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くまちゃん の商品レビュー

4.1

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2024/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋をして、ふられる。 ふった側が次にふられる側になる小説。 でも私も最近、仲良かった人とお別れしたので少し心が救われた気がした。 ここからは引用を含みます。 誰かと付き合うのって、その人に合わせて、自分の分身を1個作る感じ。 別れたり、振られたりすると、その自分をべりべりっと剥がされた気がするから辛い。 それは別れる痛み。ふる側もそりゃあ痛い。ふられる側は予知できなかった驚きも痛みに加味されるけど、ふる側もおんなじ痛みを味わってるもの。 人と関わることってこわいことだよ。

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2024/05/30

いやーな食物連鎖(褒めてる)こんなの男も女も25なるまでに全員読んだほうがいい。1番共感できたのは別だけど、気に入ったのは久信のところ。うえぇえん私も早く仕事めっちゃすごい人になりたいこんなことに熱中してたくない辛いでも最高。人生すぎ。めったに本読み返さないけど絶対これいつかまた...

いやーな食物連鎖(褒めてる)こんなの男も女も25なるまでに全員読んだほうがいい。1番共感できたのは別だけど、気に入ったのは久信のところ。うえぇえん私も早く仕事めっちゃすごい人になりたいこんなことに熱中してたくない辛いでも最高。人生すぎ。めったに本読み返さないけど絶対これいつかまた読んであの頃と感じ方ちゃうなぁって言うやん私

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2024/05/22

いろんな失恋が描かれてる。何回失恋をしても恋をする、本当にそうだな〜。失恋するたびに自分とか世界を呪うけどこれを読んでまた恋愛したくなったし、不毛な片思いでも悲しい失恋も恋しくなってしまった。 勝負恋愛、『ひでちゃんがマキトであれば別れなかっただろう』自分勝手すぎるけど、恋愛で...

いろんな失恋が描かれてる。何回失恋をしても恋をする、本当にそうだな〜。失恋するたびに自分とか世界を呪うけどこれを読んでまた恋愛したくなったし、不毛な片思いでも悲しい失恋も恋しくなってしまった。 勝負恋愛、『ひでちゃんがマキトであれば別れなかっただろう』自分勝手すぎるけど、恋愛で自己中になっちゃうのなんて仕方ないだろうし。本当に上手にかかれている。すごい 視点が変わるにつれ、今まで主人公でこちらが感情移入して読んでいた人がある人の過去に付き合った大勢の人の1人になってるのが辛かった。 最後の乙女相談室、あとがきがとっても心に残った。 『その恋が、自分にとって意味を持ったものならば、たとえ別れ際がどんなに嫌なものでも、またどんなにこっぴどいふられかたをしたとしても、ふられる以前の関係は、私たちを構成するあるパーツとして私たちの内に在る。』 『足りない部分を職業的自信で埋めたい』 仕事と複雑に絡み合った恋愛。だからみんな職業がきっちりあったのか。 図書館で借りたけどこれは買って手元に置いておきたい1冊!

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2024/05/07

振られる側に焦点を当てた失恋の連作短編集。 私は自身の失恋から抜け出せずに、それならばいっそどっぷり浸かろうと失恋小説を探していて辿り着いた。 だから、そんな私には最後の「乙女相談室」が一番しっくりきた。 ありきたりなアドバイスも、目に見えるハッピーエンドも何も要らない、ただ等身...

振られる側に焦点を当てた失恋の連作短編集。 私は自身の失恋から抜け出せずに、それならばいっそどっぷり浸かろうと失恋小説を探していて辿り着いた。 だから、そんな私には最後の「乙女相談室」が一番しっくりきた。 ありきたりなアドバイスも、目に見えるハッピーエンドも何も要らない、ただ等身大でリアルで、それでいて誰もが違う形の恋愛を持っていることを知って、私は安堵したかったんだ。 他の人の感想を読んでみて思ったのが、この小説を探して手に取った人の多くは、乙女相談室のような「ただ自分の失恋を誰かに聞いてほしい人」「似たような境遇の人に触れ合いたい人」なんじゃないかって。現に自分もそうだ。 私がもう少し先に進んで行った時、この小説をまた違う見方ができるのだろう。 フラれたばっかりの時にこの本読んだな、とぼんやり思い出すその日まで、本棚でしばらく眠ってもらおうと思う。 2024.05.06 読了

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2024/03/20

恋人を振った側の人が次の話では振られる側になる、という構成になっていて、最後まで読むと、別れを受け入れて前を向こうという気持ちが湧いてくる短編集です。 角田光代は数々有名な作品がありますが、個人的にはこの「くまちゃん」が一番好きです。

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2024/03/09

昔に読んだけど再読。 40代に入り読むとまた違った感想になるな。 短編集なんだけど、みんなが恋をしてそれぞれがフラれちゃう話。 登場人物がみんなつながっていておもしろい。 あとがきの角田さんの言葉で、フラれることは旅を一回するようなことくらいの良さはあると思う、とあって心に響...

