火刑法廷 の商品レビュー

3.8

59件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/12/28

密室トリックの第一人者であるカーの代表作であり、本格ミステリの中でも名作と言われている作品です。 しっかりしたトリックと無気味な雰囲気。 そして、どんでん返しまでありました。

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2024/12/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

2024年のベストミステリはこれかもしれません。面白かったー!と素直に言える本に、久々に出会いました。 翻訳ミステリを読むのが久しぶりなこともあり、正直序盤は誰が誰だ?と半ばうつらうつらしながら読んでいたのですが、 「スティーヴンズは自分の妻の写真を見ていた。」 の部分でハッと目が覚め、そこからグイグイ引き込まれていきました。 加賀山卓朗さんの訳もオシャレで、ザ・翻訳小説な雰囲気を味わえたのもよかったです。ストリキニーネ、ベロナールなどクリスティーでおなじみの薬品が出てきたのも。笑 この本については以前から”オカルト的要素”の足し方が秀逸、といったことを聞きかじっていたので、もしかしてラストも”超自然”で片付いてしまうのかしら……と密かに心配していました。 ところが、探偵役の登場で「幽霊の正体見たり……」とばかりにそれまでの超自然現象に説明がつき、立派な本格小説だ、と満足して本を閉じようとしたところにあのラスト5ページですよ。 99%クロな容疑が晴れていく『杉の柩』を思い出していただけに、このエピローグによってみるみる世界が信じられなくなるのを感じました。 クセ強な名探偵として華々しく登場し、去っていったゴーダン・クロス。 カーの他の作品では、どんな名探偵が現れるのでしょうか。 ミステリにひと匙の怪奇要素を求める方には、ぜひオススメしたい一冊です。

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2024/12/12

そうか、犯人はそこかぁ、あぁトリックはそうなっていたのかぁ、ふむふむふむ..........え? という感じでした。

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2024/10/10

冒頭の掴み方がすごい。 この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。 最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。 登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。 裏表紙あらすじから少し。 伯父の...

冒頭の掴み方がすごい。 この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。 最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。 登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。 裏表紙あらすじから少し。 伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人達と埋葬された遺体の発掘を試みる。 だが、密閉された地下の霊廟の遺体は… 全体的に不気味で仄暗い感じ。 読んでいると物語の中に入り込んでしまうような没入感があり、登場人物達と一緒にゾクゾクしながら体験した。 オカルトは好きではないんだけど、この作品はオカルトと本格ミステリーの配合が絶妙!! オカルト好きも本格ミステリー好きも両方が楽しめる最高な作品だった。 冒頭もグッと掴まれて面白いけど、ラストはもっと掴まれてしまった…。さすがディクスン・カー。 今までオカルトは胡散臭さが苦手だったけど、ディクスン・カーの描くオカルトはそれを感じずに楽しめた。

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2024/09/18

カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。 端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。 カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総...

カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。 端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。 カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総じての読後感はすっきりしなかったかな

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2024/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯人はマーク・デスバードとコーベット。元々両者は愛人関係にあった。マイルズの遺産、マークの正妻ルーシーを排除する為に共犯した。 オカルト要素で偽装しつつ、解決ではきちんとした本格ミステリの謎解きとなっています(一応は)。ただ、古いミステリなので、肩透かしの印象は拭えません。 ①壁を擦り抜けた女性は、マイルズの隣の部屋にいる看護師が鏡と光の加減を上手く調整して壁をすり抜けたように見せかけた。 ②消失した死体は、霊廟の壺の中に隠してあり、ほんの一瞬のスキを突いて移動させた。その後もパーティに行っている家族のスキをついて死体を暖炉で焼いた。 なのですが、とにかく文章が読みにくいです。登場人物一覧に無い相性で呼び出したり、家や霊廟の配置が分かりづらかったりと不親切です。訳者のせいか、元々のオカルト味を活かしたかったかわからないけれど。 エピローグの真相は"やっぱりマリーは魔女で、コーベットを追い詰める為に画策していた"と云うオチでしょうか。 "首無しの如き祟るもの"で読んだ事があるパターンなので、自分にとっての目新しさは無かったかな。

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2024/04/23

なんだか読みにくくて、前半ずっと眠くなってた。 途中かなりオカルトな感じになって、あれ?私本格ミステリ読んでたよな?って混乱してきた。 最後もええーそんな感じぃー?ってスッキリしない終わりだった。。 あと家の間取り図とか図解が欲しいです!

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2023/11/04

読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。 ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。 詳しくは書けない作品の一つではあり...

読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。 ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。 詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

Posted byブクログ

2023/10/01
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手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作の最大の魅力なんだろうけど、魑魅魍魎を斬る蒼ざめた馬のさっぱりとしたラストとは対照的。ツッコミを入れながら楽しむ作品のようです。鏡の前で手持ちの服をとっかえひっかえする若い女の子みたいにお洒落好きなおじいさん、殺されてかわいそう!「アクロイド殺し」で犯人が犯行当日あれだけの行動をとるのは忙しすぎて時間が足りず無理、との指摘を読んだことがあるが、本作の死体消失トリックも相当際どい短時間決戦。看護師は確かに正妻に罪を着せようと試みたり人が悪いかもしれないけれど過去の経緯は気の毒なところもあるし、「本当は罪を犯していない」のに終身刑ってかわいそう。いつの間にかゴーダン・クロス殺人事件にすり替わってしまっているが、これ結局真相不明だし、その前の毒殺のドレスの謎とか警察が深追いしなくてよいのかなあ…マークが急いで金が必要な理由どこかに書いてましたっけ?事件後行方不明になった、で終わるのは省略の美?何世代も放置していたにもかかわらず、この物語の時点から過去世の復讐話になるなら、あの「奥様は魔女」はマークだけでなく妹や弟(珍しい性格設定だけど知人で似ている人います)も亡き者にしてその際に夫を仲間に引き込む展開が想定されているのか。マイルズは図らずも死後に火刑に処されており、八つ墓村(映画しか見てないけど)なら被害者の子孫が復讐という形になっていたが、こちらでは犠牲者の甥が無意識のうちに自ら手を下すのが凄まじい。

Posted byブクログ

2023/10/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭から奇妙な符合がたて続き、それら全てが主人公の妻が犯人であることを示唆しており肝をひやす、というところまではよくできたミステリにおける、一種の定型だが、それだけではなくその奇妙な符合は全て彼の妻がすでに処刑された魔女であることを暗示しているように思われる、となっていて読者の心を掴む。 中盤では推理合戦が繰り広げられ、その過程でタイトルを意識したような、法廷尋問のようなくだりもあって、遊び心がある。 クライマックスで、探偵が謎解きし全てが実現可能なトリックとして解き明かされなーんだと思うのも束の間、最終的な結論としては、やはり魔女だったのか…?と思わせるようなものになっている。そんなことありえるか?と思い返す。彼の妻にはやはりアリバイはなく、しかし部屋の鍵はどうしたんだ?と考えたとき、作中の魔術に関する本の記述に思い至る。過去に不死者が鍵をすり抜けたというくだり。斯様に本作は、以前のところでサラッと出てきた一見無関係ながら興味深い記述が、読み進めると突然再浮上してピッタリと鍵穴におさまるような、奇術のような仕草が至るところに仕掛けられている。

Posted byブクログ