黒猫の遊歩あるいは美学講義 の商品レビュー
美術学 「黒猫」教授 「(人を)試すという行為は相手の人間性を著しく軽視していることの現れだよ。実験と何ら変わらない虐殺的行為だ。」 いやぁ、しかし、読みにくかった…というか難しかった。 知らない単語がいっぱい出てきて、だいぶ飛ばしちゃった(^^;) 黒猫というキャ...
美術学 「黒猫」教授 「(人を)試すという行為は相手の人間性を著しく軽視していることの現れだよ。実験と何ら変わらない虐殺的行為だ。」 いやぁ、しかし、読みにくかった…というか難しかった。 知らない単語がいっぱい出てきて、だいぶ飛ばしちゃった(^^;) 黒猫というキャラクターは◎。しっかりつくられていました。
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6作の短編集で、それぞれエドガー・アラン・ポーの著作が重要なキーとなっています。 作中でネタバレがあります。 主人公と探偵役が学者ということで、 回りくどい、くどい、小難しい、長い語りが多いけど、 波長が合えば割と楽しめるのでは。 『日常の謎』とカテゴライズされてい...
6作の短編集で、それぞれエドガー・アラン・ポーの著作が重要なキーとなっています。 作中でネタバレがあります。 主人公と探偵役が学者ということで、 回りくどい、くどい、小難しい、長い語りが多いけど、 波長が合えば割と楽しめるのでは。 『日常の謎』とカテゴライズされていますが、 「普段の生活の中で出会う謎」といえないこともないけれど、 どちらかといえば人間の不可思議さの解読といった風に感じました。 文章は流れるように綺麗ですが、 テーマが難解なためちょっと教科書とかふるーい小説を読んでいるような気が。 それにちょっと私の趣味より飾りすぎかな、と感じました。 もう少しシンプルなほうが好き。 もちょっと盛り上がりが欲しい部分もありましたが、 独自性という面でもなかなかに面白かったです。 ちなみに第1回アガサ・クリスティー賞受賞作だそうです。
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キャラ設定は、最近のライトミステリーの流行りですね。 主役のふたりのキャラも、立っていました。 付き人のト書も、キュートでいぃ感じ…。 ただ…、如何せん読みにくぃ…。 キャラを立たせる意味でも、作品に色を出す意味でも、 ポーの作品と美学の高説は、これはこれでいぃのでしょうが…...
キャラ設定は、最近のライトミステリーの流行りですね。 主役のふたりのキャラも、立っていました。 付き人のト書も、キュートでいぃ感じ…。 ただ…、如何せん読みにくぃ…。 キャラを立たせる意味でも、作品に色を出す意味でも、 ポーの作品と美学の高説は、これはこれでいぃのでしょうが…、 一番大事な「読者」を、置いてきぼりにしてしまった感じ…。 ぶっちゃけ、読後に、「っで、なんだったんだろぅ?」って感じでした…。 作中の事件もミステリーも、大した内容ではなぃので、 特徴的な黒猫の高説がなければ、薄っぺらな作品だったんでそぅが…、 だとすると、ミステリー小説のジャンルに入れるのって、どぅなんだ…? 評価は、よい部分と悪い部分で±0、★3つとしました…。
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オトナファミで紹介されていて読みたくなった本。 6つの短編からなるミステリー。 エドガー・アラン・ポオの解説を含みながら、 黒猫と語り手との周りに起こる事件が読み解かれていく展開。 学術的というか高度な論の展開がなかなか難しくもあり、 それが魅力的でもあるような印象を受けまし...
オトナファミで紹介されていて読みたくなった本。 6つの短編からなるミステリー。 エドガー・アラン・ポオの解説を含みながら、 黒猫と語り手との周りに起こる事件が読み解かれていく展開。 学術的というか高度な論の展開がなかなか難しくもあり、 それが魅力的でもあるような印象を受けました。 あと、伏線が上手に張られているなぁという感じも。 ドラマとかになりそうだけど、 精神的な内容だったり、基本解説部分がメインだったりするから、 映像化するのはなかなか難しいのかなといらぬ心配をしてみたり。
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連作短編6作。 語られる内容のわりには残るものがないし、読み流すには面倒くさい。 3話の終わり頃からなんだか読み易くなったけど、慣れただけか。 雰囲気は好きなんだけどなー。
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久しぶりに、一文字も見落としたくないと思わせる1冊。 ここ最近は、ミステリーの場合、結果が知りたいあまり後半は斜め読みになりがちだった。 この本は、言葉や表現が美しく、難しい内容でも読んでいていやにならない、不思議な魅力がある。 図書館の本を借りて読んだが、購入して、わからないと...
