「科学的思考」のレッスン の商品レビュー
マスメディアに対するメディアリテラシーを持つためには、何に着目し、どう思考すべきかを述べた本。この本を書くに至ったきっかけは、東日本大地震の原発事故に係る報道への違和感が大きいと思われる。 正しいか誤りかの二分法がいかに危険か。真理に近い理論が良い理論だ、という考え方は危険であ...
マスメディアに対するメディアリテラシーを持つためには、何に着目し、どう思考すべきかを述べた本。この本を書くに至ったきっかけは、東日本大地震の原発事故に係る報道への違和感が大きいと思われる。 正しいか誤りかの二分法がいかに危険か。真理に近い理論が良い理論だ、という考え方は危険であること。科学とは常に仮説であり、常に反証に開かれていること。 これらの前提を本の前半で確認した上で、実際の報道をサンプルにして報道の落とし穴について解説する。 そして最終盤、「普段は何も言わずにお上と専門家にお任せしておいて、なんかあったら思い切り文句を言う」態度は「市民」のものではなく「大衆」のものであり、「市民になりたくないなら、科学を学ぶ必要なんか、さらさらない」と、あえて言い放つ。 この表現には賛否両論あると思うけど、テーマがメディアリテラシーである以上、僕は大いにアリだと思う。 ここで「メディアリテラシーを鍛えないと損しますよ」と言うのがまさにマスメディアの使い古された利益誘導的な論理であり、そこに立脚すると科学的思考には限界があるのだろう。 つまり、そこから抜け出すことが、この本の示したい価値観であり、ひとりでも多くの「市民」を生み出したり勇気づけたりするのが、この本の目的だろうと思う。
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科学がどう進められるか、を知ることで、科学者任せにせず自分で考えることができる。 科学の目的は、説明すること。 原因をつきとめる。 一般論から特殊事例を導く。 正体をつきとめる(マクロの現象をミクロ的に) 説明するために、仮説が作られる。 新たな知識は生まないが正しい演繹と、...
科学がどう進められるか、を知ることで、科学者任せにせず自分で考えることができる。 科学の目的は、説明すること。 原因をつきとめる。 一般論から特殊事例を導く。 正体をつきとめる(マクロの現象をミクロ的に) 説明するために、仮説が作られる。 新たな知識は生まないが正しい演繹と、 その逆の非演繹的アプローチがある。 仮説は、良い、悪いの二元論ではなく、 スペクトラム。 より良い仮説を目指す。 良い仮説は、 多くの事象を説明できる。 予言ができる 余計な条件が極力不要である 仮説を検証するためには、 当てはまる例だけでなく当てはまらない例を調べる 比較対象が必要で、調べたいこと以外の条件を同じにする ことが大事。 こうしたことは、学部の早い段階で教えた方が良いと思う。
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一般の市民が、科学的な考えを導入して、生活に取り入れてより良い生き方を示してくれる。 前半の科学史、実験手法は面白く、2つの推論(帰納、演繹)の説明は面白かった。
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後半部分はさすがに今となってはの感もなくはないが、もちろん普遍的な内容も多く含み所々でハッとさせられる。前半だけでも子供に読ませたいなー。
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一読したけど、科学リテラシーについて考えるなら今後まずこの本を読め、ということになるだろう。それぐらい重要な本だと感じた。少なくともあと二回は読まないといけないと思うので評価はまだつけません。
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●なぜ「科学リテラシー」を身につける必要があるのかを、科学の原理や科学的に考え方といった点から、その本質を説く。そうして、リスクとの向き合い方を提示する科学リテラシーの入門書である。
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網羅的でよかった 定期的に見直したい 自分で考えることが大事で、どう考えればいいかの参考になる 科学は絶対ではなく、常に更新し続けるもの ただし積み上げてきたこれまでの科学は信頼できると言っていい 科学を専門家任せにしないで最終的には自己判断することが科学への正しい向き合い方だと...
