日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 の商品レビュー
時事ネタを理解するためのベースとして、経済学を理解するためにはちょうどよい本。そうした解説と合わせて「成功した人に報いる税制」と「徹底した規制緩和」が日本の経済成長に繋がると一貫して主張している。 すんなり腹落ちしない内容はあるものの、総じて賛成。ただ、上記が成長に繋がることは...
時事ネタを理解するためのベースとして、経済学を理解するためにはちょうどよい本。そうした解説と合わせて「成功した人に報いる税制」と「徹底した規制緩和」が日本の経済成長に繋がると一貫して主張している。 すんなり腹落ちしない内容はあるものの、総じて賛成。ただ、上記が成長に繋がることは頭では理解していても、バブル崩壊後に先送りの政策しか実施できていないのが現実。政治家や官僚が理解していない訳ではなく、分かっていてもやらないという状況と思われ、それをどう実現するかが肝のはずで、その点ではやっぱり評論家。 以下、備忘録として残して置きたいポイント。 ①経済学は国民を豊かにするための最適な資源配分を考える学問。 ②失業は社会が豊かになるために必要なプロセス。技術革新→生産性向上→余剰人員発生⇒他の産業にて就業→GDPアップ(⇒の部分が必ず繋がる?長期的かつ個人にフォーカスしなければマクロ的にはそうかも…)。 ③GDP=民間投資+民間投資+政府支出+輸出-輸入 ④実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター(ある時点を基準とした物価指数) ⑤信用創造:銀行の貸出によって民間企業や個人が自由に使えるお金が増殖(銀行が企業や個人に貸出→回り回ってどこかの銀行に預金として預けられる→その銀行が改めて貸出…(数式省略)) ただし現金性向が高い(金利)が低いと信用乗数が低くてあまり効果なし。 と書いてきたが、細かな理論は割愛。経済学部出身としてはちゃんと理解していないとね。内容とその通りに行かない背景をセットで。
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「グローバル化」などと言われて分かっているようで分かっていなかった自分のような人間には大変学ぶことが多かった。現代の日本を取り巻く諸問題(景気・雇用・税金など)について、分かりやすく解説してくれた。 グローバル資本主義の本質は、国境を越えた自由競争にある。その競争の中から日本だ...
「グローバル化」などと言われて分かっているようで分かっていなかった自分のような人間には大変学ぶことが多かった。現代の日本を取り巻く諸問題(景気・雇用・税金など)について、分かりやすく解説してくれた。 グローバル資本主義の本質は、国境を越えた自由競争にある。その競争の中から日本だけが部外者でいることは不可能である。その競争で生き残るためには、様々な規制や政府による不要な制限、既得権益を守るような法律をなくし、市場のメカニズムが機能するような方向に誘導してあげることである。 市場のメカニズムは決して万能ではないが、市場が健全に機能することで多くの場合企業を、国民を、そして貿易を行う関係国も含めて豊かにすることにつながるのである。 現在の日本ではそれが正常に機能しているとは言いがたい。例えば、会社における正社員の解雇規制である。正社員の解雇規制が厳しいせいで、企業は仕事のできない社員や働かない老人社員のクビをきることができない。そのせいで、若い人材を雇うことができず人材の流動性がなくなっている。技術革新や先進的な投資もできなくなっている。公務員も正社員も保護のされすぎで、競争原理が働かなくなっているのが問題である。 失業は経済発展の中で起こる自然発生的なプロセスであり、不必要に保護するものではない。失業や倒産は社会を効率的にしていく原動力となる。しかし、政治による保護や規制が入ることで腐敗していくのである。 GDP(=経済的豊かさの指標(所得・付加価値・購入と同等))を成長に向かわせるには、政府による財政出動ではダメである。政府による公共事業は税金を投入して行うわけであり、その財源は国債により賄われる。 つまり、公共事業は将来の税金を先取りしているに過ぎないとも言える。最終的には増税で跳ね返ってくるのだ。まさに目先の対策である。 農業、教育、医療にしても様々な保護や規制があるせいで、市場のメカニズムが機能せず消費者が不利益を被っている。これらの分野の規制を緩和し企業が参入できるようにするだけでイノベーションが起こり、生産性が向上していくことだろう。 経済学には比較優位の原理があり、それぞれの国がそれぞれの状況に適した生産活動を行うことで、世界全体で効率的な生産が可能になる。それを自由貿易によりやりとりすることでwin-winの関係を築くことができるのである。日本のような国で農業や単純労働をやるよりも、教育・医療サービスや、高度な知識と専門性を要求される産業に特化した方が良いのである。 大体、このようなことを学んだ。思えば、ホリエモン事件などは、旧体制の既得権益を持った人たちが、新規参入を認めないという日本社会の構図そのものだったように思う。不要な規制や保護によって、日本社会は非効率で元気の無い社会になってしまったということだろう。
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一番心に残ったのは、「日本は年間3万人以上自殺する立派な自殺大国ですが、会社が社員をクビにできない日本にこんなに自殺者が多いのに、簡単にクビにできるアメリカで自殺者が少ないことをよく考えてみるべきでしょう。」 という箇所。パワハラ、モラハラなんかも、アメリカでも十分多そうなのに、...
