傍聞き の商品レビュー
4つの短編を通して貫かれているのは、人々の暖かな心。ひとつひとつの作品を読み終えた瞬間に、ああ何事もなくて良かったという安堵感とともに、ほっこりとした気持ちがのこります(やや例外もありますが)。 総じて私の好きなタイプの作品で、悪くはありません。悪くはないのですが、文庫本にかけ...
4つの短編を通して貫かれているのは、人々の暖かな心。ひとつひとつの作品を読み終えた瞬間に、ああ何事もなくて良かったという安堵感とともに、ほっこりとした気持ちがのこります(やや例外もありますが)。 総じて私の好きなタイプの作品で、悪くはありません。悪くはないのですが、文庫本にかけられた、この帯はどうにかならなかったものかなぁ、と思います。 あまりのあおり文句に、作品そのものが逆に安っぽくみえてしまうのです。 ・「おすすめ文庫王国」国内ミステリー部門ダントツの第1位。 ・この20年で最高の傑作! ・百万部売っても売り足りない! もうね、なんだかうんざりです。 売らなければいけないという出版社側の事情もわからないでもないですが、もう少し読者に対して誠実であって欲しいと、心から思います。本が好きなだけになおさら。
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この作者はお初。前評判がよいので、読んでみた。 短編ミステリ4編を収録。 「迷走」 タイトルと主人公が救急救命士という設定なので、てっきり社会派ミステリかと思い、更に、復讐譚のようなイヤ~な結末を予想したところ、見事に裏切られ安堵できる解決。 登場人物の造型もよく、いい...
この作者はお初。前評判がよいので、読んでみた。 短編ミステリ4編を収録。 「迷走」 タイトルと主人公が救急救命士という設定なので、てっきり社会派ミステリかと思い、更に、復讐譚のようなイヤ~な結末を予想したところ、見事に裏切られ安堵できる解決。 登場人物の造型もよく、いい話だ。 「傍聞き」 シングルマザーの刑事と反抗期の娘、元ストーカー犯。 スリリングな展開が意外な方向に、、、。 ミスリードのやり方がうまい。「そっちかよ!」とのけ反った なお、「傍聞き」という言葉は初めて目にした。 同じ登場人物が活躍する他の作品もあるということなので、読んでみたい。 「899」 899とは、要救助者を指す符牒。火災現場にいる筈の乳児をすぐに見つけられなかったのは何故か? 明らかな複線があったにも関わらず、やられた。 「迷い箱」 救急救命士、刑事、消防士ときて、最後は保護司が主人公。 どうやら、人を守る・助けるという職種にはこだわりがあるようだ。 今回の謎はすぐに判る筈。人情噺。 キャラは全く異なるが、大鹿マロイを連想した。
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本当に読みやすい短編集でした 専門的な職業が多かったけど、後書きで取材より想像で書いていると知り驚きました。 話も無駄のないきれいな設計で、はっとするような展開にミステリーの短編集の賞の受賞も納得です:-) 仕掛けられた謎は読みながらわかってしまいましたが、ワクワクしながら読み...
本当に読みやすい短編集でした 専門的な職業が多かったけど、後書きで取材より想像で書いていると知り驚きました。 話も無駄のないきれいな設計で、はっとするような展開にミステリーの短編集の賞の受賞も納得です:-) 仕掛けられた謎は読みながらわかってしまいましたが、ワクワクしながら読み続けてしまうような素敵な話でした。
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「かたえぎき」人づたえに聞いた話ほど信じてしまう。その人間心理を利用する子どもと大人。優しいかたえぎきにほっこり。短編なので物足りなさもある
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話は分かりやすいし、ちょっと感動もするのに、なんか好きになれない。なんでだろう・・・。文体全体から出ている、”感動しろ!”という雰囲気のためかな?
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日本推理作家業界賞 短編部門受賞作。 4つの短編ミステリー。 「迷い箱」が切ない。 出所直後の元受刑者と、更正保護施設を営む女性の話。 自分を犠牲にして他人を助ける職業。 報われないなーと思うこともあるけど。 些細な事で救われる。 そんな話。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コレはミステリーのカテゴリーなのか。やっぱり。 人情ドラマと解釈したいが。 ここに出てくる主人公、業務上の違反をする。意図的に。しかし個人的利益誘導が動機じゃない。この世知辛い世の中にこんな人がいるのか?実現性のない紙芝居の様な気もするが、たまには良いかも。 ミステリーを期待して読むとがっかりするだろうな。
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僕にとっては、あんまり馴染みのなかった「短編ミステリ」。大森さんの「解説」によると、やはり日本でのミステリは「長編」あるいは「連作」が主であって、「短編」は珍しいみたいだ。 そんな短編を読んでみたのだけれど、手軽にミステリの醍醐味である「どんでん返し」を味わえる一方で、やはり...
僕にとっては、あんまり馴染みのなかった「短編ミステリ」。大森さんの「解説」によると、やはり日本でのミステリは「長編」あるいは「連作」が主であって、「短編」は珍しいみたいだ。 そんな短編を読んでみたのだけれど、手軽にミステリの醍醐味である「どんでん返し」を味わえる一方で、やはり長編に比べてその意外性は低くなってしまうなーと感じた。本書に収録されている作品も「珠玉短編」と銘打たれるくらいのものなんだろうけど、いまひとつハマれなかったなあ。 とはいえ、それぞれの話はグイグイ引き込まれるものだったし、驚きと納得が得られるところは、本書もミステリであることを証明していた。「解説」を読んでわかったことだが、ここに収録されている作品群を「『なるほど』文学」と位置づけてもいいのかもしれない。 【目次】 迷走 傍聞き 899 迷い箱 解説 大森望
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日本推理作家協会賞。短編部門受賞作。短編の中にこれだけ仕掛けがありスピードもあって無駄がありませんでした。主人公が救急隊の救命仕、消防士など、一分一秒を争う中に、謎がある。救急車や火事現場で、あっと驚きとやりとり、前半の何気ないこ事が事件の鍵になって、飽きる事なく仕掛けを楽しめま...
日本推理作家協会賞。短編部門受賞作。短編の中にこれだけ仕掛けがありスピードもあって無駄がありませんでした。主人公が救急隊の救命仕、消防士など、一分一秒を争う中に、謎がある。救急車や火事現場で、あっと驚きとやりとり、前半の何気ないこ事が事件の鍵になって、飽きる事なく仕掛けを楽しめました。
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