最終講義 の商品レビュー
考えるだけだと、腐る。身体性だけに論理性だけにふれるのは問題が多い。一定ルーチンとバランスを取りつつ、方向性という一時的回答を出す都言ったところかな。ところで5章「教育に等価交換はいらない」はきわめて今日的話題かつ、神戸女学院大学教授・内田樹としては地域的職責的問題意識を表してる...
考えるだけだと、腐る。身体性だけに論理性だけにふれるのは問題が多い。一定ルーチンとバランスを取りつつ、方向性という一時的回答を出す都言ったところかな。ところで5章「教育に等価交換はいらない」はきわめて今日的話題かつ、神戸女学院大学教授・内田樹としては地域的職責的問題意識を表してると思う。(内容的にも多分に頷ける)
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著者初めての講演録。 内田先生の文章は自分にとっては難解な部分が多いが、 ラジオでのしゃべりを聴くととても聴きやすい。 そういった感じが詰まった講演録であった。 印象に残ったフレーズをいくつか。 「知的パフォーマンスを向上させようと思ったら、 自分以外の『何か』を背負った方...
著者初めての講演録。 内田先生の文章は自分にとっては難解な部分が多いが、 ラジオでのしゃべりを聴くととても聴きやすい。 そういった感じが詰まった講演録であった。 印象に残ったフレーズをいくつか。 「知的パフォーマンスを向上させようと思ったら、 自分以外の『何か』を背負った方が効率的にあるに決まっている。 自分の成功をともに喜び、自分の失敗でともに苦しむ人たちの人数が多ければ多いほど、人間は努力する。 背負うものが多ければ、自分の能力の限界を突破することだって可能になる。」 (p62) 「みんなと違う視点から、みんなと違う射程でものをとらえ、 みんなと違う基準で良否を判断するような人間が、 どんな組織にも一定数いないとまずいんです」 (「問題児枠」「バカ枠」 p76) 「『自分が話すのを聴く』というのが思考の原型であって、 思考の主体というのは、『話している私』でも『自分の話を聴いている私』でもなく、 その二人の私の隙間のようなところにある」 (あとがきより p290)
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『レヴィナスと愛の現象学』(内田樹)と並読中。 2012/2/16 くっ、おもしろかった。 一講、一講疲れた頭で読んでたし、何がおもしろかったかはもうはっきり覚えてないんだけど、胸がドキドキしてた。 もっかい読もうっと!
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神戸女学院大学文学部名誉教授・内田樹氏の最終講義(2011年1月22日神戸女学院)を含んだ講演集。 学生を聴者とした講演から、(大阪府)守口市教職員組合での講演も含まれており、文学、思想、教育の多岐に渡る思考に触れることができます。 特に「教育に等価交換はいらない」と題された守...
神戸女学院大学文学部名誉教授・内田樹氏の最終講義(2011年1月22日神戸女学院)を含んだ講演集。 学生を聴者とした講演から、(大阪府)守口市教職員組合での講演も含まれており、文学、思想、教育の多岐に渡る思考に触れることができます。 特に「教育に等価交換はいらない」と題された守口市教職員組合講演会(2008年1月26日)に記された言葉は、子育て中の親にもすっと耳に入って、単に心地良いというだけではなく、その言葉の意味を中身を咀嚼して自分自身の中で醸成させる必要がある素晴らしい講演だと思いました。 普段、本にマークアップや付箋をして読むようなことはほとんどないのですが、読み始めて付箋が手放せなくなり、読み終えると付箋だらけになってしまいました。はじめての経験です。
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次々本が出ている内田先生。とても追いつかない。 職を終える神戸女子大やその他での公演をまとめたもの。 教育に市場原理を持ち込むなというのは以前からの主張だが、学びには教えたいと云う意思が先立つという話は深く納得。 北方領土問題が解決しない理由とか、吃驚する話もある。鳩山首相が米...
次々本が出ている内田先生。とても追いつかない。 職を終える神戸女子大やその他での公演をまとめたもの。 教育に市場原理を持ち込むなというのは以前からの主張だが、学びには教えたいと云う意思が先立つという話は深く納得。 北方領土問題が解決しない理由とか、吃驚する話もある。鳩山首相が米国の軍事抑止力を認識してなかったと告白したってそう云うことだったのか。 最後の何故、レビナスの研究と武道を向かったのかという自己分析が一番の驚き。普通の人なら、気付いても白状しないだろうに。 本書の論旨からチョッとずれるけれど、たぶん、今後反米より嫌中国の雰囲気は強くなっていくと思う。僕自身が間違い無く、四人組の孔子批判の頃から嫌中国。 だが、新聞や評論家のそういう論調で情報がぶれることは気をつけてモノを考えた方が良いと思う。 ウチダ先生の中国論も読んでおかなければ。
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「最終講義」からちょうど1年。 あの時の感動をまた新たにすることができました。 特に、「日本人はなぜユダヤ人に感心をもつのか」は、内田先生がどうしてレヴィナスを研究しようと思ったのかという経緯がよくわかる興味深い講演。
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内田樹先生の大学最終講義録。 『ためらいの倫理学』『下流志向』『子どもは判ってくれない』などで常に伝え続けていたことが、この本に集約されているように感じました。 平易で、読みやすく、綺麗に、じっくりと伝わってきます。
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『同じように、ヴォーリズの校舎の扉の前に立つとき、扉の向こうに何があるか、廊下の先に何があるか、学生たちには事前には何も開示されていません。決意を持って自分の手でドアノブを回したものだけに、報奨が送られる。扉の前に立っているだけで一覧的な情報を請求しても、ダメなんです』ー『I 最...
