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「科学的思考」のレッスン の商品レビュー

3.8

40件のお客様レビュー

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2013/02/17

良書。タイムリーな話題から基本的な話題まで、記述の仕方は極めて平易ながら、内容は高度、かつ役に立つ。 著者のほかの本もぜひ押さえておかねば、と思わせるだけの魅力を持っている。

Posted byブクログ

2012/09/14

科学とどうやって付き合っていくか、そのひとつの考え方を学ぶことができた。 四分割表的思考とかトランスサイエンスとか覚えておいた方が良いことも多く載っていた。 あとがきの最後の一文は、この本を最後まで読んだ読者への挑戦みたいなものだろう(笑)

Posted byブクログ

2012/07/29

科学的に考えるってどういうことか。 科学と、どのように向き合っていくか。 丁寧でわかりやすい。 科学をしない人への本としているが、科学をする人も知っておくべき。 そもそも高校までに教えられるべき内容だと思う。 特に、科学哲学、論理的思考、環境問題(原発なども)に興味ある人へ...

科学的に考えるってどういうことか。 科学と、どのように向き合っていくか。 丁寧でわかりやすい。 科学をしない人への本としているが、科学をする人も知っておくべき。 そもそも高校までに教えられるべき内容だと思う。 特に、科学哲学、論理的思考、環境問題(原発なども)に興味ある人への入門書。

Posted byブクログ

2012/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2部構成。第1部ではこの「科学的思考とは何か」についての基礎的な説明 第2部では  1. 科学・技術(以下まとめて「科学」)では解決できない問題がある  2. このような問題は,専門家だけに任せておけない  3. だから,科学リテラシーをもった「市民」による専門家の統制が必要である  4. したがって,専門家でない者も科学リテラシーを身につけた「市民」になるべき という主張がなされる。原発問題にかせんで読んだ。リスクを引き受ける主体である市民・国民が判断する必要がある。納得

Posted byブクログ

2012/06/30

ダイオキシン、環境ホルモン、遺伝子組み替え、そして原子力発電所。日々進歩する科学技術は時に市民の生活を脅かします。何か起きたとき市民は科学者に説明を求めますが、科学者の言うことは難しく、曖昧に聞こえる表現ばかりでわからない。わからないから主張の中身ではなく、派閥論・陰謀論などわか...

ダイオキシン、環境ホルモン、遺伝子組み替え、そして原子力発電所。日々進歩する科学技術は時に市民の生活を脅かします。何か起きたとき市民は科学者に説明を求めますが、科学者の言うことは難しく、曖昧に聞こえる表現ばかりでわからない。わからないから主張の中身ではなく、派閥論・陰謀論などわかりやすい物語に落とし込んでやいのやいの不毛な言い争いが生じることになります。本書は科学者の説明をどう理解したら良いのか。また科学技術を専門家に任せるのではなく、市民が科学技術をコントロールする重要性を簡潔に紹介しています。以下、気になった部分を独断と偏見で。 第1部 科学的に考えるってどういうこと? ・科学的説明・科学的にものをみるとはどういうことかを説明。 ・理論と事実を二分法的に捉えてはいけないこと(事実の観測にも理論的背景が存在する)。 ・科学は原理的に「真実」を明らかにすることはできず、より確からしい、ただしいつか覆される可能性を含む「仮説」を探っていくものである。 ・したがって、原発事故などの際、大衆は科学者に「危険か安全か?」を問いかけるが、科学的な説明では危険とも安全とも答えられない。どうしたって、グレーゾーンにとどまる。またそうしなければならない。 第2部 デキル市民の科学リテラシー 被ばくリスクから考える ・市民による科学技術のコントロールの重要性について解説 ・「餅は餅屋」。科学技術のことはそれぞれの専門家に任しておけば良いのだろうか。素人は専門家に判断をまかせて、何か起きた場合には専門家に文句を垂れれば良いのか。断じてそうではないというのが著者の意見。なぜか。 ①専門家は、対象とする分野を絞っているからこそ「専門家」なのである。科学者は政治・社会・経済的な総合的な観点からの判断などできない。無理にさせれば、おかしなことになる。 ②問題の多くは市民が知りたいことのフレーミングと専門家のフレーミングの齟齬から生じている。知りたいことを市民がフレーミングし、科学者がフレーミングにあわせて適切な情報をすることで意思疎通の困難は解消されるだろう。 ③素人は知識がないから適切な判断ができない?ということはない。重要なのは科学技術に関する知識ではなく、科学的な見方である。わからないことがあれば専門家に聞けば良いのであって、市民は知識を深めるより、専門家に適切な問いをなげかけるスキルを磨くべきである。 「市民」て誰? ・科学技術をコントロールする市民って誰なんだろう?最後に著者のイメージする市民と大衆の違いを述べる。『事故で満員電車が止まったときに、駅員に詰め寄って文句を言うのは「市民」ではありません。「大衆」です。復旧の手助けをするか、せめて復旧作業の邪魔をしないように努めるのが「市民」。あるいは、年金不祥事が起きたときに、年金を納めるのが嫌になったというのが「大衆」で、どうしたら年金制度を再建できるかを論じるのが「市民」です。』 ・確かにおっしゃるとおりで、問題はどうやって市民を養成するかだろう。一つには、教育現場において小学校から「市民的」態度で議論する練習をさせることが重要だろう。スウェーデンなどではそうした取り組みが進んでいると聞いている。また、一方そうした教育を受けてこなかった我々大人に対しては、なにかの課題について「市民」的な議論ができる場と材料を第3者的な立場から提供できるNPO、コンサルなどが重要になるのではないかな。

