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最終講義 の商品レビュー

4.4

82件のお客様レビュー

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2011/09/24

最近読んだ本のなかで一番面白かった。 『かすかなシグナルに反応して、何かわからないけれども自分を強く惹きつけるものに対して、自分の身体を使って、自分の感覚を信じて、身体を投じた人にだけ、個人的な贈り物が届けられる』 『「アカデミック・ハイ」がまた経験したいから、僕はとりあえず...

最近読んだ本のなかで一番面白かった。 『かすかなシグナルに反応して、何かわからないけれども自分を強く惹きつけるものに対して、自分の身体を使って、自分の感覚を信じて、身体を投じた人にだけ、個人的な贈り物が届けられる』 『「アカデミック・ハイ」がまた経験したいから、僕はとりあえずよく寝て、健康管理に気づかって、同僚と仲良くして、家族をいたわって……という平凡な暮らしを全力で維持しているわけです。僕がルーティン大好き人間であるのは、ルーティンそのものが好きだからじゃないんです。そうじゃなくて、ルーティンを守って暮らしていかないと、絶対に「アカデミック・ハイ」は訪れてこないということがわかっているからなんです。』 などなど、深く残るフレーズが多く、折ったページばかり。 ひとつひとつメモできないのがもどかしい。 素晴らしい本。 何回か読み返すとおもいます。

Posted byブクログ

2011/09/21

 最近内田樹さんの考え方が割とスピリチュアルな方向に行っている気がするな。いや、悪いことじゃないけど。 数値化できないものの大切さは、教育現場にいるとイヤと言うほど思い知らされる。 同じではないけれど、「何かいやな感じがする。」とか、数値にはできないような目に見えるわけではな...

 最近内田樹さんの考え方が割とスピリチュアルな方向に行っている気がするな。いや、悪いことじゃないけど。 数値化できないものの大切さは、教育現場にいるとイヤと言うほど思い知らされる。 同じではないけれど、「何かいやな感じがする。」とか、数値にはできないような目に見えるわけではない違和感を察知する能力って 確かにある。 それを 「根拠はないけどなんかやだ。でも根拠がないからヤダと言えない。」 と思うのはやめようかと思った。もう少し自分を、自分の感覚を信じていいのだろうと思う。

Posted byブクログ

2011/09/17

講演集なので臨場感があり、とてもおもしろかった。 「あとひと押しされたら崩れる」と嘆く著者が、大学や学校の現在の有り様に対する提言は的を射たもの。教育を市場原理で商品化することがいかに愚かなことかわかる。 自分の武道への傾倒とレヴィナス研究の目的は「反米」だったとのではと、思い至...

講演集なので臨場感があり、とてもおもしろかった。 「あとひと押しされたら崩れる」と嘆く著者が、大学や学校の現在の有り様に対する提言は的を射たもの。教育を市場原理で商品化することがいかに愚かなことかわかる。 自分の武道への傾倒とレヴィナス研究の目的は「反米」だったとのではと、思い至る場面ではなるほどと思った。 ★は4以上。

Posted byブクログ

2011/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「問題児枠」とか「バカ枠」で一定比率、「変なことをやる人間」を採用したほうが、システムとしてしては安全。組織成員が過度に標準化、規格化しないように、ときどき「異物」を混入させておくことは、リスクヘッジの基本です。 EUは日本の北方領土の主権をみとめていうます。2005年7月に、「北方領土は日本に返しなさい」という提案をロシアに向かって出している。当時日本のメディアは報道しなかった。報道したのは読売新聞のみ 教育の本質はおせっかいでしょう。 評価活動の目的は教育研究活動の活性化のはずです。評価活動のペーパワークに忙殺され研究も教育も疎かになってしまってどうするうのか 教育の成果は数値化できない。だから、教育を「投資と利益の回収」というスキームで論じるのは、はじめからお門違い 矛盾 韓非子 矛盾に耐えて生きる事で成熟する 学校の教師だけは、両親と違う価値観を告げなければならない

Posted byブクログ

2011/09/06

● 人間というのは自己利益のためにはそんなに努力しないんです。だって、どんなに努力しても、それで喜ぶのが自分ひとりだったら、そもそも努力する張り合いがないじゃないですか。「面倒くさいから努力するの止めよう」と思っても、それで迷惑をこうむるのが自分ひとりだったら、踏ん張る気力が湧か...

● 人間というのは自己利益のためにはそんなに努力しないんです。だって、どんなに努力しても、それで喜ぶのが自分ひとりだったら、そもそも努力する張り合いがないじゃないですか。「面倒くさいから努力するの止めよう」と思っても、それで迷惑をこうむるのが自分ひとりだったら、踏ん張る気力が湧かない。そんなこと誰が考えてもわかる。 ● つまり、「北方領土を日本に返還しろ」という正論をアメリカがロシアに告げた場合、当然ロシアは「だったらアメリカも沖縄返せよ」と言い出す。 ● それよりは、核兵器は置いてないんだけど、あるように見せかけておく方がずっといい。それなら、コストもリスクもゼロで、抑止力効果だけが期待できる。 ● 母は破局的状況を生き延びることを子どもに求め、父は優劣を競う戦いに勝ち残ることを求める。 ● 旗印を掲げるということは、「選ばれないリスク」を引き受けるということなんです。「みなさん来てください」という学校は「旗を掲げていない」ということです。 ● 子どもたちにはこれから学ぶことの価値も意味も実はわかっていないという根源的な事実を教えるのが、教育の存在理由なわけですから、子どもに「みんなわかっているんだ」という態度を絶対に許してはいけない。 ● 子どもというのは「こうすればよろしい」という単一のガイドラインによって導かれて成長するのではなく、「この人はこう言い、この人はこう言う。さて、どちらに従えばよいのだろう」という永遠の葛藤に導かれて成長するのです。

Posted byブクログ

2011/09/04

いつもながらの内田節が、講演という型式をとることで、より一層「節感」を増して読む者(聴く者)に迫ってくる。 「辺境ラジオ」や「ラジオデイズ」も、あわせてオススメ。

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2011/08/28

研究や教育などは、目の前の人にどうしても話せずにはいられないパッション、本質を見極め商取引でないモデルで考える力が必要だとしている。自分自身が最低のコストで最高の成果を出すことを是とする考え方を、どんな事象にも適応する「賢い消費者」であろうとしてしまっていることに、その愚かさに気...

研究や教育などは、目の前の人にどうしても話せずにはいられないパッション、本質を見極め商取引でないモデルで考える力が必要だとしている。自分自身が最低のコストで最高の成果を出すことを是とする考え方を、どんな事象にも適応する「賢い消費者」であろうとしてしまっていることに、その愚かさに気づかされる一冊だった。

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2011/08/18

いままでのどの内田本よりもメッセージ性が強い。講演録ということもあるだろうが、教育、哲学、武道に携わってきたものの集大成という印象が強い。 最後のユダヤ人嫉妬話はいらなかったかな。ただ、モチベーションなんてそんなもんだ、と喝破されるならアリでした。

Posted byブクログ

2011/08/13

内田先生の文章は優しくて、それだけで涙が出そうになる。 自分が今まで大学に対して抱えていたモヤモヤがなんだったのか、「大学はビジネスであってはならない」という言葉で気づくことができた。 大学は人を育てる場所で、そんな場所が資本主義のダイナミズムで動かされてはならないんだ。

Posted byブクログ

2011/08/13

講演録だけあっていつもの著作以上にテンポ感があって、非常に読みやすく面白かった。実際に講演に行きたかったなぁ。本当に内田さんの思想は面白く分かりやすい。

Posted byブクログ