これはペンです の商品レビュー
「SFが読みたい 2012年版」で国内1位になっていた本。 とりあえずSFか???てゆーかそれよりも表題の「これはペンです」は(「良い夜を待っている」というのと2編入ってます)・・・すげい難解でした。最初の5行読むのに3回ぐらい読み返しました。ストーリも文章も難解。なんとかの文...
「SFが読みたい 2012年版」で国内1位になっていた本。 とりあえずSFか???てゆーかそれよりも表題の「これはペンです」は(「良い夜を待っている」というのと2編入ってます)・・・すげい難解でした。最初の5行読むのに3回ぐらい読み返しました。ストーリも文章も難解。なんとかの文学賞の作品を読んだ時みたいな理解しづらさ。 もう1編の「良い夜を待っている」は、まだ分かりやすい。雰囲気、内容も嫌いじゃないです。 総じて感想・・・ステイタスとして本を読む人はともかく、娯楽を求めて本を読む人には私はお奨めしないかな~と思いました。
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ペン=文字を書く、という定義で進めるメタ検証文学。高度な証明方式過ぎて、文章と物語を楽しむには自分の役者不足を痛感。
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「SFが読みたい 2012年版」で国内1位になっていた本。 とりあえずSFか???てゆーかそれよりも表題の「これはペンです」は(「良い夜を待っている」というのと2編入ってます)・・・すげい難解でした。最初の5行読むのに3回ぐらい読み返しました。ストーリも文章も難解。なんとかの文...
「SFが読みたい 2012年版」で国内1位になっていた本。 とりあえずSFか???てゆーかそれよりも表題の「これはペンです」は(「良い夜を待っている」というのと2編入ってます)・・・すげい難解でした。最初の5行読むのに3回ぐらい読み返しました。ストーリも文章も難解。なんとかの文学賞の作品を読んだ時みたいな理解しづらさ。 もう1編の「良い夜を待っている」は、まだ分かりやすい。雰囲気、内容も嫌いじゃないです。 総じて感想・・・ステイタスとして本を読む人はともかく、娯楽を求めて本を読む人には私はお奨めしないかな〜と思いました。
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『これはペンです』は叔父から姪へ送られる手紙。 『良い夜を待っている』はその叔父と叔父の父の話。いわば裏表となる話。 円城塔の小説は理系の文法が満ち満ちていて、どうも私にはちんぷんかんぷんなところが多くて、「理解した」とはとても言えないが、それでも読んでいてなんだか楽しくてにやり...
『これはペンです』は叔父から姪へ送られる手紙。 『良い夜を待っている』はその叔父と叔父の父の話。いわば裏表となる話。 円城塔の小説は理系の文法が満ち満ちていて、どうも私にはちんぷんかんぷんなところが多くて、「理解した」とはとても言えないが、それでも読んでいてなんだか楽しくてにやりとしてしまう。 こういう訳がわからないのに、好き、っていうかんじで読み続けてもいいんじゃないか、と言い訳してみる。 『道化師の蝶』の方が断然読みやすい気はします。
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『存在の大いなる連鎖なるものがそこにあろうがなかろうが、あらゆるものは繋がっており同時に分断されているのであって、こんな滅茶苦茶なことを言いはじめるのは、わたしが問題を整理しきれておらず、重要な事柄に未だに気づいていないからであるのは言うまでもない』-『これはペンです』 言葉と...