一番心に残ったのは、「日本は年間3万人以上自殺する立派な自殺大国ですが、会社が社員をクビにできない日本にこんなに自殺者が多いのに、簡単にクビにできるアメリカで自殺者が少ないことをよく考えてみるべきでしょう。」 という箇所。パワハラ、モラハラなんかも、アメリカでも十分多そうなのに、日本ほど社会現象のように聞かないのは同じ要因のように思う。
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教科書チックな本ではない(例えば用語が太字になっているなど)が経済の入門書としてはかなりの良本であると思えた. 各種経済指標の間に成り立つロジックや原理などについて分かりやすく解説してある.たまに数式の変形等も出てくるが読み飛ばしても特に問題ないだろう.特にリーマンショックや日本...
教科書チックな本ではない(例えば用語が太字になっているなど)が経済の入門書としてはかなりの良本であると思えた. 各種経済指標の間に成り立つロジックや原理などについて分かりやすく解説してある.たまに数式の変形等も出てくるが読み飛ばしても特に問題ないだろう.特にリーマンショックや日本が長年陥っているデフレなどをはじめ具体的な過去の事例に触れつつ,発端となった経済政策や影響の波及について解説している部分は分かりやすく読んでいておもしろい.また最後の章では日本が行うべき経済政策について筆者の意見を述べている. これ一冊読むだけで新聞やニュースの内容がチンプンカンプンという人もとっかかりがつかめそう.
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経済のグローバリゼーションとはどうゆうこと?に対して回答をくれる本です。 また、マクロ経済の仕組みを理解することもできます。
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これは良書。有名な人だけあってすごくおもしろかった。はじめは退屈だったが中盤以降、特に自らの改善案を出している最終章がおもしろかった。メッセージは一貫していて、資本主義にゆだねることこそトータルでハッピーということ。途中の数式は面倒ならある程度とばして良し。小暮さんの一番わかりや...
これは良書。有名な人だけあってすごくおもしろかった。はじめは退屈だったが中盤以降、特に自らの改善案を出している最終章がおもしろかった。メッセージは一貫していて、資本主義にゆだねることこそトータルでハッピーということ。途中の数式は面倒ならある程度とばして良し。小暮さんの一番わかりやすい経済書読んでからなら経済的な用語はなおさら理解しやすい。、が読まなくても大体はわかる。
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「外資系金融の終わり」に続いてすぐに読んだ。グローバリゼーションというものを正しく理解できた気がする。 「外資系金融の終わり」同様に、非常にわかりやすく理解できるので誰にでもオススメできる良書と思った。 誰が本当に正しいことを言っているのかわかりにくい世の中だけど、藤沢さんは正...
「外資系金融の終わり」に続いてすぐに読んだ。グローバリゼーションというものを正しく理解できた気がする。 「外資系金融の終わり」同様に、非常にわかりやすく理解できるので誰にでもオススメできる良書と思った。 誰が本当に正しいことを言っているのかわかりにくい世の中だけど、藤沢さんは正しいことを言っていると信じられる気がしました。メルマガやブログもみてみようかな。
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堀江貴文『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』に載っていて読みたいと思った本。
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批判は多いけど個人的には◎。真新しさはないものの、やはり比較的平易な表現で噛み砕いて説明されている点が良い。為替理論のもよかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
既得権益兼に縛られ、国民生活を第一に考えることができていない気がしています。TPPの問題も、一票の格差の問題、衆議院の議員定数についても。自由な競争のもとで、質は向上し価格は安くなってきたのが現実です。日本の農業を守るのではなく、発展させる!というアイディアが欲しいですよね。 これは教育に関してもそういえるのでしょう。能力に応じてステップアップできる、公平な教育が求められるのです。政府がすべきことは、資産に関係なく教育機会を平等に与えることだと思います。最低限のセーフティーネットを整えればよいのです。
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