黒猫の遊歩あるいは美学講義 の商品レビュー
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若き大学教授「黒猫」と大学院生でエドガー・アラン・ポーの研究をしている「付き人」の私。二人が遭遇する日常の謎を解く短編連作作品。 優雅で独特の雰囲気が美しい。表紙もキレイで好みです。さらさらとそれでいて個性的な薀蓄を聞かせてくれる「黒猫」は魅力的です。 ミステリ内容・恋愛内容、どちらも小粒と評されることもあるかもしれませんが、私は好きです。独自の世界をもちつつ、押しつけがましいところがないのが好ましい。今後の作品が楽しみです!
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若き天才教授とその付人でポオ研究者の女学生コンビが出くわす、日常の謎系なミステリ短編集。 どれもポオの作品をモチーフにしているのですが、タイトルどおりに美学的な蘊蓄を語り、そしてそれが謎解きに結びついていく。 ミステリとしてどうとかよりも、その蘊蓄と美学講義が非常に素敵でし...
若き天才教授とその付人でポオ研究者の女学生コンビが出くわす、日常の謎系なミステリ短編集。 どれもポオの作品をモチーフにしているのですが、タイトルどおりに美学的な蘊蓄を語り、そしてそれが謎解きに結びついていく。 ミステリとしてどうとかよりも、その蘊蓄と美学講義が非常に素敵でした。面白いよ。
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第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。 ”黒猫”と呼ばれる若き教授が、美学理論の講義を通して日常の謎を解き明かす短編集。 全体的にタイトルや表紙に象徴されるような美しくペダンティックな雰囲気に溢れており、登場する謎が恋愛がらみのものが多いためか、個人的にはいまいち苦手。 しかし作中...
第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。 ”黒猫”と呼ばれる若き教授が、美学理論の講義を通して日常の謎を解き明かす短編集。 全体的にタイトルや表紙に象徴されるような美しくペダンティックな雰囲気に溢れており、登場する謎が恋愛がらみのものが多いためか、個人的にはいまいち苦手。 しかし作中で黒猫が語るエドガー・アラン・ポー作品の解釈は大変面白く、ポーを読み返したくなった。
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美とは何か? ミステリなのか恋愛なのか? ただの日常なのか、それともただのうんちく講義? 楽しめました。
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「黒猫」と呼ばれて返事しちゃう男……ちょっとなぁ? 蘊蓄満載のトリックは面白かったけど、 正直、タイトルで期待したほどではなかったです。 「謎解きはディナーのあとで」とか好きな人なら、 結構楽しめるのかも。
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ミステリというには推理部分が弱いかなぁ。というわけで、エンタメに分類。 内容は日常の謎系?とはいえそこに愛憎が介在するので。割と人間関係の謎が多かったかな? 美学講義ということでうんちくはいろいろ。 短編集です。全編通して一応本歌どりあり。 主人公がポゥの研究者ということなの...
ミステリというには推理部分が弱いかなぁ。というわけで、エンタメに分類。 内容は日常の謎系?とはいえそこに愛憎が介在するので。割と人間関係の謎が多かったかな? 美学講義ということでうんちくはいろいろ。 短編集です。全編通して一応本歌どりあり。 主人公がポゥの研究者ということなのでポゥが多め。 キャラがかわいかった。 特に黒猫君。 憎まれ口全開ながら、主人公大好きなところとか。 でも、実際いたらかわいくないんだろうけど。 この系のお話好きです。
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アガサ・クリスティー賞受賞作と聞いて、アガサ・クリスティーのような本格ミステリーを想像してはいけない。 よって、本格ミステリーが好きな方にとっては面白くないのではないだろうか。 題名に「黒猫の…」と書いてある通り、ポーの作品をモチーフにしている(ただしここで言う「黒猫」は作中に...
