火刑法廷 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
世評の高いミステリー。期待して読み始めた。 「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。 ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。
Posted by
オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!
Posted by
構成され切った本格ミステリ。 として完成されていること自体が、伏線。ラスト5ページで世界を一変させる。 「ラスト1行の衝撃」や「ラストで絶対騙される」的な煽り文句は、昔から多いけれど。「火刑法廷」ほど鮮やかに品よくひっくり返してくれるものがどれだけあるだろう。
Posted by
これは面白い! 読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。 壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり! そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリで...
これは面白い! 読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。 壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり! そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。
Posted by
1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。 情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どう...
1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。 情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?とモヤモヤが払拭されないまま、次々と新たな事態に突入。更なる謎や疑問が追加される展開に、もう翻弄させられっぱなし。うまい。この絡みあった糸をはやく解きたくて、頁を捲る手がとまりませんでした。 舞台は現代なるも、題材が近世フランスの魔女裁判、ということで、独特の雰囲気が醸しだされています。日本の怪談話のように、不気味で、刺激的で、興味が駆り立てられる。先述のモヤモヤした展開と非常にマッチしていて、この独特の雰囲気を楽しむことができました。 そして何より、わずか5頁の最終章の存在感。こりゃ名作ですわ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カーの不気味な雰囲気が存分に楽しめる作品だった。 推理小説かと思いきや、ホラー小説かな、これは。分類し難いところが既に洒落ている。 クロスが探偵役で登場したところから解決編がなかなか圧巻で、マリー視点のラスト素晴らしいの一言。 クロスの前世の魔女仲間がマリーで、現世でマリーに見つけてもらうために自身の顔写真を本に載せていたのはわかるけど、スティーブンズとゴーダンが結びついたのは偶然??ここがわからなかった。 仮面舞踏会や墓荒らしなどの場面はあるものの、全体的に重々しい、暗い雰囲気の作品だった。
Posted by
カーの小説はどれも読み難いのが難点(私にとっては)だったけど、これは読みやすくて助かった。 冒頭からオカルト風味満載な雰囲気の中、ちゃんと合理的に解決できて安心した…けれども、終わり方がなんとも… 続けてM・R・ジェイムズが読みたくなったw
Posted by
1969年作。かなり後期の作品と思われる。 ホラーに近い作品と何かに書かれていたので期待して読んでみたが、これは、いけない。良くない作品だった。 せっかくオカルトな要素が最初の方から出てくるのに、そんな素材が全然生きてこないし、プロットの進行が何やらモタモタしてして緊張感が...
1969年作。かなり後期の作品と思われる。 ホラーに近い作品と何かに書かれていたので期待して読んでみたが、これは、いけない。良くない作品だった。 せっかくオカルトな要素が最初の方から出てくるのに、そんな素材が全然生きてこないし、プロットの進行が何やらモタモタしてして緊張感が無く、途中でうんざりしてしまった。今回は私自身の気分があまりふさわしくなかったのだろうか? ミステリとしても、際だった探偵が出てこないので盛り上がらない感じがした。これなら、横溝正史の方がずっと面白い。
Posted by
最初のどう見てもオカルトな事件が、ちゃんと論理的に解決されて、そして…という展開がとてもハリウッドのサスペンス映画っぽくて面白い!
Posted by
とてもとてもJ.D.カーらしい、凝りに凝ったオカルトミステリ。 殺害現場からの犯人の消失、と霊廟からの死体の消失、というふたつの密室を軸に、犯人含めた登場人物たちの思惑が絡み合った推理合戦から、異様な雰囲気を増していく中盤がキャッチーで読み進めやすい分、真打ち登場とばか...
とてもとてもJ.D.カーらしい、凝りに凝ったオカルトミステリ。 殺害現場からの犯人の消失、と霊廟からの死体の消失、というふたつの密室を軸に、犯人含めた登場人物たちの思惑が絡み合った推理合戦から、異様な雰囲気を増していく中盤がキャッチーで読み進めやすい分、真打ち登場とばかりに躍り出る探偵役のオーラが凄い。キワモノ。 謎解き自体は正統なミステリで、これまで醸成されていた不気味な雰囲気が祓われるように晴れてーーいったと思ったら。そこからの揺り返しが凄い。 真実は何処、というか、真実の軽さよ… ☆3.5
Posted by