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ゼロ年代の想像力 の商品レビュー

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69件のお客様レビュー

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2023/07/21

どこかのブックガイドから。ハヤカワ文庫から、ってのがちょっと意外な気もしたけど、JAのラインだとこういうのもアリなんかな?2000年をまたいでの前後10-15年くらいにおける、主にエンタメ界隈からのぞいた世相論。取っつきにくい印象だけど、小難しい部分を半ば読み飛ばすくらいの感じで...

どこかのブックガイドから。ハヤカワ文庫から、ってのがちょっと意外な気もしたけど、JAのラインだとこういうのもアリなんかな?2000年をまたいでの前後10-15年くらいにおける、主にエンタメ界隈からのぞいた世相論。取っつきにくい印象だけど、小難しい部分を半ば読み飛ばすくらいの感じで読むと、それなりに楽しく読み通せる。でも、文中で大きく取り上げられている作品のうち、おそらく半分以上に触れてきていないこともあり、理解は不十分。かといって、それら作品に触れた上でもう一度本書を、とまでは思わんかな。

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2023/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ゼロ年代に入り、その想像力はセカイ系からバトルロワイヤル系へ。引きこもってたら生き残れない。だがもう10年代。さぁどうする。東浩紀を批判。噂によると、東と喧嘩して書いたとか。

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2022/09/23

2022年に読むと当然ながら、本書の分析は過去の一時点を切り取った評論となる。 しかしながら、2000年から東日本大震災の時期を青春として過ごしてきた人(私)にとっては自分を形作ってきた時代性が分かりやすく批評されており、自分自身の思想の根っこにあるものを見つめ直すことができた。...

2022年に読むと当然ながら、本書の分析は過去の一時点を切り取った評論となる。 しかしながら、2000年から東日本大震災の時期を青春として過ごしてきた人(私)にとっては自分を形作ってきた時代性が分かりやすく批評されており、自分自身の思想の根っこにあるものを見つめ直すことができた。 良書であると思う。

Posted byブクログ

2022/01/20

ジャンプ作品や仮面ライダー、モーレツ大人帝国の逆襲に野ブタをプロデュースなどゼロ年代の作品とか空気が結構好きなので読んでて楽しかったし、こういう作品たちの社会状況の鏡としての見方はできたことなくて勉強になった

Posted byブクログ

2021/08/02

「大きな物語」が失われたゼロ年代を生きる者へ。 著者の言っていることはわかるようなわからないような。ゼロ年代が終わり、エヴァは完結し、ソシャゲの存在感が大きくなっている。今、著者は何を考えているのだろう。

Posted byブクログ

2021/04/03

大きく分けて、 70年代 「大きな物語」に支えられた時代 80年代 「大きな物語」の喪失後も好景気でそれが見えなかった時代 90年代 「物はあるが物語がない」価値観の宙ずりの時代 00年代 究極的には無根拠なのだから決断主義的に「信じたいものを信じる」時代 00年代後半 決断主...

大きく分けて、 70年代 「大きな物語」に支えられた時代 80年代 「大きな物語」の喪失後も好景気でそれが見えなかった時代 90年代 「物はあるが物語がない」価値観の宙ずりの時代 00年代 究極的には無根拠なのだから決断主義的に「信じたいものを信じる」時代 00年代後半 決断主義が孕む暴力性の克服を模索 という流れになっている。 主に90年代の引きこもりから00年代の決断主義(引きこもっていたら殺される)への変化を当時のアニメを通じて浮かび上がらせている。 自分はおたく、もしくは引きこもりの体質のある人にとっては、それを社会に還元できるのではないかという希望を持たされるだろう。それと同時に、結局は何を信じるかは究極的には無根拠であると放り出され、「open the door」して他者とコミュニケーションをとろう!と突き落とされる。もっともそれができれば苦労はないが。 シンエヴァを見て最後には「大人になれ」と放り出される感じと似ている笑

Posted byブクログ

2020/08/10

定まっている社会から定まらない社会へ その不安に対する問いから「セカイにひきこもる」というフェイズを経て、社会が定まらないなら勝手に自分で定めなければならないという決断主義へ 「世界」の全容を捕捉できない、ただ離脱不可能なほど広く続いていて、自分が他者において入れ替え可能である...

定まっている社会から定まらない社会へ その不安に対する問いから「セカイにひきこもる」というフェイズを経て、社会が定まらないなら勝手に自分で定めなければならないという決断主義へ 「世界」の全容を捕捉できない、ただ離脱不可能なほど広く続いていて、自分が他者において入れ替え可能であるという認識だけが深くのしかかる。 その社会からいかにして距離をとるか。 そのこと自体がゼロ年代の「文学」だったのではないか。 「野ブタ。」論とクドカン論はめちゃくちゃ良かった。

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2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

…本来、日常という「死」へ向かう最大にして最後の物語に対峙することを求めながらも、それを恐れている人間こそが、それが手に入らないことに傷ついては「自分は非日常的なロマンティシズムがないと満たされない特別な人間だ」と(根拠もなく)思い込むことで、プライドを保とうとする。だが、彼らに必要なのは決して「非日常的なロマンティシズム」でもなければ、「超越」でもない。肥大した自己評価を捨て、素直に自分の欲望と向き合う謙虚さでしかないのだ。そしてそれは、決して不幸なことではなく、むしろ私たちに与えられた最大の可能性のひとつなのだ。

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2019/12/17

ザクザクとした語り口で攻撃的なスタイルも見られるが、それも本書の魅力となっている。 野ブタや涼宮ハルヒなど現在の若者にとって実感を伴った理解がしやすい題材を用いており、批評にあまり親しみがない若者にとっても良い批評体験となるだろう。 良い意味でも悪い意味でも小説のようだった...

ザクザクとした語り口で攻撃的なスタイルも見られるが、それも本書の魅力となっている。 野ブタや涼宮ハルヒなど現在の若者にとって実感を伴った理解がしやすい題材を用いており、批評にあまり親しみがない若者にとっても良い批評体験となるだろう。 良い意味でも悪い意味でも小説のようだった。

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2019/01/14

【総当たりからの切り結び】「大きな物語」の終焉からの「セカイ系」を経て、バトル・ロワイヤル型の社会の向こうに位置する想像力を模索することを試みた批評作品。多彩なメディア作品を読み解きながら、2000年代とその次の時代はいかなるものかを検討していきます。著者は、『PLANETS』の...

【総当たりからの切り結び】「大きな物語」の終焉からの「セカイ系」を経て、バトル・ロワイヤル型の社会の向こうに位置する想像力を模索することを試みた批評作品。多彩なメディア作品を読み解きながら、2000年代とその次の時代はいかなるものかを検討していきます。著者は、『PLANETS』の編集長を務める宇野常寛。 本当に久しぶりに批評と呼ばれるジャンルの作品を手にしたのですが、非常に刺激的な読書体験となりました。本書に寄せられる批判をも含む形で、頭を一度ぐにゃぐにゃにして物事を捉え直すことができる一冊だと思います。 〜ゼロ年代も終わりに近づいた現在、「成熟」とはコミュニケーション、他者と手を取り合う能力であるとする想像力が生まれている。自分とは異なる物語を生き、異なる超越性を信じる他者と関係を結ぶことこそが、現代における「変身」であり、「成熟」なのだ。〜 『リトル・ピープルの時代』も読んでみようかな☆5つ

Posted byブクログ