網羅的でよかった 定期的に見直したい 自分で考えることが大事で、どう考えればいいかの参考になる 科学は絶対ではなく、常に更新し続けるもの ただし積み上げてきたこれまでの科学は信頼できると言っていい 科学を専門家任せにしないで最終的には自己判断することが科学への正しい向き合い方だと思う。
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あらためて思考の基礎を学びたくて、手にとった一冊です。 前半は、科学的思考の概念や主として仮説検証にまつわる思考・方法論が示されてました。 後半は、原発事故を例に市民レベルでも科学リテラシーを持ち、専門家の主張に対するシビリアンコントロールをすることの重要性を論じています。 後半...
あらためて思考の基礎を学びたくて、手にとった一冊です。 前半は、科学的思考の概念や主として仮説検証にまつわる思考・方法論が示されてました。 後半は、原発事故を例に市民レベルでも科学リテラシーを持ち、専門家の主張に対するシビリアンコントロールをすることの重要性を論じています。 後半の「科学リテラシー」という考え方が新鮮でした。そして「科学なしでは解決できないが、科学だけでも解決できない問題」がゴロゴロしているコトも再認識です。
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科学的思考がどのようなプロセスでなされ、そもそもどういった考え方が科学的であるかということがわかりやすく書かれている本です。 まず最初に 論理的な思考とはなにかだったり、 科学理論って事実なの事実でないのなど理系ならだれもが知っていなければならない 基本的なことが書かれています...
科学的思考がどのようなプロセスでなされ、そもそもどういった考え方が科学的であるかということがわかりやすく書かれている本です。 まず最初に 論理的な思考とはなにかだったり、 科学理論って事実なの事実でないのなど理系ならだれもが知っていなければならない 基本的なことが書かれています。 その次に一般市民としてなぜ科学的思考を持つべきでそれをどのように使わなければならないかということが述べられています。 これを読めば、論理的な思考とはどのようなプロセスを得ているのかということが体系的に分かるので、これを読んだから出来るというわけではないですが、 自分の考え方の体系化といった意味で読んでもらいたい本です。
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科学的思考とは何か?わかりやすく説明した本。 科学の本は一般的に難しいものが多く、素人でもわかりやすく読めるものが少ない。 わかりやすいものを探すと子供向けのものぐらいしかない。 しかも科学の思考そのものについて教えてくれる本となるとさらに少なくなる。 本書は科学的思考とは何か?を、専門的知識がない素人でもわかる ように解説している本である。 本書で述べている科学的思考についてまとめると以下のようになる。 優れた仮説や理論とは 優れた科学的な理論・仮説とは以下のようなものである ・新奇なことがらの予言をすることができる ・アドホックなその場限りの仮説が少ない ・その理論により説明できることがらが非常に多い(既存の理論との矛盾が少ない) こういった要素をもった仮説を積み上げていき、蓋然性の高い理論を 積み上げていくのが科学である。 決して0か1ではない(完全に正しい仮説と間違った仮説があるわけではない)。 また決して、「真理そのもの」ではない。(そんなものはわからないので。) 科学と疑似科学の違い ・科学は反証に開かれているが、疑似科学は開かれていない (どういうことを言えば否定できるのかがはっきりしない) ・科学は概念が定義されている(操作的定義)が疑似科学はその要素が少ない (あいまいな言葉が多い) 実験について ・実験を行う場合は、調べたい条件以外は同じにする「比較対照実験」が必要 ・因果関係をつかむには「4分割思考」が必要 ・大事なのは確率ではなくて、関連のある事象との相関関係 ・正しい実験では誤差の問題があるため、サンプル数がある程度必要 ・ただし、相関関係と因果関係は違う これらのことが話し言葉でかかれているため、すらすらと頭に入ってくる。 わかりやすいとなるとレベルが極端に低くなることが多いが、伝えたい事柄の レベルは下げずに、なおかつわかりやすい。
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