デフ・ヴォイス の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
読んじゃったぁ。 気になっていた『日本手話』 そして、知らなかった『手話言語』 ミステリーでした。 でも、とりまく環境。 考えさせられ、ましたぁ。 Children of Deaf Adults
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「龍の耳を君に」のレビューで興味を持ち、シリーズのようだったので折角なので1作目からと思い読みました。 ミステリーなんですが、それ以上に耳の聞こえない人たちのことについて、目からウロコのお話でした。 耳の聞こえない人たちは、耳が聞こえない(ろう)だけで話せない(唖)わけではない。...
「龍の耳を君に」のレビューで興味を持ち、シリーズのようだったので折角なので1作目からと思い読みました。 ミステリーなんですが、それ以上に耳の聞こえない人たちのことについて、目からウロコのお話でした。 耳の聞こえない人たちは、耳が聞こえない(ろう)だけで話せない(唖)わけではない。 日本手話と日本語対応手話、というものがあることも初めて知りました。日本手話とは、日本語とはまた別の言語なんだということ。生まれつきのろう者は、頭の中で日本語で考えてから手話にするわけじゃない、という、当たり前のことに初めて気づき、自分の想像力のなさを恥じました。 主人公の荒井が、ぶっきらぼうな中年男性かと思いきや人情派の誠実な人でした。 続編も読みたいです。
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ミステリーを楽しみながら、「ろう者」の世界を知ることができる本でした。手話には、「日本語対応手話」と「日本手話」のニ種類があること。「聴覚障害者」「健聴者」に対し、聴こえない人の側からは「ろう者」「聴者」と呼ぶこと。そして、今まで知らなかった「コーダ」という存在。知るということは...
ミステリーを楽しみながら、「ろう者」の世界を知ることができる本でした。手話には、「日本語対応手話」と「日本手話」のニ種類があること。「聴覚障害者」「健聴者」に対し、聴こえない人の側からは「ろう者」「聴者」と呼ぶこと。そして、今まで知らなかった「コーダ」という存在。知るということは大切なこと。ほんの少しなんだろうけど、知ることができる本に出会えてよかったです。※「コーダ」とは、ろう者同士の間に生まれた聴者の子どものことです。
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私が手話を学び始めて7ヶ月が経った。その間、①学んだことは、手話は外国語と同様の言語だということ、②手話を学ぶためにはろう文化を理解する必要があること。 本書の著者が「あとがき」で書いているように、ろう者は自分を障害者とはとらえていない。もちろん、ろう者が差別されてきた歴史、大...
私が手話を学び始めて7ヶ月が経った。その間、①学んだことは、手話は外国語と同様の言語だということ、②手話を学ぶためにはろう文化を理解する必要があること。 本書の著者が「あとがき」で書いているように、ろう者は自分を障害者とはとらえていない。もちろん、ろう者が差別されてきた歴史、大正から昭和までの半世紀実質的に手話が禁じられていた歴史があり、ユニバーサル/バリアフリーが進んだ現代においてもさまざまな苦労をされている。ろう者のみなさんが安心して生活ができる社会に向けて少しでもお役に立てればと私は手話を勉強している。 前置きが長くなったが、本書はろう者の世界をしっかりと描くとともにミステリーとしても良くできた作品となっている。みなさんのコメントを読み、本書を多くの人が手にしてろう者に対する理解を深めてもらいたいと思った。 今年アメリカ映画"CODA"(アカデミー作品賞受賞)が話題になったが、10年前に発表された本書はコーダの物語である。
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先日読んだ児童書が、この作品のスピンオフだと知って興味があった。 日本の手話が2種類あるというのは、聞いたことがあった。 この本で「日本手話」と「日本語対応手話」という別の性質のものだと理解することができた。 人の特性の扱い方に、好感が持てる。 ただの”トリックの一つ”として...
先日読んだ児童書が、この作品のスピンオフだと知って興味があった。 日本の手話が2種類あるというのは、聞いたことがあった。 この本で「日本手話」と「日本語対応手話」という別の性質のものだと理解することができた。 人の特性の扱い方に、好感が持てる。 ただの”トリックの一つ”としていない。
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ブクログの「あなたへのおすすめ」から。 ろう者の親と聴者の子どもの家族のお話。 子どもの疎外感と負担感は察することが出来るが、ろう者の世界観を想像することは難しい。 難しいが、そういう世界があることを知れてよかった。 ミステリーとしての謎解きの部分は複雑過ぎず、簡単過ぎず、丁度良...
