。
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素晴らしかった。児童向けということでストーリーの雰囲気を増幅する挿絵も全体についている。タイトルは一見するとおどろおどろしい感じだけど、読了したあとに改めてみるとまた違った印象を受ける。 バイトの帰り、雨上がりの夜の喫茶店で読み始めたけどページを捲る手が止まらなくなって、後半から...
素晴らしかった。児童向けということでストーリーの雰囲気を増幅する挿絵も全体についている。タイトルは一見するとおどろおどろしい感じだけど、読了したあとに改めてみるとまた違った印象を受ける。 バイトの帰り、雨上がりの夜の喫茶店で読み始めたけどページを捲る手が止まらなくなって、後半からぽろぽろ涙しながら読み進める不信人物になってしまった… 母が癌で入院していた時の自分とダブらせていたのかも。久しぶりに自分自身と共鳴する本に出会えた。
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真実から目をそらしながら、心では理解している。その歪みに現れたのが怪物だったのかもしれない。 最初は重い雰囲気に気分が暗くなりながらも、母親の病に始まる主人公の置かれた状況に胸を痛めて読んでいたけれど、最後はかなり心理的なお話だったな、と論理的に考えていた。 その思考がどんなに汚れていてもおそろしくても非道でも、それから目をそらすのではなく、それも自分と認めることが始まりである。 自分自身から目を逸らしていると、必ずそこに歪みが生じて苦しむことになる。 怪物が言っていたように、言葉は言葉でしかない。考えも考えでしかない。人間なんて善とも悪とも言い切れず、両方ともを持っているのだから。それでいいのだから。 受け入れた上で、どう行動するか。が大切。なるほどね。
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ぎゅっとした。 怖い本のように見えて怖くはない。 矛盾。 何をどう考えるかは重要ではない。 大切なのはどう行動するかだ。 はー。。たしかに。 たしかに。 課題図書だったらしいけど、これで感想書くのは辛いな。ましてや中学生で。 わたし無理! 感想など求めるな! 挿し絵と物語...
ぎゅっとした。 怖い本のように見えて怖くはない。 矛盾。 何をどう考えるかは重要ではない。 大切なのはどう行動するかだ。 はー。。たしかに。 たしかに。 課題図書だったらしいけど、これで感想書くのは辛いな。ましてや中学生で。 わたし無理! 感想など求めるな! 挿し絵と物語の融合っぷりがとても良い。
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少年コナーの元にイチイの木の怪物が現れ、3つの物語を語り、4つ目の物語をコナーのに話すように言う。 病気の母と怪物。どのように関連し、終わるのかと思ったが、とても切ない話だった。 【人間の心は、毎日、矛盾したことを幾度となく考える】が、【心のなかで押し合いへし合いしてる矛盾に...
少年コナーの元にイチイの木の怪物が現れ、3つの物語を語り、4つ目の物語をコナーのに話すように言う。 病気の母と怪物。どのように関連し、終わるのかと思ったが、とても切ない話だった。 【人間の心は、毎日、矛盾したことを幾度となく考える】が、【心のなかで押し合いへし合いしてる矛盾に、どうやって立ち向かえ】ばいいか。 【真実を話せばいい】と言う怪物の言葉に、はっとさせられるものがあった。
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面白かった。 僕らは物語を必要としている。 続きはブログで。 http://nekura-tohsan.blogspot.jp/2013/04/blog-post_8.html
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