ゼロ年代の想像力 の商品レビュー
宮台真司や大塚英志の思想を90年代末に更新した東浩紀からその先、ゼロ年代を批評する。かつてないほど「自由」でいられる時代に、物語/想像力はどんな意味があるのか。セカイ系ではなくサヴァイヴ系に、仮想現実ではなく拡張現実的に。若干表現の仕方が雑なところはあるけど、大筋としては納得でき...
宮台真司や大塚英志の思想を90年代末に更新した東浩紀からその先、ゼロ年代を批評する。かつてないほど「自由」でいられる時代に、物語/想像力はどんな意味があるのか。セカイ系ではなくサヴァイヴ系に、仮想現実ではなく拡張現実的に。若干表現の仕方が雑なところはあるけど、大筋としては納得できる。さて、十年代も半ばだが、この10年はどのようにとらえられるのだろうか。
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ぶっちゃけさっぱり分かんなかったとも言える 登場する作品が多すぎてこちら側の知識が追い付いてなかった ただそれまで存在した東浩紀の言説やセカイ系についてなどについてよく整理されていてよかった 何度も読むことによって理解を深めていきたい本
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⚪︎碇シンジでは夜神月を止められない。(中略)ゼロ年代の決断主義を克服する=夜神月を止めるにはどうしたらいいのかーそれが、(中略)九・一一以降の動員ゲーム=バトルロワイヤルのゼロ年代を生きる私たちの課題なのだ。(26p) ⚪︎社会的自己実現への信頼低下は「~する/~した」こと(...
⚪︎碇シンジでは夜神月を止められない。(中略)ゼロ年代の決断主義を克服する=夜神月を止めるにはどうしたらいいのかーそれが、(中略)九・一一以降の動員ゲーム=バトルロワイヤルのゼロ年代を生きる私たちの課題なのだ。(26p) ⚪︎社会的自己実現への信頼低下は「~する/~した」こと(行為)をアイデンティティに結びつけるのではなく、「~である/~でない」(設定)をアイデンティティとする考え方を支配的にし、問題に対しては「行為によって状況を変える」ことではなく「自分を納得させる理由を考える」ことで解決が図られる。(72p)
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ラジオ「オールナイトニッポンゼロ」で宇野常寛を知った。 「がんばっても,豊かになれない」ゼロ年代をどう考えればいいのか,マンガ,アニメ,映画やテレビドラマ,仮面ライダーなどを題材に解説する。 紹介する作品を知らない人にも分かるように比較的丁寧に解説されているのでわかりやすい。...
ラジオ「オールナイトニッポンゼロ」で宇野常寛を知った。 「がんばっても,豊かになれない」ゼロ年代をどう考えればいいのか,マンガ,アニメ,映画やテレビドラマ,仮面ライダーなどを題材に解説する。 紹介する作品を知らない人にも分かるように比較的丁寧に解説されているのでわかりやすい。そのせいで分厚いのかもしれない。 この本にかぎらず,注を入れる位置はどうにかならないものか。この本は各章末にあるが,全16章もある中で章が変わるたびに注のあるページを探すのはめんどう。個人的には,本文と同じ見開き内に注があったほうがいいと思うが,どうなんだろう。
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・社会の分析というのは非常にわかりやすくてよかった ・その中で今の時代が対立するしかないような時代とし、対立を容認しているのにわざわざなくそうといした。しかし、そうではなくてその対立を前提としたものを作り上げればいいのではないのかなと思った。
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非常に興味深い評論。やや筆者の筆が走りすぎている感がありますか。決断主義/安全に痛い/サヴァイブ系といった「言葉」にはある種の共感を覚えつつも、象徴として抽出していることになるすべての各作品について、読者体験/視聴者体験を持った人間がどれくらいいるだろうか。世相の鏡としては、一定...
非常に興味深い評論。やや筆者の筆が走りすぎている感がありますか。決断主義/安全に痛い/サヴァイブ系といった「言葉」にはある種の共感を覚えつつも、象徴として抽出していることになるすべての各作品について、読者体験/視聴者体験を持った人間がどれくらいいるだろうか。世相の鏡としては、一定程度の正確性を持ち得るだろうが、個別の読者像/視聴者像が重ならないように思えます。作品群が、もはや拡散してしまった現代にあって、同一のラインで論じることへの違和感はどうしても生じてしまうのかもしれないという印象を持ちました。
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おもしろかった!いろいろなことに輪郭が浮かび、名前が付いていくような快感。なんで「オタク」系ゲームは心地よく、同時に薄ら寒く感じるのか。メタ視点はなぜ採用されるのか。 あとおもしろいおもちゃ貰っちゃったなーって感じも強い。この本であまり言及されない初音ミクやフェイスブック、最近の...
おもしろかった!いろいろなことに輪郭が浮かび、名前が付いていくような快感。なんで「オタク」系ゲームは心地よく、同時に薄ら寒く感じるのか。メタ視点はなぜ採用されるのか。 あとおもしろいおもちゃ貰っちゃったなーって感じも強い。この本であまり言及されない初音ミクやフェイスブック、最近の半沢直樹の爆発的ヒット、あとはここではある程度所与とされてる「承認」てのはつまりなんなのか。考えたいことがたくさんできたなぁ。 個人的な話になるけど、大学時代に教わったあの先生とか、会社の先輩のあの人とか、この本に影響されてそうな人が何人か思い浮かぶのが面白い。たぶん僕も相当に影響をうけるんだろうな笑。
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95~08 までのサブカルの潮流を世間の風潮から読み解く一本筋のとおった論理展開がなされている。 95~00 までの引きこもり~セカイ系の展開 ⇒ 00~05 の決断主義(サバイブ系) の発展までの流れを分類したのは見事。取り上げる作品も多岐にわたっている。 あとは、ポスト決断主...
