まぐだら屋のマリア の商品レビュー
“尽果”バス停近くの定食屋「まぐだら屋」に辿り着いた 主人公、紫紋は東京から逃亡してきた訳ありの自殺志願者だった。 彼は高級料亭で修業中の料理人だったが、 店がやっていた悪質な行為を内部告発して 自殺した後輩を救えなかったという 自責の念から、生きる気力を無くしていた。 「まぐだ...
“尽果”バス停近くの定食屋「まぐだら屋」に辿り着いた 主人公、紫紋は東京から逃亡してきた訳ありの自殺志願者だった。 彼は高級料亭で修業中の料理人だったが、 店がやっていた悪質な行為を内部告発して 自殺した後輩を救えなかったという 自責の念から、生きる気力を無くしていた。 「まぐだら屋」の店主マリアは、 左手の薬指がすっぱり切り落とされている謎めいた女性だった。 名前のとおり、慈悲深く、 ゆったりと人の心の傷を癒してくれる雰囲気を持った彼女は、 新鮮な魚介類と地元野菜をふんだんに使った 素材の良さが売り物の定食を、地元に人々に提供していた。 そんな彼女の定食を食べた紫紋は、 あまりの美味しさに、死への思いが消えてしまった。 自分の過去も言わない代わりに マリアの過去も聞けない紫紋だったが、 料亭で培ったまかないの腕を振るい、 マリアが使える店の店主やマリアの店の人々とも次第に打ち解けていく。 やがてマリアの過去を知る日がやってきて・・・。 紫紋が自分の職場から逃亡する事件は 実際におこったあの、「ささやき女将」事件を思い出させる。 それをきっかけに自殺者まで出てしまった事件の結末。 傷ついた紫紋に呼びかける母親の切ない呼びかけが 後半物語に涙を添えていたと思う。 不思議な伝説からつけられた「まぐだら屋」という名前の定食屋といい、 マリアという名前といい、 ちょっと出来過ぎた人格という気がするが、 マリアの不思議な雰囲気は、 傷ついた人々を救う聖母そのもので、 この作品を読むだけで、十分に心の傷が癒されていくと思う。 「まぐだら屋」のマリアと紫紋の心のこもった料理を 食べてみたくなった。 きっと心の底から温まる料理なんだろうなあ。
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図書館で借りたもの。 Instagramで西山茉希ちゃんがオススメしてて手に取ってみた。 続きが気になって一気読み。 内容は重たいところもあるけど、読後はあたたかい気持ちになった。 マリアと女将の関係がすごいと思う。 自分が女将だったら…いや、無理でしょう! お母さんからの留...
図書館で借りたもの。 Instagramで西山茉希ちゃんがオススメしてて手に取ってみた。 続きが気になって一気読み。 内容は重たいところもあるけど、読後はあたたかい気持ちになった。 マリアと女将の関係がすごいと思う。 自分が女将だったら…いや、無理でしょう! お母さんからの留守番電話で泣いた。こういうの弱い。 食べ物の描写が素晴らしく、特に魚が食べたくなります。
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犯罪スレスレの過ちを犯した過去を持つ登場人物たちが、それぞれ過去を抱えながら生き、現在に立ち向かい、許されて未来へ進もうとする贖罪の物語。 それぞれの過去の事件が・・・何というかヘビー過ぎて、逆によく出来た小説感がハンパない(汗) マリアと与羽の薬指をかけた色恋沙汰も、奥さんや女...
犯罪スレスレの過ちを犯した過去を持つ登場人物たちが、それぞれ過去を抱えながら生き、現在に立ち向かい、許されて未来へ進もうとする贖罪の物語。 それぞれの過去の事件が・・・何というかヘビー過ぎて、逆によく出来た小説感がハンパない(汗) マリアと与羽の薬指をかけた色恋沙汰も、奥さんや女将の側から見れば、ただのはた迷惑かつ自己中心的な不倫騒動に過ぎないと思えてしまうのは・・・きっと登場人物たちの名前がマリアだのシモンだのマルコだのヨハネだの、きっと作者からすれば祈りを込めたのだと思われる、キラキラネームであるため、気になって気になってストーリーにきちんと集中できなかったせいだろうw 2016/04
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岬に建つ食堂が舞台のどこかで読んだ事のあるようなおはなしですが、面白かった。 人間の強さや弱さ、食べることの大切さ、家族の優しさがいっぱい詰まった作品です。 標題も不思議ですが、主人公は紫紋、岬の料理人はマリア、マリアの昔の恋人は与羽。 結末はとっても神がかっています。 やっぱ...
岬に建つ食堂が舞台のどこかで読んだ事のあるようなおはなしですが、面白かった。 人間の強さや弱さ、食べることの大切さ、家族の優しさがいっぱい詰まった作品です。 標題も不思議ですが、主人公は紫紋、岬の料理人はマリア、マリアの昔の恋人は与羽。 結末はとっても神がかっています。 やっぱり、関学出身のマハさんだからでしょうか…
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どんなことがあっても 自らの人生を捨ててはいけない。 前を向いて生きていかなければならないというメッセージ性を感じた。 マリアの過去にはただただびっくり。 シモン、マルコがそれぞれ過去を受け入れ、生きていこうと決意するシーンにはなけました。
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マハさんは、もとのかたちがあるものを、自分の物語として料理するのが得意なひとらしい。 そういう遊び心を理解した上で、あたらしいマハさんの世界を構築していく。 そこにはきちんとオリジナリティがあり、楽しい物語として読ませてくれる。
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料理がおいしそうなのはいいことだ。 母の愛にもじんわり来させられる。 マリアの過去はちょっと、えええ?という気もしないではなかったですが、うーん。マリア視点だったらまだわからなくもなかったのかなあ。客観的に語られるといまいち入り込めなかった。
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ちょっと悲しい物語だった。でも、感動して泣いた。続きが読んでみたいと思った。そうしたら、もう少し幸せな部分が出てくるんじゃないかって。 ふるさとって大切なんだなって思った。
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聖書を絡めたり、 いろんなことをを説明すると 到底感想には行きつかないのだけれど、 面白かった。 マリアにシモンにヨハネにマルコ・・・おいおい キラキラにもほどがあるぜ。 でも、この名前は決してキラキラじゃないんだよね。 考えてみれば その名前もキラキラであってきらきらでない...
聖書を絡めたり、 いろんなことをを説明すると 到底感想には行きつかないのだけれど、 面白かった。 マリアにシモンにヨハネにマルコ・・・おいおい キラキラにもほどがあるぜ。 でも、この名前は決してキラキラじゃないんだよね。 考えてみれば その名前もキラキラであってきらきらでないのかも・・・ 人は間違うけれど、 生きることを許されて、 感謝しながら生きるものなのだということ。 間違えたことを忘れることなく、 生きることができればいいのだけれど。。。 考えさせられるストーリーで、 そして、マハさんの作品をもっと読みたいと思ったのでありました。
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先が気になってたまらなかった。料理を丁寧に作ることの大切さ、誰かの何もかもを受け止める気持ちの奥深さ、そんなものを学んだ。徹夜本に限りなく近い。そして、母の愛に号泣する。
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