終りなき夜に生れつく の商品レビュー
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真相まで読んで、クリスティの有名作をいくつか思い出した。晩年の作品ということで納得。集大成といえる作品なんだろう。 何度も救いの手は差し出されていたはずなのに、見て見ぬふりをしてしまった主人公は愚かだ。 「まるで愛してるかのような」というエリーの言葉、エリーはマイクが自分を愛していなかったことに気づいていたんだろうか。
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さまざまな人間関係を先に明らかにし、事件に至るまでの過程を一緒に追えるのは、やっぱり格別。 あらゆるミステリーで被害者はだいたい過去の人間。でもそうじゃない。ついさっきまで生きていたのに。
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ポアロでもマープルでもないノンシリーズ。なかなか事件というものは起きず日々の描写、人々の心の描写がされていく。ただ事件が起きてからの怒涛の展開は圧巻。誰かが死んだとき、一番利益を得るのは誰かというのはミステリーを読む上で基本的な視点だと思うが、何故そこまでに至ったのか「動機」今回は特に犯人の生き方感じ方考え方が鍵。欲望に支配されて道をどんどん踏み外していく独白が見事。
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途中まで事件が起こらず長く感じてしまったが、最後に怒涛の展開でひっくり返された。真実がわかってから考えると、それまでのエピソードが違った意味をもって見えてきて、読み返すのがおもしろかった。 「終りなき夜」と「甘やかな喜び」が対比的であり象徴的。「甘やかな喜び」である、やさしく美しいエリーの喪失がより一層「終りなき夜」を深めていく。 主人公の周りには母やサントニックスなど警句を発し引き止めようとする人たちがいた。 母が主人公に、安定した仕事と生活をするよう、あんなにうるさく言っていた理由がわかった。母が言っていたのはこのことだったのだ。 すべてを得た後は、皆が去った。 読後はやるせなさと哀しみがじんわり残った。
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面白かった。 なかなか事件が起きず、これってミステリじゃなくてブロマンスなのか?と思ったが、最後にひっくり返された。 ぞっとした犯人の正体。 人の悪意と好奇心の恐ろしさを感じ、自分は終わりなき夜に生まれつかなくて良かったと安堵した。 前半の冗長さは感じるが、読み終わった後哲学的な考えに耽ることができる作品だった。
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【ノンシリーズ】 攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。 これはもう読むしかない。 ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」 ◆あらすじ 呪われた「ジプシーが丘」。 貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。...
【ノンシリーズ】 攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。 これはもう読むしかない。 ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」 ◆あらすじ 呪われた「ジプシーが丘」。 貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。 なかなか事件が起きないので、何のジャンルなのかさえわからないまま進む。 もしかしてこれは『春にして君を離れ』みたいな感じかな?と思ったら急展開。 そこからはすごいミステリーだった。面白い! まさに「クリスティの総決算」だった。 読んだ後にもう一度最初の方から確かめたくなる。今までで1番怖かった。
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クリスティにハマってしまったので2冊目。こちらもとても読みやすく、所々あるヒントを感じなら読み進めるのが楽しかったです。ラストは今回も人間の業のような、深みを感じるので良いなと思います。
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恐れ入った。最後までジャンル未分類のまま作品が進む。何を読んでいるのかよくわからない。ただし先が気になる、面白い。 私のごくごく個人的な心情として「推理小説・ミステリー・サスペンスは読まない」というのがある。何故ならそういった類のものは「物語が始まる前から人が死ぬことが知らされ...
恐れ入った。最後までジャンル未分類のまま作品が進む。何を読んでいるのかよくわからない。ただし先が気になる、面白い。 私のごくごく個人的な心情として「推理小説・ミステリー・サスペンスは読まない」というのがある。何故ならそういった類のものは「物語が始まる前から人が死ぬことが知らされてるようなもん」だから。展開上人が死ぬのは良い(よくない)としても、死が織り込み済みだと面白くないと思ってしまうから。だから、今回は前情報なしにクリスティの二冊目に手を出した。『春にして君を離れ』の感覚で。 感情が揺さぶられるということは無かったが、冷静な感動があった。初めての感覚。
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退屈を恐れ、仕事を転々としながら風来坊のように生きるマイケル。ある日、田舎町で「ジプシーが丘」なる場所の話を聞く。土地のものたちは「呪われた場所」だと忌み嫌うその場所がマイケルの心を掴んで離さない。いつしかマイケルはその場所に理想の家を建て、理想の人と暮らしたいと思うようになる。そしてそこで、エリーという女性と運命的な出会いをする。 探り合いながら距離を縮めていく二人。二人はついに結婚し、「ジプシーが丘」での暮らしを夢想する。身分違いの二人の恋をよく思わない人々をやり過ごしながら絆を深めていく二人だが、語り手であるマイケルの口ぶりから悲劇的な結末を迎えることが示唆されているので、どことなく物悲しい空気が最初から漂い続けている。 エリーの死の背後にはいったい何があるのか。 この二人の哀しい愛の物語は最後に逆転する。「ぼく」の一人称視点で語られるからこその狂気。マイケルの心情を知った上で読み直したくなる。 クリスティ本人がマイベストに推していることもあり、終始引き込まれる文章。
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