傍聞き の商品レビュー

長岡弘樹【著】

2013/11/24

帯にある、「この二十年で最高の傑作！」とかその他諸々の煽り文句は大袈裟な気がする。確かに胸を打つ人間ドラマが繰り広げられるが、登場人物の職業は違えど、どの話も似通ったパターンだった。

2013/11/26

楽しみにしていた短編集

　救急車内を舞台にした緊迫のドラマ「迷走」。これなかなかイイなぁと感激。伏線にまんまと引っかかるんだが、とてもきれいな引っ掛けで後味が良い。隊長の強い意思が光る短編だ。

　既読の「傍聞き」はやはり名作だと思う。うまいなぁ、実にうまい作品だ。

　「８９９」は消防士。淡い恋心と悲しい現実と。複数の伏線がラストで一気に開花する。ひとつはすぐにわかるんだけど、もうひとつがわからなかった。この作者さんは、常にトリックを複数準備してくれるから、とにかく飽きない。

　最後の「迷い箱」はキレがイマイチに感じる。舞台に馴染みが無いから、逆に筋が読めたからかな？

　短編集第二弾だが、今回も良かったというか、よりパワーアップしてる感じ。

2013/11/13

短編ミステリーのひとつひとつが
とても心に残るもので
人間の暖かいやさしい部分を書いているような
でも、この世の中のどこかで起きていると
感じるリアリティもあるお話でした
この作家さんの他の作品も読んでみたいと思います

2013/10/28

どれもハラハラドキドキするわけではなく、地味で淡々としたお話。

不器用なのかポリシーなのか、あまり自分の気持ちや本心を表に出さない人たち。その行動の真意は何？と考えさせられました。わざと誤解されるような行動してるの？素直じゃないだけなの？

最後には「あぁそう思っていたの」と納得できるものの、私のような単細胞じゃ、その意図がわからず誤解しちゃうなぁ・・・。でも後からじんわり伝わってくる、その人の思いやり。そういう思いやりの仕方もあるのねぇ。自分とは、また違ったタイプの人たちのお話でした。

2013/10/26

有栖川有栖氏の選評「真相に至るキーワードを堂々と題名に掲げながら、読み手を欺く腕前に感服した」の通り、私も気持ちよく欺かれた。

2013/10/17

普通に面白い本。書評が凄かっただけにやや肩透かし感が…。期待が高すぎただけのことで、十分面白い作品でした。

2013/10/14

本屋で結構目立つ位置に置いてあって、国内のミステリー部門ダントツ1位！
とか目立つ感じで紹介されてて手にとって見てみたら著者の大学が母校だったから買った
内容は、短編で読みやすくて、登場人物のキャラがそのへんにいそうな感じでなじみやすいのになかなか予測不可能なトリックのミステリーなのが面白い。
掴みどころのなさと親しみやすさが融合された感じ？

どの話の主人公もちょっと特殊な、人を助ける系の仕事をしてる。
消防官、救急隊員etc..こういう人たちってどういうふうに仕事をしてて、何かんがえてんだろ、と思ってたことがあって、この本を読んでなんだか納得した、こんな感じなのかなーと思った。
最後にはほっこりさせてくれて、穏やかな気分になれて読後感がよかったので好きです。

2013/10/05

｢迷走｣、｢傍聞き｣、｢８９９｣、｢迷い箱｣、どれも何かの長編ドラマのサイドストーリーのような印象で、コンパクトながらもキャラの書き分けや面白みが詰まっていました。このクオリティで長編も読んでみたいです。

2013/09/22

第三者からの漏れ聞き効果に着目した短編小説。救う者と救われる者の人間模様が絶妙な距離感にて描かれる。”迷走”は特によし

2013/09/21

あらすじ・・・・・
患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。
娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。
女性の自宅を鎮火中に、消防士の取った行為が意想外な「８８９」。
元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。
まったく予想の付かない展開と人間ドラマが見事に融合した４編。
表題作で０８年日本推理作家協会賞短編部門受賞。

傍聞きって言葉を初めて知ったよ～
漏れ聞かせっていうか、直接ではなく、偶然聞こえてしまったとき
話の方が信用しやすいって事らしいんだけど、確かに～
そんな傍聞きを使ったミステリー
やっぱり傍聞きが一番面白かったけど、他のもガッツリミステリーって感じでは無く、人間の心理みたいなところがよく考えられてる話って感じ
ただやっぱり短編だから、軽い感じがするんだよね～いいんだけど
この人の長編が読んでみたいと思いました