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黄泉坂案内人 の商品レビュー

3.3

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2011/08/31

あの世とこの世との境目にある村を舞台とした、ファンタジックな物語。死者の未練を解き放ち、黄泉坂を無事に渡らせるという物語は、悲しいながらも優しくて暖かさを感じます。特に「銀河に乗って」はかなりじーんと来ちゃったなあ。 ところが。どんどん不穏になっていく後半の物語。裏に隠された心情...

あの世とこの世との境目にある村を舞台とした、ファンタジックな物語。死者の未練を解き放ち、黄泉坂を無事に渡らせるという物語は、悲しいながらも優しくて暖かさを感じます。特に「銀河に乗って」はかなりじーんと来ちゃったなあ。 ところが。どんどん不穏になっていく後半の物語。裏に隠された心情の数々。痛々しい事実。かなりやりきれないものがあったのだけれど、このラストは救われました。

Posted byブクログ

2011/08/30

ジャケとタイトルに魅かれて読みました。 仁木さんはお初かな。 何故かかぽっとハマらなかった。 僕僕先生読んでみるかな。

Posted byブクログ

2011/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

会社をつぶしてしまった元社長さん・速人がタクシーの運転手をしていたところ、なぜか、この世とあの世を結ぶ黄泉坂の案内人になってしまった…。 この世に未練を残して死んだ人たちに、自らの死を納得させ、ちゃんと成仏させてあげるのが彼の任務。大きな“かぐつち”をかついだ女の子・彩葉を助手に、なんとかかんとか役目を果たしたり、自らの処遇に思いを馳せたり、と、道具立てはとても面白いのだけど、なんか・・・・足りない、と思うのは、私が欲張りだからかなぁ。 速人が何を考えているのか、彼の性格や、家族の思い、また、あの世とこの世の間にある村の住人たち、成仏できない死人たち、もうちょっと深く掘り下げてくれないと、うんうん、そうだよね、わかるよぉ~~、という気持ちよさが感じられない・・・。 評判がいい本なので、これは、私の体調のせいか???とも思ってみたのだけど、そして、実際に面白いところもあったのだけど、(村の神様たちの個性豊かなことなんか特に。私、“神道もの”が好きなので)ゴメン、今一つだった、とカミングアウトしてしまいます。

Posted byブクログ

2011/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あの世とこの世の境に住む彩葉さん~磐田速人はタクシードライバーだが,数年前まで小さな町工場を継いで社長であり,不況にめげずに跳ね返そうと必死に働いていた。会社を潰した挙げ句に,タクシーの仕事も不景気の所為でアルバイト並みの収入。生活苦に嫌気がさした妻は幼い娘を連れて実家に帰ってしまう。タクシー会社に呼び出されていたのを思い出し,車を走らせると見知った道は見つけられず,拾った客は入日村の上湯川に行けと云われるが,道を知らないと答えると勘違いだったかと降りられてしまう。会社に寄ると丸一日も雲隠れしていて謹慎を命じられるが,日が経っている感覚はなく,西へ走って河口湖に至ると,家族が仲良くアウトドアを楽しんでいたことを思い出す。しかし湖畔で意識を失い,湖に沈んでいく気配はしても,見知らぬ車に乗って山道を走っている所で気が付いた。ボンネットの鴉が示す方向に進んでいくと,そここそが入日村で,客の名は中埜,あの世との境にある村だという。知り合って世話をやく少女は彩葉,村長と面会するまでは名前を名乗るのは危険だというが,夜明け前に窓辺に佇む者に名前を云ってしまうと,自分の名前を思い出せなくなる。彩葉の持つかぐつちにより虚と実が入れ替わり,公団アパートに行ってみると,妻も子も自分のことを知らず,見知らぬ男が自宅にいた。村から与えられた車デューセンバーグは,この世に未練を残した魂を迎えに行くための道具だと知らされ,彩葉と共に,くも膜下出血で亡くなった30代の女性が娘の小学校受験が心配でたまらなかったのだ。娘は乗り気でなく,死んだ母親と秘密の指遊びがしたかったのだ。80歳で死んだ元駐在さんは未練はないというものの,それが何なのか判らない。奈良から東京で古道具を見て歩く時には,0系の新幹線に乗って行ったことを手掛かりにし,そのモデルになった爆撃機・銀河の機長として乗るはずだった元特攻隊員は,出撃前に食べた河豚に中り仲良く散ろうとしていた仲間に合わせる顔がなかったのだ。東大阪の鉄工所経営者は家族に法螺ばかり吹いていて,何も実現できなかったことを悔い,自慢の鉄細工で小さな家の模型を造って妻に一瞬の夢を見せてやりたかったのだ。入日村に地震が起こり,山が崩れかぐつちが地に埋もれてしまった。村人も妖怪も神も総出で掘り出す。彩葉が高熱に倒れ,110年も生身の身体を保ったのだから成仏させたいと村人は云うが,妖怪や神は彩葉の回復を願っている。村の入り口に倒れていた少女は速人の娘で高熱を出しているが,父のことは判らず,名前も失ったらしい。山頂の玉置神社の神に面会して,ちいさなつちを渡されても使い道が判らない。急に老婆になった彩葉は自分の持つ大きなかぐつちの使い手として娘・雪音を考えている。大国村長こそがナトリではないかという疑惑を深めた速人は夜中の村長をつけ回し,マヨイダマを増やさず死者をあの世に効率的に送り出すシステム作りを考えていることを掴む。高効率のシステム作りに人の魂を犠牲にしても構わない大国に立ち向かう速人に反大国に立ち上がった妖達が加勢し,名を取り戻した速人は娘を助けるために車を走らせ,まとわりついてくるマヨイダマ達とも心を通わせ辿り着いた旅館・武蔵で彩葉の振るうかぐつちで現世に雪音は戻され,彩葉を取り戻したい速人が小さなかぐつちを彩葉に打ち付けると速人の意識は彩葉の中に沁みていった~神様が未熟だったり,物の怪が普通に歩いていたり,楽しいが寂しい設定。一月で再版とは,野性時代に掲載したものを加筆訂正せずに本にしてしまったのだろうか。そういえば,風穴に置いて充電中のかぐつちを彩葉が嬉しそうに振り回して山を下りてくる場面があった。だいだらさんとか,玉置さん,やったん,だいしょごんさん,ミズカミ,ホダと良いキャラクターを生み出しておいて,シリーズ化しなかったら惜しいなあ。彩葉が速人の名を手に入れてタクシードライバーとして復活し,村人はあの世へ,大国は左遷・・・急展開で,次作へ繋がったか?

