緑の毒 の商品レビュー
とある婦女暴行犯の生活を描いたサスペンス。この犯人、まあむかつくむかつく。犯行に走る動機がまた許せないなあ。そりゃあどんな理由でも許せないけど。なんなんだその考え方は。ああいらいらする。 私も医療関係者として。患者さんにああいう態度はいかんよなあ、と思うことしきり。あれは評判落と...
とある婦女暴行犯の生活を描いたサスペンス。この犯人、まあむかつくむかつく。犯行に走る動機がまた許せないなあ。そりゃあどんな理由でも許せないけど。なんなんだその考え方は。ああいらいらする。 私も医療関係者として。患者さんにああいう態度はいかんよなあ、と思うことしきり。あれは評判落として当たり前ですよ! 一方で、結束し対抗しようとする事件の被害者たち。徐々に、しかし確実に狭められる犯人への包囲網。ま、破滅するだろうってのは最初から分かっていますので。犯人が焦ってだんだん化けの皮が剥がれていくところや、そしてラストには「ざまあみろ」と溜飲が下がります。
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桐野ワールドです、脇役の登場人物まで、すべて存在感があり、しかも一癖あります。それにしても、川辺の酷さは際立ってます。後味の悪さが最後のドタバタで和らいでますが、その後の展開を考えるのが怖い。
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もっとエグイ内容を想像していたんだけどそうでもなく、 おバカな人たちだなと、面白く読めました。 これから女たちの復讐が始まるのかと思いきや… だったのが物足りなかったかな。
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面白かった。地の文が良い。一人ひとりの人生や感情をここまでしっかり描写できるとは。作者が気に入ったので、他の作品も詠んでみたい。 ただ、ラストでは、もっと罰を受けるべき人間がいただろうとは個人的に思った。それだけ登場人物の欠点(もちろん長所も)をリアルにかきだせていたということだとも思うけれど。
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桐野流の毒が徐々に回ってくる怪作!嫉妬、劣等感、背徳、露悪‥負の感情とそれが生まれるシチュエーションづくりはさすが。 どの人物にもまったく感情移入は出来ないし、後味は最悪。 でも、黒い部分をこれでもかと描く筆力、胆力には脱帽です!
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『緑の毒』とは、シェイクスピアから取られたコトバらしい。 嫉妬のことだそうで、だからこれが嫉妬の話かというと、それはちょっとどうかな。 帯にあるように、確かに主人公の『妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。連続レイプ犯』は、妻にジェラシーを抱いているかも...
『緑の毒』とは、シェイクスピアから取られたコトバらしい。 嫉妬のことだそうで、だからこれが嫉妬の話かというと、それはちょっとどうかな。 帯にあるように、確かに主人公の『妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。連続レイプ犯』は、妻にジェラシーを抱いているかもしれない。 でも彼がスタンガン・鎮静剤レイプを行うのは嫉妬からだけではない。 彼はそうしなくては興奮できないし、その生き方しかできないのだ。 人間の心の奥の闇のさらに深部を掘り下げながら、 わざと形骸化した表現を使って、 表面上はエンターテインメント小説の形態をしてるけど・・・ 流石です、桐野夏生先生。 そしてオレの中にもこの男は蠢いているのだ。
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+++ 妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。連続レイプ犯。。水曜の夜ごと、川辺は暗い衝動に突き動かされる。救命救急医と浮気する妻に対する、嫉妬。邪悪な心が、無関心に付け込む時――。 +++ まともじゃない。登場人物のだれもがやり場のない不満や不安を抱...
+++ 妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。連続レイプ犯。。水曜の夜ごと、川辺は暗い衝動に突き動かされる。救命救急医と浮気する妻に対する、嫉妬。邪悪な心が、無関心に付け込む時――。 +++ まともじゃない。登場人物のだれもがやり場のない不満や不安を抱えながら日々を送っている。普通はなんとか宥めすかして帳尻を合わせながら暮らすのだろうが、それができなかったのが、主人公の開業医・川辺である。勤務医の妻・カオルの浮気に嫉妬し、鬱憤を晴らすように昏睡レイプに及ぶのだから、これはもう病んでいるとしか言えない。川辺の人格には一片も共感できるところがないし、妻・カオルにしても同じようなものである。毒にまみれたような夫婦で、同情の余地もない。最後の一章のドタバタはコメディのようでもあるが、あまりにも情けなく哀しい結末である。題材の重さに比べてさらさらと読める一冊である。
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これは面白い。 題材はレイプを扱っていて決して許せない物だけど 話の進み方というか人物描写、繋がりがさすがと唸らせる。 しかしこの医者、なんともまぁ最後の最後まで 何を考えているんだか…と心からあきれる。 女は弱いばかりではない。 男性が読む場合はそれを心して読んで欲しい。
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ダークな桐野小説の素材が満載。 まず第一に主人公がレイプ犯。その理由は自分のストレスのはけ口・・。 これだけでも読むのに嫌悪感を覚える人がたくさんいるはずだろう。 でも怖いもの見たさで読んでしまう・・これが不思議な魅力?なのかな。 桐野小説ダークバージョン・・・「OUT」「残虐記」「東京島」「I’m sorry,mama.」みんなそんな感じだ。 主人公の川辺意外にも、「なんだこいつは?」と思わせる登場人物が多い。 「人間て、みんな本当はいいヤツばかり!」なんて性善説はどこにもない。 「人間は、みんな心に闇を持ち、自分だけが可愛く、人を傷つけ喜ぶ生き物」 そんなことを肯定しているようなストーリー。 最後が「あれ?終わりなの・・?」と思うような感じ。 でも、とことんドロドロになり、最低最悪の展開になるよりは勧善懲悪でよかったのかな・・。
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連続レイプ犯の医師と被害者の女性達のお話。 酷い奴だとはわかっているのだけれど、女性達がたくまし過ぎて、どっちが弱者なのかわからなくなってくる。 毒は薄めかな。
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