『存在の大いなる連鎖なるものがそこにあろうがなかろうが、あらゆるものは繋がっており同時に分断されているのであって、こんな滅茶苦茶なことを言いはじめるのは、わたしが問題を整理しきれておらず、重要な事柄に未だに気づいていないからであるのは言うまでもない』-『これはペンです』 言葉というものが例えばレゴのブロック(もちろんそれはダイヤブロックでもいいのだが)のようなものだとイメージしてみると、「中国人の部屋」の思考実験や、シェークスピアをいつかは叩き出してしまうかも知れない猿の思考実験を直ちに思い浮かべてしまうように(そしてそのような人工知能をめぐる議論で先人が提唱した数々のモチーフは「これはペンです」の中に溢れているのだが)、ランダムさが生み出しかねない意味のありそうな文章というものを、うっかり自分も試行してみたい気分になる。 そんなことを小説の筋とは全く関係なく(というよりも作家はそんな風に読者がナイーヴに物語を辿ることを期待しているというよりは、むしろこの文章が読者の脳の中で連鎖反応のような発火を誘導してくれることを願っているような気もするが)漠然と考えていると、アラン・ソーカルの論文ねつ造事件(ソーカル事件、とググってみてください)への言及が放り込まれている。すると先ほどの文章がどこかで聞いたような気がしていたが、それは作家の忍び込ませたエクサープトなんじゃないか、という疑う気持ちがむくむくとわき上がり警戒警報のアラームが頭の中で鳴り響き始める。そんな風に身体が緊張して非常事態(つまり騙されていた((何に?))と突然気付くような事態に陥ること)に備えていると、あっさりと引用の元が明かされる。なんとスリリングな読書だろう。 しかし過去の文章を分解して新しく組み立て直す、ということ以上のことを果たして自分たちはしているのだろうか、という疑問は依然として残る。例えば 「私はお前の兄たちと、苜宿(うまごやし)の白い花の密生した原っぱで、ベエスボオルの練習をしていた。お前は、その小さな弟と一しょに、遠くの方で、私たちの練習を見ていた。その白い花を摘んでは、それで花環はなわをつくりながら。飛球があがる。」 という文章が「良い夜を持っている」の中で何のことわりもなしに挿入される。ああ、この文章は男声合唱に馴染みのある自分にたちまち草野心平の詩を思い起こさせる 少女たちはうまごやしの花を摘んでは 巧みな手さばきで花環をつくる それをなはにして縄跳びをする 花環が圓を描くとそのなかに富士がはひる その度に富士は近づき とほくに座る (作品第肆、より) そんな風に一方で記憶を辿りながら文章を追っていると、それは堀辰雄の「麦藁帽子」から採られた文章であるとの説明がある。へえ、どちらがどちらへ影響を与えたのだろうか、などとまたまた小説の筋とは全く関係のないことへ意識は漂っていく。そしてこの2つの文章の呼応が、根本的にはどこかしら、もっと身も蓋もない「カット&ペースト」という言葉が意味するものと繋がっているような気がし始めてしまう。しかしそれ以上でも以下でもない。全くの新しい文章を起こすことなどできる筈がない。もしそれを突き詰めてゆくとしたならばAPL言語のキーボードで文章をなそうとした主人公の父親のようになるしかない。 途方にくれる。しかし、それでも言葉はつるつると頭の中から身体から出て来てしまう。どこでどのように呼応しているのかもわからずに。どこかの記憶の部屋にしまわれていた言葉は吐き出される。 神、空に しろしめす、すべて世は 事もなし。 神はサイコロを振らない、とアインシュタインは言ったというが、神ならぬ我々の脳はサイコロを振り続けているだけなのかも知れない。それでも世の中は何事もなかったように動いていく。あの人の言ったその一言の意味を正しく理解していると信じて。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
正直よくわからなかった。 でもなんだかその分からない感じを含めて好きな感じではある。 ちょっとけむに巻かれているような、 吉田さんの難しいバージョンの時と似ている感覚。 一ページ読み進めるのに、すっごく時間がかかって、 前に行ったり、後ろに行ったり、どこまで読んでたのか分からなくなったり。 でもそーゆーのもキライじゃなくて、 ちょっと行き先のわからない散歩をしているような。 少々疲れはしますが、 ちょっとくせになる疲れ、かな。
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円塔さんの本は初めて読んだけれど、 …難しい。 なんとなく分かるような分からないような。 雰囲気は好き。
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円城塔の文章ってちょっと読んだだけで円城塔だとわかる、と言われています。いま言ったことを次の文ではひっくり返してみたり、堅苦しいようなとぼけたような、こねくり回したような、確かに癖がある。 私はリズムを重視したような、狂言回しのような、「独特の文章」があんまり得意ではないです。舞...
円城塔の文章ってちょっと読んだだけで円城塔だとわかる、と言われています。いま言ったことを次の文ではひっくり返してみたり、堅苦しいようなとぼけたような、こねくり回したような、確かに癖がある。 私はリズムを重視したような、狂言回しのような、「独特の文章」があんまり得意ではないです。舞城王太朗とか、中原昌也とか、町田康とか、ダメ。めちゃめちゃ読みにくい。古川日出夫とかはもう最悪で、3ページ読んだら頭痛がするって感じ。オエー。 だけどなぜか、円城塔の文章は読みやすいです。肌が合うというこのなのかな?変わった文章につきものの「やだ味」みたいのを感じないです。寝る前にちょっと読むのとかにすごいいいです。 表題作のほうではなくて、一緒に収録されている「良い夜を持っている」がお勧めです。実はハートウォーミングなんだな。
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思考実験のような小説。 一度でも見たものをすべて脳内に組み立てた地図に配置して記憶してしまう父親の話、「良い夜を待っている」の方が好き。
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理系な文章による文学、というところが面白い。論理の積み上げや科学、無機的な視点でこんなに人間を描けるのが新しくて面白い。 ロボットのような天才叔父と手紙でのみやり取りする姪の話と、超記憶力に翻弄される人生を送った父をもつ息子の話。
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