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火刑法廷 の商品レビュー

3.8

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2024/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯人はマーク・デスバードとコーベット。元々両者は愛人関係にあった。マイルズの遺産、マークの正妻ルーシーを排除する為に共犯した。 オカルト要素で偽装しつつ、解決ではきちんとした本格ミステリの謎解きとなっています(一応は)。ただ、古いミステリなので、肩透かしの印象は拭えません。 ①壁を擦り抜けた女性は、マイルズの隣の部屋にいる看護師が鏡と光の加減を上手く調整して壁をすり抜けたように見せかけた。 ②消失した死体は、霊廟の壺の中に隠してあり、ほんの一瞬のスキを突いて移動させた。その後もパーティに行っている家族のスキをついて死体を暖炉で焼いた。 なのですが、とにかく文章が読みにくいです。登場人物一覧に無い相性で呼び出したり、家や霊廟の配置が分かりづらかったりと不親切です。訳者のせいか、元々のオカルト味を活かしたかったかわからないけれど。 エピローグの真相は"やっぱりマリーは魔女で、コーベットを追い詰める為に画策していた"と云うオチでしょうか。 "首無しの如き祟るもの"で読んだ事があるパターンなので、自分にとっての目新しさは無かったかな。

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2024/04/23

なんだか読みにくくて、前半ずっと眠くなってた。 途中かなりオカルトな感じになって、あれ?私本格ミステリ読んでたよな?って混乱してきた。 最後もええーそんな感じぃー?ってスッキリしない終わりだった。。 あと家の間取り図とか図解が欲しいです!

Posted byブクログ

2023/11/04

読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。 ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。 詳しくは書けない作品の一つではあり...

読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。 ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。 詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

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2023/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作の最大の魅力なんだろうけど、魑魅魍魎を斬る蒼ざめた馬のさっぱりとしたラストとは対照的。ツッコミを入れながら楽しむ作品のようです。鏡の前で手持ちの服をとっかえひっかえする若い女の子みたいにお洒落好きなおじいさん、殺されてかわいそう!「アクロイド殺し」で犯人が犯行当日あれだけの行動をとるのは忙しすぎて時間が足りず無理、との指摘を読んだことがあるが、本作の死体消失トリックも相当際どい短時間決戦。看護師は確かに正妻に罪を着せようと試みたり人が悪いかもしれないけれど過去の経緯は気の毒なところもあるし、「本当は罪を犯していない」のに終身刑ってかわいそう。いつの間にかゴーダン・クロス殺人事件にすり替わってしまっているが、これ結局真相不明だし、その前の毒殺のドレスの謎とか警察が深追いしなくてよいのかなあ…マークが急いで金が必要な理由どこかに書いてましたっけ?事件後行方不明になった、で終わるのは省略の美?何世代も放置していたにもかかわらず、この物語の時点から過去世の復讐話になるなら、あの「奥様は魔女」はマークだけでなく妹や弟(珍しい性格設定だけど知人で似ている人います)も亡き者にしてその際に夫を仲間に引き込む展開が想定されているのか。マイルズは図らずも死後に火刑に処されており、八つ墓村(映画しか見てないけど)なら被害者の子孫が復讐という形になっていたが、こちらでは犠牲者の甥が無意識のうちに自ら手を下すのが凄まじい。

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2023/10/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭から奇妙な符合がたて続き、それら全てが主人公の妻が犯人であることを示唆しており肝をひやす、というところまではよくできたミステリにおける、一種の定型だが、それだけではなくその奇妙な符合は全て彼の妻がすでに処刑された魔女であることを暗示しているように思われる、となっていて読者の心を掴む。 中盤では推理合戦が繰り広げられ、その過程でタイトルを意識したような、法廷尋問のようなくだりもあって、遊び心がある。 クライマックスで、探偵が謎解きし全てが実現可能なトリックとして解き明かされなーんだと思うのも束の間、最終的な結論としては、やはり魔女だったのか…?と思わせるようなものになっている。そんなことありえるか?と思い返す。彼の妻にはやはりアリバイはなく、しかし部屋の鍵はどうしたんだ?と考えたとき、作中の魔術に関する本の記述に思い至る。過去に不死者が鍵をすり抜けたというくだり。斯様に本作は、以前のところでサラッと出てきた一見無関係ながら興味深い記述が、読み進めると突然再浮上してピッタリと鍵穴におさまるような、奇術のような仕草が至るところに仕掛けられている。

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2023/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世評の高いミステリー。期待して読み始めた。 「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。 ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。

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2023/03/19

オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!

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2023/02/17

構成され切った本格ミステリ。 として完成されていること自体が、伏線。ラスト5ページで世界を一変させる。 「ラスト1行の衝撃」や「ラストで絶対騙される」的な煽り文句は、昔から多いけれど。「火刑法廷」ほど鮮やかに品よくひっくり返してくれるものがどれだけあるだろう。

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2023/02/05

これは面白い! 読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。 壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり! そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリで...

これは面白い! 読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。 壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり! そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。

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2023/01/16

1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。 情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どう...

1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。 情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?とモヤモヤが払拭されないまま、次々と新たな事態に突入。更なる謎や疑問が追加される展開に、もう翻弄させられっぱなし。うまい。この絡みあった糸をはやく解きたくて、頁を捲る手がとまりませんでした。 舞台は現代なるも、題材が近世フランスの魔女裁判、ということで、独特の雰囲気が醸しだされています。日本の怪談話のように、不気味で、刺激的で、興味が駆り立てられる。先述のモヤモヤした展開と非常にマッチしていて、この独特の雰囲気を楽しむことができました。 そして何より、わずか5頁の最終章の存在感。こりゃ名作ですわ。

Posted byブクログ