終りなき夜に生れつく の商品レビュー
クリスティーの著作を読むのはこれで30作品目だが、物語としての出来栄えに関してはこれまでで一番と言える。 事件はなかなか起こらないし、真相はクリスティー作品にありがちなもので、身構えて読んだ読者には予想しやすい真相と言えるだろう(私もこの真相通りに予想していたわけではないが、その...
クリスティーの著作を読むのはこれで30作品目だが、物語としての出来栄えに関してはこれまでで一番と言える。 事件はなかなか起こらないし、真相はクリスティー作品にありがちなもので、身構えて読んだ読者には予想しやすい真相と言えるだろう(私もこの真相通りに予想していたわけではないが、そのうちの一部の真相に関してはずっと疑いを持っていた)。 しかしながら、作品全体が醸し出す雰囲気や、人物配置の妙が素晴らしく、結末にも独特の味わいが残る。 人物では、マイケルの母親、建築家といった脇役の存在が光っている。 エリーの歌う「幸せとよろこびに生れつく人あり 終わりなき夜に生れつく人あり」という歌詞がもの悲しい。 結局、主人公は「終わりなき夜に生れつく人」であったということだ。
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初めてのクリスティー作品。 これが代表作なのかは知らぬ。 謎解きはメインに非ず。 憧れの(逆)玉の輿結婚。 なるほど、競売と不動産に出会いのチャンスがあるのか。 斬新な婚活。
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ポアロでもマープルでもないクリスティーのミステリー。主人公マイクの独白で物語が展開される。マイクが、「ジプシーが丘」の樅の木立にたたずむエリーと会ってからすべてが始まる。ロマンスと夢が広がってゆく。恋愛小説のようで展開が読めないが、最後は予想を越えた結末。クリスティーに登場する人...
ポアロでもマープルでもないクリスティーのミステリー。主人公マイクの独白で物語が展開される。マイクが、「ジプシーが丘」の樅の木立にたたずむエリーと会ってからすべてが始まる。ロマンスと夢が広がってゆく。恋愛小説のようで展開が読めないが、最後は予想を越えた結末。クリスティーに登場する人物はいつも魅力的。
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エリーとマイクが、立場の壁を乗り越えて、幸せそうな新婚生活を送っていたのに、2人を襲った悲劇ートリックというより、エリーの何気ないセリフも伏線になっていて、複雑な心理戦をうまく使われ、ミステリーを楽しむことができました(o^^o)
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アガサ・クリスティーの探偵が出てこないミステリー作品の一つである。 ミステリーというよりも、上質なロマンスといった雰囲気で、流麗な筆致で読み手を惹きこむ魅力ある作品。
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