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円城塔【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2011/09/30
JAN 9784103311614

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商品レビュー

3.3

91件のお客様レビュー

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2022/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本を読む行為というのは、本当にただその文章を読んで読み終わることだけではない、と強く思う。 この本は長く読み進まなくて、面白いけど途切れ途切れにしか読めなかった。 さて、昨日(2022年5月26日)、私は「届かない手紙を書くこと」などをテーマにしたトークイベントと哲学カフェに参加した。 そこで語られたのは、書いても必ず言い足りないし、言いすぎること、誰かに宛てて手紙を書くと書きやすいが、その誰かは自分でもいいこと、書くことで形が見えて理解できてくること、書くことで後に残すことが出来ること、なんてことを話し合っていた。 さて、今日、私は、終盤に差しかかったこの本を読み始めた。 あれ…この話はもしかして、昨日の「書くこと」の話の別バージョン?書いても書いても辿り着けない、記述しきれない人間、という存在の話なの? 正しいかどうかは分からないし、そもそも小説に正解はないと思うのだけど、自分の中でそんな風にすごく腑に落ちてしまった。 昨日の今日で読まないと多分こんなふうには思っていない。今日というタイミングがなせる技というか。何かに導かれるように読むことがままあって、なぜ今日読んでみようと思ったのか、不思議でならない。 二編目 ・良い夜を持っている Have a good night これは、美しい風景を持つ思考実験である。 全てを記憶してしまう能力を持つゆえに、自分が無限に重なり何が自分か分からなくなっていく父。 では、自分を理解するためには、自分ではない外側を作るしかない、と自分に理解できない言語を自分の外側に築き続ける行為。 "夢の外に出るには、思考を外に出さねばならない。自閉した表の中では全てが広がり続けるだけだ。" "あらゆる思考が風景として進行してしまうならば、風景についての思考はその外に置くより他ない"と。 そうしてできた言葉の壁の作り方を再現するように、あるいはほどくように、その息子は言葉の自動生成を試みる。 と、ここまできて、これは先の物語の前段か、と分かる。そこから急に、先の物語もこの物語も焦点を結び始める。 言葉は、書けば書くほど真実をすり抜ける。 記憶は、重なれば重なるほど現実から離れていく。 ということか、と思うけれど、どうしても理詰めでは最終的に理解出来なくてイメージだけが次々と浮かび、なんとなくわかった気になってしまう。 自分がわからない父も 父がわからない息子(叔父)もどこか切なくて やりきれなくて、でも語られる風景や想いは美しい。 これは下手に頭で理解するものでもなさそうに思えて、ただ繰り返し繰り返し、言葉を読んでいた。随分長いこと。 確かにそこにあったのだ。父も、叔父も。 それが、赤いビー玉となって、姪の元からこぼれ落ちるのだ。

Posted by ブクログ

2019/11/21

2篇とも、自然科学の知識に立脚した思考実験のような形をしつつ、登場人物の情感がうまく描き出されてる。円城さんの作品はどれも始めは「なんだこれ?笑」という感じなのに、あるところから急に面白く感じてしまう。

Posted by ブクログ

2018/12/17

2本の中編が収められた一冊。 一本めは書くことに執着する叔父とのやり取りを姪が書く話。 二本めはその叔父の一人語り。 結末で示されるある形がそのまま本書の登場人物にもあてはまる。 衒学のような煌めきが心地よく、なんだかタルホを思いだす。

Posted by ブクログ

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