Posted byブクログ

2011/08/28

プロットは面白いんです。 キャラもそこそこ立っているし、笑いもあれば泣かせる話もある。 だけど、それぞれの話に深みが感じられないのです。 文章の流れに引っかかりを感じて、なかなかイメージが膨らんでいきません。ドラマかアニメにすると面白味が増す気がするなぁ。

Posted byブクログ

2011/08/07

この世とあの世を繋ぐタクシーの運転手となった速人と、虚実を入れ替える力を持つ大槌「かぐつち」を携える少女・彩葉の二人がこの世に未練を残す魂を救う手助けをする話。あの世とこの世の中間に位置し、人と妖と神が共存する入日村の設定が面白いです。ちょっと頼りない土地神の玉置さんが可愛らしか...

この世とあの世を繋ぐタクシーの運転手となった速人と、虚実を入れ替える力を持つ大槌「かぐつち」を携える少女・彩葉の二人がこの世に未練を残す魂を救う手助けをする話。あの世とこの世の中間に位置し、人と妖と神が共存する入日村の設定が面白いです。ちょっと頼りない土地神の玉置さんが可愛らしかったな。それと三本脚の鴉の呼び名がやっくんって、日本サッカーのシンボルになんてことを(笑)。ただ、未練を解決していく過程は感動もので好きな展開だったのですが、最後の方が急ぎ過ぎな感じがしたのがちょっと残念。

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2011/07/27

この世に未練を残したまま亡くなった人をあの世へと導くタクシー運転手になった男の話で、現代という時代設定は著者初めて(多分)。「起承転」まではいいんだけど「結」がいただけません。あえてああいう終わり方にしなければならないという必然性は全くないはずなのに、残念です。

Posted byブクログ

2011/08/01

あの世とこの世の境に落ち込んでしまったタクシードライバーと、不思議な道具「かぐつち」を持つ少女の、魂救済悪戦苦闘物語。河童やら天狗やらつくも神さまやら、もののけ妖たちがわんさわんさと出てきくるのだけど全然怖くない、怖くないどころかなんとも可愛くて、ここならアタシも一緒に住みたい!...

あの世とこの世の境に落ち込んでしまったタクシードライバーと、不思議な道具「かぐつち」を持つ少女の、魂救済悪戦苦闘物語。河童やら天狗やらつくも神さまやら、もののけ妖たちがわんさわんさと出てきくるのだけど全然怖くない、怖くないどころかなんとも可愛くて、ここならアタシも一緒に住みたい!と思ってしまうほど。迷える魂を救う物語の一つ一つは悲しくてそれでいて温かくて、じわじわホロリとしてしまう。そして気になるラストの展開には思わず上を向いて「嗚呼…」と声を漏らす。この夏、どなたにも安心してオススメするファンタジノベルでございます。

Posted byブクログ

2011/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第4話『空手形』は星5つ。 この世に未練を残した魂と残された家族、そして成仏を助けるための黄泉坂案内人のハヤさんと彩葉、そして妖の存在。それらがこの世界観にきちんと噛みあった、いい話だったと思います。こういうのをあと何話か読みたかったなー。 人糞めいた口臭の中年男の描写から始まる話って、どうなの?ネズミ男の口臭のように何かしらの意味があるんだったら、まあ、判るけど、ただ単に不快な男だといいたいだけで、この書き出し?そういう吐きそうな臭いが記憶にあるだけに生々しく不快で……。冒頭2行でテンションが下がってしまいました。で、低調のまま読み終えてしまった感じ。ラストもあまりにもバタバタで。(大水害に村ごと流されてあの世とこの世の狭間に落ちた、っていう舞台設定が現在の日本の状況にどうのこうので慌てて打ち切りってわけじゃないですよね?……だったら、むしろもっときちんと書くべきだ) ところどころ、状況がよく判らない描写とかもあり(「山崩れ」でマヨイダマに襲われるシーン。シーンが転換して解説されるまで、玉置さんが助けたんじゃなくて変心して襲ってきたんじゃないかと思ってました)好きな作家さんなのだけど、傾いた首が戻りません。うーん

Posted byブクログ

2011/07/05

内容紹介 タクシー運転手の速人は、入日村という村に迷い込む。村で会った少女・彩葉は、ここは現世とあの世の狭間に漂っているという。現世に戻れなくなった彼は、彩葉と共に迷える魂の「未練」を解く仕事を始めることに…。 著者について 1973年大阪府生まれ。06年『夕陽の梨─五代英雄伝...

内容紹介 タクシー運転手の速人は、入日村という村に迷い込む。村で会った少女・彩葉は、ここは現世とあの世の狭間に漂っているという。現世に戻れなくなった彼は、彩葉と共に迷える魂の「未練」を解く仕事を始めることに…。 著者について 1973年大阪府生まれ。06年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。他著に『飯綱颪』『薄妃の恋 僕僕先生』『くるすの残光』など。

Posted byブクログ