久しぶりに、一文字も見落としたくないと思わせる1冊。 ここ最近は、ミステリーの場合、結果が知りたいあまり後半は斜め読みになりがちだった。 この本は、言葉や表現が美しく、難しい内容でも読んでいていやにならない、不思議な魅力がある。 図書館の本を借りて読んだが、購入して、わからないところなどを調べながら読み返してみたい。作品が短編というのも斜め読みしなかった理由かもしれない。 ポーの作品は小学生のころ読んだが、ほとんど理解していなかったのか覚えていなかった。この機会にもう一度読んでみたい。
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第一回アガサ・クリスティー賞受賞作。 「黒猫」と呼ばれる二十四歳で教授になった天才と、その「付き人」になった同じく二十四歳博士課程一年の「私」が、日常のこまごました謎に向き合う。 後味も悪くなく、さらりとした印象。謎も割と想定範囲内に収まるもので、強烈なインパクトを残すことはありません。どちらかというと推理よりも、登場人物の醸し出す雰囲気を楽しんだ方がよいでしょう。 主人公はポオを専門に研究している。「黒猫」は美学教授。そんなわけで、決して絵を描いているわけではない美学教授という仕事の実態が、少し明かされているようないないような。院生ってこんなに優雅な生活を送っていたかしら(黒い笑い)。推理のお供に(逆だろうか)美学談義がついています。 印象は、坂木司の<引きこもり探偵>シリーズと、有栖川有栖の<作家アリス>シリーズを足して2で割ったような感じ。要は、おいしそうなご飯と、線の細い美形青年探偵(たいていの人に対してフラットに接するが、主人公には少し優しい)と、古典的名作ミステリ談義。あ、でもやっぱり北村薫の<円紫さんと私>シリーズかもしれない。ちょっと主人公と探偵役の距離感が違うけど。 なんとなく、作者は女性なんじゃないかという印象。探偵の描写とか。でも、男性のような気もしなくもない。出てくる女性がみんな似た感じの美女(雰囲気)だし。主人公がなんとなく北村薫<円紫さんと私>シリーズの「私」にかぶる。ただ、<円紫さんと私>シリーズの主人公ほど、「ないわ!」って感じはなしない……まあ、都合いいなとは思いますが。 →男性でした。 全体的に、ポオを読んでいることが前提になっている気がします。選評にもありましたが、他の推理小説の犯人を明かすのはルール違反。これは出版にあたって改訂されていますが、真相に踏み込んでいる作品があるので、気になる人は読んでおいた方がよいかと。 でも、古典的名作を下敷きにしたミステリってある意味定番なので、そこまで神経質になることもないかな。ポオはもうミステリファンなら基本中の基本であることだし。
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気に入ったような気に入らないような微妙な読後感。表紙の雰囲気そのままのような二人の淡い関係が好きです。上品で知的な会話や性格もよいと思います。自分も頭がよくなったような気分になれる。目撃者の「この間」という曖昧な日時証言など、小さなトリックが光っていて、なるほどと感心しました。ただ、黒猫の美学講義が難しすぎて、実を言うと後半、蘊蓄はすっ飛ばして読んでしまいました。導入と謎解きだけ読んだわけですが、犯人は精神病患者なのですか?何がどうなるとそういう行動をとるのか全く理解できません。
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実に面白い。と、福山ガリレオのように言いたくなる。あのドラマが浮かぶけれど、小説という形から取り出すことはできない雰囲気がある。狙っているようなキャラクターにも品がある。思考を放棄したような企画者の手で安易にドラマ化などされないでほしい作品。
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おもしろかったー! 最初は黒猫のひねくれから八雲を連想してしまったけれど、最終的に両者は全く別人という結論に(当たり前だ) 論述的というのか、なかなか文学の知識がないものとしては解釈に難解な部分もあったけど、それを含めて文学的に展開される推理に痺れました。 この2人の距離感もなかなか好きです。つかず離れず、恋愛色が強すぎることも無く…たまにやるせない気持ちになりましたが! 個人的に水のレトリックがお気に入りです。主人公と柚木君のエピソードが素敵!とか思ってたらいろはさんと…?!と一人で切なく感傷に浸ってました(笑) まあ、主人公がどうとも思っていなければそれでいいんですけど。 私は切なかったんです!!! 文学系の博士課程に進むとこんな感じなんですね。 未知の世界なので緩やかな時間の流れに少し憧れたりもします。
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