アガサ・クリスティー賞受賞作と聞いて、アガサ・クリスティーのような本格ミステリーを想像してはいけない。 よって、本格ミステリーが好きな方にとっては面白くないのではないだろうか。 題名に「黒猫の…」と書いてある通り、ポーの作品をモチーフにしている(ただしここで言う「黒猫」は作中に出てくる教授の渾名)。作者独自のポーの解釈が作品に所々に出ているので、本格ミステリー好きの私は作品そのものよりも作者のポーの解釈を読んだ感じとなった。 ポーを読んだのは何年も前の事。改めてポーを読んでみたくなった。
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美学! 難しくて分からないことが多かったけれどポオの解釈にしても、日常の中での謎についても美しい学問って意味で。 キャラが際立って私好みでした。冷たくもあり、ひねた優しさもあり。
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24歳にして教授職に就いた天才「黒猫」と、同じく24歳の院生である女の子が、周囲で起こる謎をエドガー・アラン・ポオの作品になぞらえて美しく解決していきます。 タイトルにある「遊歩」の通り、「黒猫」が謎と論理をこねくり回して遊んでいるようで、不可解な謎とスッキリした論理的な解決、というよりは、もはや妄想の域のような気がします。 苦手なタイプの小説だと読み始めは思ったのですが、「黒猫」と主人公の女の子の近づきすぎず離れすぎずの関係が甘酸っぱくて、徐々に独特の雰囲気が心地よくなってきました。 わたしにとってはミステリーというより恋愛小説です。 ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【月まで】主人公の女の子が偶然見つけた、でたらめに書かれた地図。なぜは母こんなでたらめな地図を大切に保管していたのか?という謎で、推理はかなり強引でした。 ユートピアについてはとてもおもしろかったです。 切ない愛の物語、といった雰囲気がでていますが、たんすの中って大切に保管していたといえるのかな? こんなまわりくどくて分かりにくくてもったいぶったラブレターはわたしなら引きますが、「特定の人物にだけ伝わればいい」ということなのでしょう。 【壁と模倣】謎の自殺を遂げた友人の死の真相とは? この真相はおもしろかったです。暗い雰囲気もとても好きでした。 関俣くんの壊れっぷりが良いです。 西洋と東洋の壁の違いとか、ポオの作品の黒猫の解釈なども楽しく読めましたが、やっぱりこれを事件と繋げちゃうのは強引な気がします。 ナチュラルにパフェのあ~んをする二人ににやにや。 【水のレトリック】謎の男性と謎の香水。 失恋の思い出をこんな形で川に投影したり、香水に想いを託したりする気持ちがわたしにはよく分かりません。 なのでこんな推理をした黒猫の思考もよく分かりませんでした。 【秘すれば花】出席するといっていた学会に現れなかった研究者。逆に来るはずがないのになぜか出席していた元研究者。 この人たちの思いや考え方がわたしにはまったく分かりませんでした。なぜ恋をしてその行動!? そして主人公の女の子に何があったのか…秘すれば花とはいえ、どうもスッキリしない話でした。 【頭蓋骨のなかで】ふと耳にした言葉からの推理は「九マイルは遠すぎる」みたいな展開です。 このネタは「壁と模倣」と似ていると思います。一風変わった精神の持ち主が多くてちょっと現実離れしてきました。黒猫や主人公の女の子、黒猫の姉の冷花などのキャラクターも超人化してきて漫画みたいです。 【月と王様】月を絡めた大人達の恋愛模様と、黒猫と女の子の関係を、最初の短編「月まで」と繋げて最初と最期できれいにまとまっています。 突然流れた不思議な音楽はどこから奏でられたのか? 真相は切なく甘く素敵ですが、来客中に、しかもそこから音楽!?とも思いました。 黒猫と女の子の非常に微妙な関係がくすぐったく、気恥ずかしくも甘い気持ちになれる良いラストだったと思います。
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これも表紙に惹かれて読みました。最近イラストレーターが一般文芸の表紙を描くの増えてますね! ポーやらホームズやら竹取物語やらの古典文学?をそれぞれの章でテーマにして展開するお話。テーマとして扱われている作品、恥ずかしながらほとんど読んだことがないのですが特に問題ありませんでした。 黒猫さんが細かく解説してくれるのでわかりやすいとは思うのですが、ちょっと合わないかなーと感じた。竹取物語に関する解説が、特にわかりやすくって好きです。 こういう天才キャラを書くのって、書く側が頭悪くちゃダメだから大変だろうなと思います。専門分野の方が読んだらどんな感想を持つのか聞いてみたい。 主人公が最終的に黒猫に恋愛感情を抱いてる、黒猫にもそれを期待しているという終わり方の部分が気持ち悪く感じてしまった。「魅力的な人物」だから惹かれないほうがおかしいのかもしれないけど、この主人公にはもっとドライでいてほしかった。男女の組み合わせだったら、自分は「早くくっつけ!」みたいに思うことのほうが多いので、なんでこの本だけそんな風に感じたのか自分でも不思議。 ミステリあんまり読まないですけど、これは大賞取れるほどかな?とちょっと思いました。表紙の雰囲気良すぎて期待度が高すぎたのかも。
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