『同じように、ヴォーリズの校舎の扉の前に立つとき、扉の向こうに何があるか、廊下の先に何があるか、学生たちには事前には何も開示されていません。決意を持って自分の手でドアノブを回したものだけに、報奨が送られる。扉の前に立っているだけで一覧的な情報を請求しても、ダメなんです』ー『I 最終講義』 『ふつうは感動が先で、それを「言葉にする」という順序でものごとは起こると思われているけれど、そうでもないんです。最初に言葉がある。その言葉が何を意味するのかよくわからないままに記憶させられる。そして、ある日その言葉に対応する意味を身体で実感することが起きる』-『V 教育に等価交換はいらない』 わからないからこそ面白い。それは常に自分の価値観の中心にある考えである。内田樹には随分と傾倒しているけれど、これだけは内田樹に教わったわけではない。と言っても自分で辿りついた考えという訳でもないけれど。「去年マリエンバートで」という映画をみた頭でっかちな若者が、意味がよく解らなかったと少しシニカルに感想を述べた時、寺山修司がすかさずにそう言ったという。そのエピソードを知った時、少々大袈裟に言えば全身が痺れたような気がした。大きな「!」が頭に落ちてきたような感覚だった。 もちろん解ることには、もっとはっきりとした歓びが付随していると経験からもわかっている。しかしその境地へ辿りつけるどうかも解らないままに何かを懸命に考え続けるのは苦しい(そのじたばたが楽しいことだと一歩引いた自分は客観的に自分を観察して判断できるとしても)。それなのに何故そこへ留まり続けるのかといえば、これは何だか分からないけれど面白そうだと判断した自分が最初にいるからに他ならない(内田樹の言うアカデミックハイというのに似ていると思う)。何の証拠もないままに。 内田樹の言っていることは、結局のところ、その寺山修司が言ったという言葉に集約される、というか、尽きるのではないだろうかと思ってみる。もちろん内田樹は取り組みの名人で、相手にしている問題を開いて平面に伸ばす力が圧倒的にある。だからその取り組みの様をみているだけでも充分に面白いのであるが、それは彼の前を通り過ぎようとする何かわからないことに対して為された一連の身体の動きの軌跡に過ぎないわけで、本当に感心するべきは、通り過ぎようとする問題の内に何だか面白そうなことが埋まっていそうだから一つ考えてみようか、と問題をつかまえる感知力の高さの方であると思うのだ。 もちろんその後で繰り広げられる思考の過程から容易に察することができるように、内田樹の身体能力もまた随分と高いのは間違いないけれど。 ここに収められた講演の中で、内田樹は教育の問題を念頭に論を展開している。そしてその対比としてビジネスを引き合いにし、ビジネスでは数値評価や等価交換に基づく基本戦略でいいけれど教育にその考えは馴染まない、と説く。しかし、ひと夏の売り上げだけを目的とした商売ならまだしも、事業の継続性や見通しのつかない将来における事業の展開を求める限り、ビジネスの世界にも実は教育の問題はある。継続的に次世代は育ってこなければならない。また、誰も未来を正確に予想することなどできない以上、未知の問題に対処する柔軟な思考のできる人が必要というのは、高等教育の成果として求められているものと全く同じ問題として存在しているのだとも思う。 わからないから判断しない。そんな人ばかりの会社がどうなるかは容易に想像がつく。わからないからやってみようと面白がれる、あるいは、面白そうだと嗅覚のある人たちが、ビジネスの世界にだってやはり必要なのだ、と思うことしきりである。 『だって、面白いじゃないですか。自分でも自分が何を話しているのかよくわからないし、どういうところに話が落ち着いていくのかわからないままに、自分の口だけが意思とは無縁にぺらぺら動くわけですから』-『あとがき』
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4章 ミッションスクールのミッション 倍音から教育論へ展開していくのが、楽しく実際聴いてみたいと思った。 「教わりたいという人がいなくてもとりあえず教えたい」
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勧められて夏の頃に買い積んでたがやっと読むに至る。読後、大学サッカーの観戦で関西学院へいく機会に恵まれ、中央キャンパスに立ったとき、その佇まいに学びの舎としての在り方と学ぶことの意味に少し触れることができた気がした。
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