Posted byブクログ

2012/06/27

 原発の事故の検証から疑似科学まであらゆることが書かれてあるので、初年次の学生にとっての教養書となる。科学リテラシーの学習に最適な本である。

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2012/06/16

内容は悪くない。しかし、著者が述べてもいるのだか、『もうダマされないための「科学」講義 』(光文社新書)と内容が似通っている。片方を読めばもう片方を読む必要はない。

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2012/06/03

科学哲学の基礎の基礎がたいへんわかりやすく説明されており、良心的な内容の本。でもただ本書の後半は、これまでの著者が刊行してきた一般向け著作と比べると、かなり異質な内容となっている。読者に対して、科学リテラシーを身につけた「デキル市民になれ」と、かなり強く呼びかけており、多少pus...

科学哲学の基礎の基礎がたいへんわかりやすく説明されており、良心的な内容の本。でもただ本書の後半は、これまでの著者が刊行してきた一般向け著作と比べると、かなり異質な内容となっている。読者に対して、科学リテラシーを身につけた「デキル市民になれ」と、かなり強く呼びかけており、多少pushy。著者は、啓蒙的であることとの暴力性に自覚的な人だから、原発事故後の世情を鑑みて、確信犯的に強いメッセージをおくっておられるのだと理解したが。。。

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2012/05/05

第一部で科学の考え方を解説。 第二部で「一般の市民が科学の考え方を理解する必要性」を説く。 "科学・技術まみれになったこの社会"では、市民も科学リテラシーを身につける必要がある。 なぜなら、科学の「内容」は当然科学的で、専門家に委ねることができるが、 その「...

第一部で科学の考え方を解説。 第二部で「一般の市民が科学の考え方を理解する必要性」を説く。 "科学・技術まみれになったこの社会"では、市民も科学リテラシーを身につける必要がある。 なぜなら、科学の「内容」は当然科学的で、専門家に委ねることができるが、 その「使い方」は科学的でなく、専門家だけに委ねられない、"社会全体"で考えねばならないことだから。 そしてその具体例として、専門家と市民をつなぐ"コンセンサス会議"を挙げる。 「市民向け」、というよりは「インテリ市民向け」という感じがした。  ・トピックの書き方が、一般の人には興味持ちにくそう(抽象的な単語、耳慣れない単語が多い)    e.g. "「理論」と「事実」はどう違うの?"      →科学は真理に近づけても、真理には成り得ない? とか、 科学は白黒じゃない、グレーなもの       などの方が好奇心をそそりそう   ・具体的な事例は一つ一つを理解するのがちょっと大変。ある程度の教養を要する感じ  ・しかしその分濃く、具体的な例が豊富で、本筋の内容に分かりにくいところがあまりない   もう少しまとめた方が、厳密さは欠くが読みやすいところもあるように感じた  e.g. 私たちの抱える問題の解決を専門科だけに任せられない問題三つは    要するに、「科学の扱いは科学的じゃない」に集約できるのでは 個人的には→ 自分は、文系学部から理転して研究を始め、 「どういう研究がいい研究なのか」 「科学の世界での共通ロジックってどういうものなんだろう」 と悩んだり、自分なりの答えを出したりしていたのだが 第一部はそれらを裏付けたり、ヒントをたくさんくれるところがあり、興味深かった。 世の中を構成する人の半分以上は文系で、厳密な科学的思考を体得している人は少なく、 理系でも、「なんとなく」な理解の人は多いだろう。 「イメージ」や感情で科学の技術・産物を利用するのは危険だし、逆に良い技術を利用しないのは勿体ないと私も思う。 筆者の主張を実現するためには、 もう少し読みやすく「市民向け」に書かれていればもっとよかったかな、と思う。

Posted byブクログ

2012/04/30

前半(第Ⅰ部 科学的に考えるってどういうこと?)と後半(第Ⅱ部 デキル市民の科学リテラシー)の落差が大きい本です。 第Ⅰ部では、   理論と事実、仮説と真理を二分法的に考えるのは、安全と危険、科学と疑似科学を二分法で考えるのと相似形で、危険な考え方である。   より良い...

前半(第Ⅰ部 科学的に考えるってどういうこと?)と後半(第Ⅱ部 デキル市民の科学リテラシー)の落差が大きい本です。 第Ⅰ部では、   理論と事実、仮説と真理を二分法的に考えるのは、安全と危険、科学と疑似科学を二分法で考えるのと相似形で、危険な考え方である。   より良い仮説とは    ①より多くの新奇な予言をしてそれを当てることができる。    ②その場しのぎの仮定や正体不明の要素をなるべく含まない。    ③より多くのことがらを、できるだけたくさん同じ仕方で説明してくれる。 そして、「アブだクション」(仮説演繹法)について丁寧に分かりやすく説明がされており、科学するとはどういうことなのか、その「科学リテラシー」が理解できるようになっています。 ところが、第Ⅱ部になると、今回の原発問題を取り扱っているのですが、第Ⅰ部で自らが述べていた罠にはまっている記述が散見され、科学的リテラシーが上がった故にがっかり感が強いです(ちょっと皮肉っぽい書き方でしたらごめんなさい)。 ということで、第Ⅰ部を読み終わったらいい本だったなーと閉じるのが正解かも(笑)。

Posted byブクログ