95~08 までのサブカルの潮流を世間の風潮から読み解く一本筋のとおった論理展開がなされている。 95~00 までの引きこもり~セカイ系の展開 ⇒ 00~05 の決断主義(サバイブ系) の発展までの流れを分類したのは見事。取り上げる作品も多岐にわたっている。 あとは、ポスト決断主義として、決断主義の弊害をどのように乗り越えるのかについて、啓蒙的に述べていたが、そのへんの内容はいまいち。 ここらは自分で考えていくことだろう。 引用として使っていた 東の動物化するポストモダンを読みたくなった。
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アニメ・ラノベ・マンガ…きみたちの世代の想像力を対象化した批評的論考!神奈川工科大生にイチオシの本です!
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気鋭の評論家、宇野常寛氏のデビュー評論です。文学、アニメ、ゲームからテレビドラマまでを縦横無尽に論じ、更には文庫化する際に4万1千字の原稿を語り下ろしたものが収録されております。膨大な情報量です。 本書は気鋭の評論家、宇野常寛氏のデビュー評論です。2008年の刊行以降より、3・...
気鋭の評論家、宇野常寛氏のデビュー評論です。文学、アニメ、ゲームからテレビドラマまでを縦横無尽に論じ、更には文庫化する際に4万1千字の原稿を語り下ろしたものが収録されております。膨大な情報量です。 本書は気鋭の評論家、宇野常寛氏のデビュー評論です。2008年の刊行以降より、3・11後までを4万1千字の長きにわたって語り下ろしている原稿を追加して文庫化されたものであります。実のところを言ってしまうと、本書で取り扱われている文学、アニメ、ゲーム、テレビドラマのうち、話の内容についていくことができたのはせいぜい2割がいいところで、ぼく個人に限って言うと、ゲームやテレビドラマをほぼ一切見ないしやりませんので、ついていくのがとても大変でありました。 また、文学についても村上春樹は『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』そして『1Q84』などのメジャー作品くらいでライトノベルはほぼ読まず、金原ひとみ、綿矢りさをはじめとして白岩玄などの作品はほぼいっさい見ていないことに改めて気づかされました。アニメについても『新世紀エヴァンゲリオン』(俗に言う『旧劇版』)以降にインスパイアされて作られた「セカイ系」と言うジャンルの作品群があるということをここで初めて知ったので、「ゼロ年代」という時代になって、かつて自分が好きでどっぷりと浸っていた世界から以下に遠く離れてしまったのかということをこれを読みながら痛感してしまいました。 宇野氏はよく自身がメインパーソナリティーを勤める『オールナイトニッポン0』にて 「サブカルチャーやポップカルチャーを批評することは日本社会全体について語っていることと同じことなんだ」 と幾度と無く標榜しており、そういう視点でこれらのサブカルチャーに接していたことが今までほとんど無かったので、宇野氏が愛してやまない仮面ライダー、とくに「クウガ」以降の「平成ライダー」に関する記述を呼んでいると、作品世界と我々の棲んでいるこの社会が以下に地続きであるかということが本当に良くわかり、 「なるほどなぁ」 と思いながらページをめくっておりました。 宇野氏が本書の中で幾度と泣く指摘しているターニングポイントとしてみなしている年は1995年であり、僕がこの年を振り返ってみても、オウム真理教の『地下鉄サリン事件』あり、後に社会的な現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』がTV放送されていたりと、今思っても本当に現在にとてつもない影響を及ぼしていた1年であったなと考えてしまいました。 そういった世界の中で碇シンジ君に代表される「引きこもって」しまうタイプと夜神月のように決断主義を用いてバトルロワイヤル式に戦っていくというパラダイムの変化についてのロン表も身につまされるものがあり、そういった事例として沢山のアニメやゲーム作品が挙げられていくのですが、残念ながら僕はそういうものに全くといっていいほど触れておらず、 「あぁ、そういうものなんですか」 というだけの感覚しかもてなかったというところが返す返すも残念でなりません。 自分がこれを読んでいて痛感したことは、多感な時期にほぼ『リアルタイム』で流通していたサブカルチャーやポップカルチャーを完全にスルーしてきたなということで、全くの『一般人』からすれば僕だって十分に「そちら側の」人間であるはずなのに…。宇野氏及び本書との『差異』は一体何なのだろう…。そんな疑問が最後までぬぐうことができずに本書との『距離感』というものが的確につかめなかったナとは正直感じております。 「語り下ろし」で宇野氏が 「『ゼロ年代の想像力』の最大の欠点はAKB48を扱っていないことです」 とおっしゃっており、それが現在にまで至る怒涛のAKB論と、自らのラジオのコーナーで『世界の真実』とまで言い切る「推しメン」横山由依ちゃんへの「推し」へと繋がっていっているのでしょう。サブカルチャー。ポップカルチャーを時代の流れとリンクさせて縦横無尽に語っているので宇野氏の話について聞ける方は純度1000%の『あちら側の人間』であることは僕が保証しますが、ただ消費されるこれらの『コンテンツ』は社会を写す『鏡』であるということを改めて教えてくれたという意味で、本書との出会いは良いものであったということを結びの言葉に換えさせていただきます。
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