昔に読んだけど再読。 40代に入り読むとまた違った感想になるな。 短編集なんだけど、みんなが恋をしてそれぞれがフラれちゃう話。 登場人物がみんなつながっていておもしろい。 あとがきの角田さんの言葉で、フラれることは旅を一回するようなことくらいの良さはあると思う、とあって心に響いた。 旅から帰れば以前とは違う場所にいる自分にきづく。 角田さんの的確な言葉にハッとした。 フラれることってありえないくらい悲しくて痛くて辛いのにみんなまた懲りずに恋をする。 全ての失恋を糧にしていけたらそれでいいんだ。 そんな風に思える作品。

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2024/02/23

失恋時に読む本をひたすら探してたどりついた。失恋した自分は励まされ次に進む一歩をもらえた一冊。また違った状況時に読んだら違う感想になるのかも。

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2024/02/01

失恋をテーマにした連作の短編集。久々の角田光代作品だったが読みやすく面白かった。 人それぞれに恋愛に対する価値観や想いがあり恋人関係の奥深さを感じた。恋愛が人生に与える影響は凄まじく仕事の恋愛がよく対比される理由が分かった。特に女性視点の失恋に感情移入できたのは良い体験だった。

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2024/01/03

自分を振った人は他の人に振られて、その人もまた誰かに振られてて…登場人物が繋がっていく短編集。古傷が掻きむしられるような共感はなかったけど、そこがかえってリアルだと思った。サクッと読めるし色々考えさせられるフレーズもあって面白かった。

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2023/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大号泣。良すぎた。 ネットで「失恋した時 小説」で検索して出てきたので読み始めたが(安直すぎて我ながら恥ずかしい)予想してたよりはるかに良かった。 淡々としてるんだけど人を好きになる気持ちとかつらさとかがひしひし伝わってくる静かでやわらかい文体で良すぎた。まったく大げさじゃないのになんでこんなに胸が痛くなるんだろう。 こういう、なんでもないようなことをさらっと上手く書けるのがいかにも文豪って感じする。 だって奇事を派手に書くのなんて簡単だもの。 キャラクターみんなにめちゃくちゃ共感できた。特に「何者かになりたい」「社会で普通の人として生きる流れに取り込まれることへのなんともいえない怖さ」みたいなものを抱えたキャラたち、すごく好きだった。 そのうえでの希麻子や黒田に対する槇人や久信とか、凡人と天才の残酷な対比も良かった。 成功なんてものは目指してどうこうなるものじゃないし、それはそもそも金とか知名度とかそんなものじゃないから、とにかく人間は目の前にある自分の課題を自分で見つけて片付けていくしかないし、いわゆる「成功」なんてその過程で意図せずに、気がついたら手に入れてるものだ……っていう、すごく冷めた天才の考えというか、どうしようもない凡人との器の違いみたいなものが作中で一貫してたと思う。し、それがまた正しいよなぁと思った。 そしてそれをよく理解してた久信が大好きな文太に対しては、成功もなにもわかっちゃいなかった学生の頃に抱いた羨望や尊敬だけを一方的にずっと向け続けちゃってたのがつらいなぁと。 月日が経って何もかも違ってるのに、「その頃」の力関係がずっと続いちゃうことってあると思う。 でももう「自分が好きになったその人」はいない。 結局、成功とか天才とか過去とか未来とか関係なく、人間には今しかない。今やれることをやるしかない。っていう、そこでも一貫した「天才のカラクリ」みたいなものが語られてた。 そして、苑子との語らいによって「自分の天才に対する見解」と「文太に対する変わらぬ期待」との間の齟齬に気がついちゃって、その瞬間に久信の中で昔のままの強い文太はもういなくなってしまって、おまけにそれを文太を奪ったダサい女に指摘されて、そんな色々な気持ちで涙が出たのかな。 希麻子と黒田もそうだと思う。昔の憧れのまま、力関係が変わらないままず〜〜っとその人のことをだらだら思い続けちゃう。 「黒田に勝った」って思うところ泣ける。今までずっと悔しかったんだもんねぇ。最後くらいはね。 いやぁ、つらいなあ。 でも希麻子はパワフルで、なんとなくこれからも大丈夫だよなって思えるラストで良かった。 ユリエも。二人はすごくガッツがある。 こうして書いてても希麻子と黒田、久信と文太の二組が一番刺さったかも。と思う。 乙女相談室も好き。 終わりの場面で、過去に必要としてた人が雑踏に消えていって光が一つ一つ消えていくのが悲しいけど別れってそういうものかと思ってなぜか受け入れられる不思議なラストで好き。 最後の章の主人公だけは前編から引き継がれてなくて、作中ではあくまで漠然とした「別れ」とか「恋愛」とかそういうものに対する彼女たちなりのアンサーが示されてるのは、この物語全体に登場してきた恋愛や別れの意義とか、そこからの立ち直りとかそういう総括みたいなものを小説世界の最後に与えたかったのかなとも。 なんというか、人を愛することへの絶望や悲しみだけでは終わらない感じ。 祝福だと思う。人生とか恋したことへの。 あとがきまで通して読んでそう思った。 なぜかあとがきでボロ泣きした。多分すごくあたたかかったから。 私も才能とか成功とかそういうことに悩まされてて、たぶん希麻子とか黒田側の人間で、ふるかふられるかではふられる側で、っていうか恋人いたことないけど、私これから大丈夫だよねってちょっぴり信じたくなるような切なくもしたたかなラストでめちゃくちゃ良かった。 大好き!

Posted byブクログ