ブクログの「あなたへのおすすめ」から。 ろう者の親と聴者の子どもの家族のお話。 子どもの疎外感と負担感は察することが出来るが、ろう者の世界観を想像することは難しい。 難しいが、そういう世界があることを知れてよかった。 ミステリーとしての謎解きの部分は複雑過ぎず、簡単過ぎず、丁度良い塩梅。
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児童書の「水まきジイサンと図書館の王女さま」がこちらのスピンオフということで読んでみました。 元警察職員の手話通訳士荒井尚人が主人公。 「聴覚障害者・健常者」ではなく「ろう者・聴者」という表現を初めて知った。 「自分たちは聴こえないが話せないわけではない」逆は「聴こえる人」と...
児童書の「水まきジイサンと図書館の王女さま」がこちらのスピンオフということで読んでみました。 元警察職員の手話通訳士荒井尚人が主人公。 「聴覚障害者・健常者」ではなく「ろう者・聴者」という表現を初めて知った。 「自分たちは聴こえないが話せないわけではない」逆は「聴こえる人」という表現。 「日本語対応手話」一般的な手話で聴者が手話講習会で学んでいるもの 「日本手話」ろう者が昔から使っているもので、日本語の文法とは全く違った独自の言語体系を持っている、生まれた時から使っているろう者でなければ使いこなせない。 「コーダ」と呼ばれる子ども。「デフ・ファミリー」「デフ・ヴォイス」 事件の謎解きも気になったが、ろう者の手話の世界の深さに唸ってしまった…
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いい意味で裏切られた感じ。 両親ともにろう者である聴こえる子「コーダ」として生きてきた主人公の アイデンティティを模索するお話かと思っていましたが、 そこにミステリー要素を加えることにより、 とても読みやすくなっていました。 知らない世界を知ることができて、本の良さを実感させて...
いい意味で裏切られた感じ。 両親ともにろう者である聴こえる子「コーダ」として生きてきた主人公の アイデンティティを模索するお話かと思っていましたが、 そこにミステリー要素を加えることにより、 とても読みやすくなっていました。 知らない世界を知ることができて、本の良さを実感させてくれる作品でもありました
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これは誠に勉強になった。冴島素子の「ろう者の定義」では、「ろう者とは日本手話を使う者」とのこと。そもそも日本手話について初めて知ったが、日本語対応手話と異なり、日本語とは独立した言語だという。よって、ろう者はバイリンガルであって、言語的マイノリティと定義するんだが、まぁ俺みたく、...
これは誠に勉強になった。冴島素子の「ろう者の定義」では、「ろう者とは日本手話を使う者」とのこと。そもそも日本手話について初めて知ったが、日本語対応手話と異なり、日本語とは独立した言語だという。よって、ろう者はバイリンガルであって、言語的マイノリティと定義するんだが、まぁ俺みたく、いずれの手話も解さぬ者が不用意に意を論じるべくもない。それより、キャラがいずれも立っていて、展開、帰結もいい感じ。荒井さん、地味ながらぶれない正義感おみごと。そういや、みゆきの元亭主、無様にこけて喚いておった馬鹿デカ米原やいかに?
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荒井は聴覚にハンディがある家族の中で、唯一ハンディがなかった。しかし、手話を使えることを黙っていたが、生活の為に手話通訳士の試験を受け色々なろう者の通訳として働くようになった。法廷である事件の通訳を行う中、事件の真相をさがし自分の人生についても考えていく。 ハンディがある人に...
荒井は聴覚にハンディがある家族の中で、唯一ハンディがなかった。しかし、手話を使えることを黙っていたが、生活の為に手話通訳士の試験を受け色々なろう者の通訳として働くようになった。法廷である事件の通訳を行う中、事件の真相をさがし自分の人生についても考えていく。 ハンディがある人に注目がいきがちだが、その家族にはなかなか目がいかない。作品の荒井のように家族と周囲に翻弄され、悩み疎外感を感じているのではないか。自分の気持ちを閉じ込めがちな人々へ、話せる場所、人をみつけるのが相手へ伝える一歩だと思う。
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