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火刑法廷 の商品レビュー

3.8

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2014/03/06

週刊文春 臨時増刊号「東西ミステリーベスト100」の海外編の10位に選ばれていたので、手に取った。 火刑法廷(1937年発表・原題:The Burning Court )の著者は、アガサ・クリスティー、エラリー・クィーンとともに英米黄金期本格ミステリーの三大巨匠とみなされている...

週刊文春 臨時増刊号「東西ミステリーベスト100」の海外編の10位に選ばれていたので、手に取った。 火刑法廷(1937年発表・原題:The Burning Court )の著者は、アガサ・クリスティー、エラリー・クィーンとともに英米黄金期本格ミステリーの三大巨匠とみなされているジョン・ディクスン・カー。特徴である怪奇趣味、不可能犯罪という要素が、ふんだんに盛り込まれていて読み応えがあった。 先に読んだ「樽」と17年しか違わないのに、読みやすさは格段に異なる。もちろん新訳版だからというのもあるのだろうが、構成や展開のスピード感が全く違う。自分は前者よりこちらのほうが好ましいと思った。 非常に面白かった。全く古びていない。 ただし、この作品を名作たらしめている最後の叙述については、予測がついたし、驚愕するほどの内容でもないように感じた。時代を感じたというのが正直なところである。とはいえ、きっと後続の作家や物語をつむぐ人達が模倣に模倣を重ねて、陳腐化してしまったのだろうとも思う。 尚、ブランヴィリエ侯爵夫人は実在したそう。 その淫蕩ぶりと残忍さ強欲さは、マリーと重なりにくい印象をもった。最後まで読んでもなお。 2014.2.21読了

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2013/10/01

「火刑法廷」ディクスン・カー◆デスパート家の当主が急死した夜、彼の部屋では一人の女性が目撃されており、彼女は壁を通り抜けて消えたという。毒殺を疑うマークは遺体の発掘を試みるが、遺体が入っているはずの棺は空だった。ミステリアスな事件に「不死者」伝説も絡んで、良い具合に不気味です。

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2015/12/25

「部屋の壁の中に消えた婦人の謎」では、トリック自体は大したことはないものの、犯人によるミスリードが巧妙でした。 「密室から忽然と消えた死体の謎」も、一連の怪奇現象を用いて不自然さを消すことに成功しています。何れもトリックというより、「ないように隠す手法」が非常に上手いなと思いまし...

「部屋の壁の中に消えた婦人の謎」では、トリック自体は大したことはないものの、犯人によるミスリードが巧妙でした。 「密室から忽然と消えた死体の謎」も、一連の怪奇現象を用いて不自然さを消すことに成功しています。何れもトリックというより、「ないように隠す手法」が非常に上手いなと思いました。 最後のオチは好みではありませんが、不思議な余韻を残すことに成功しているので良く出来ていると思います。

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2013/07/21

推理小説の巨匠、ディクスン・カーの代表作の1つ。 4章まではいわゆる本格推理小説で、一見複雑な謎が探偵の手によって単純化されていくのが快感。 しかし、5章のエピローグに入ると話しが変わってくる。 ネタバレはしたくないので詳しくは書かないのだが、このエピローグが名作にしている所以...

推理小説の巨匠、ディクスン・カーの代表作の1つ。 4章まではいわゆる本格推理小説で、一見複雑な謎が探偵の手によって単純化されていくのが快感。 しかし、5章のエピローグに入ると話しが変わってくる。 ネタバレはしたくないので詳しくは書かないのだが、このエピローグが名作にしている所以だろう。 全てがひっくり返る感覚。 新訳で翻訳もの特有の読みにくさはあまりないのでこの暑い時期は特にオススメ。

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2013/06/03

うーん、オカルトとミステリーの融合なら、もう少しおどろおどろしい雰囲気に酔いしれたかった。翻訳のせいかも?

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2018/08/13

 探偵小説の巨匠、ディクスン・カーの作品。    デスパード家当主マイルズ・デスパードが死亡した。かかりつけ医は自然死と判断したが、マークはマイルズの部屋の現状から、砒素による毒殺を疑う。果たして、確かにマイルズは砒素により殺されていたのである。  ヘンダーソン夫人がマイルズの部...

 探偵小説の巨匠、ディクスン・カーの作品。    デスパード家当主マイルズ・デスパードが死亡した。かかりつけ医は自然死と判断したが、マークはマイルズの部屋の現状から、砒素による毒殺を疑う。果たして、確かにマイルズは砒素により殺されていたのである。  ヘンダーソン夫人がマイルズの部屋を隙見したときに見た、無いはずのドアを抜ける不思議な女性と思しき人影、霊廟に埋葬されたはずのマイルズの遺体が消失するという事件、そして、エドワード・スティーヴンズの妻マリーと19世紀初頭の毒殺魔マリー・ドブレーとの関係。オカルティックな雰囲気に包まれた事件は、意外な様相を呈し始める。

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2012/09/30

新訳と言うことで大いに期待!  確かに斬新な訳だ。改行の位置とかが臨場感があり、すばらしいと思う。まだまだ日本語は改良の余地があるんだなぁと感じた次第。  で、肝心の作品は、とにかく事件のあらましを解説する部分が長い。本格ミステリーはすべてを読者に提供しないといけないらしいか...

新訳と言うことで大いに期待!  確かに斬新な訳だ。改行の位置とかが臨場感があり、すばらしいと思う。まだまだ日本語は改良の余地があるんだなぁと感じた次第。  で、肝心の作品は、とにかく事件のあらましを解説する部分が長い。本格ミステリーはすべてを読者に提供しないといけないらしいから特にそうなるんだろう。その辺でギブアップ寸前。  加えて、殺人者が部屋から消えたとか、死体が消えた程度なら許せるんだけれど、オカルト的な設定があるのが個人的には好きではない。不老不死の魔女とか・・・。  名作だと言われている作品なんだが、ミステリーとオカルトの融合という意味ではそうなんだろうけれど、ミステリーとしてみるならイマイチかなぁ。

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2012/09/18

確かに面白い。不朽の名作とはまさにこんな作品を指すのだろう。 でもね、あのエピローグ読んですっきりする解を導き出せる人がいったいどれほどいるのだろうか。現実的解釈をしようにも、矛盾点多すぎて挫折。んじゃーオカルトでいってみようとパラパラ再読してみたが、壁すり抜けはそのままとして...

確かに面白い。不朽の名作とはまさにこんな作品を指すのだろう。 でもね、あのエピローグ読んですっきりする解を導き出せる人がいったいどれほどいるのだろうか。現実的解釈をしようにも、矛盾点多すぎて挫折。んじゃーオカルトでいってみようとパラパラ再読してみたが、壁すり抜けはそのままとしても、死体消失は誰がどうやったんだろう?霊廟への壁もすり抜けたんならもうお手上げ(笑) まぁ、この最高に気味悪いラストへの伏線も十分すぎるほど張られていて、些末なことは大概どうでもよくなるわけだが。 90点(100点満点)。

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2012/06/17

もっとぶっ飛ぶくらいの超絶トンデモトリックかと思いきや、論理的だった。最後に世界がひっくり返る感はある。 オカルト風味やひっくり返し方が、島荘や綾辻の原点をみる様だ。

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2012/09/09

オカルト+本格ネタ2件のキレイな謎解き。だけど魔女? 解けそうにない謎、スッキリ解決、そしてスッキリ忘れる? 忘れさせないためのすごいトリック。

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