最終講義 の商品レビュー
本書で語られているのは、教育論だ。 しかし、「どのように教育すべきか」という教師向けの論ではない。 また、「どのように学ぶべきか」という学習者向けの論でもない。 「どのような教育制度であるべきか」という制度論でもない。 上記の内容は含まれているのだが、それは本旨ではないだろう...
本書で語られているのは、教育論だ。 しかし、「どのように教育すべきか」という教師向けの論ではない。 また、「どのように学ぶべきか」という学習者向けの論でもない。 「どのような教育制度であるべきか」という制度論でもない。 上記の内容は含まれているのだが、それは本旨ではないだろう。 そして、多くのページが割かれている「私(内田樹本人)は何を学んできたか」ですら、本旨からは距離がある。 おそらく、それらのテーマを線でつないだときの、その「相互をつなぐ線」そのものが、本書の本旨である教育論だろう。 つまり、教育とは「相互関係」なのだ。
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サブタイトルに「生き延びるための六講」とあるように、2008年から2011年の(いくつかの)講演の中からの珠玉の(?)講演録。 内田先生のこれまでの「街場の○○論」シリーズと同様、専門分野であってもなくても、多角度から仮説を立てて、本質をいかに捉えるか、ということにはつくづく、「...
サブタイトルに「生き延びるための六講」とあるように、2008年から2011年の(いくつかの)講演の中からの珠玉の(?)講演録。 内田先生のこれまでの「街場の○○論」シリーズと同様、専門分野であってもなくても、多角度から仮説を立てて、本質をいかに捉えるか、ということにはつくづく、「なるほどな」の連続。 教育行政の先頭集団のヒトビトには是非ともご一読いただきたいが、「貴重なご意見ありがとうございました」なんだろうな、きっと。
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何かとご意見番の内田樹先生の講義録。 批判的視点というか、物事の本質というか、大事なものを見失うなよと読者に訴える一冊。 私のような凡人より、教育者向けの内容だったけどね。
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「画一的でなく、親や先生がそれぞれ違う事を言う“矛盾”が子供を育てる」というのはなるほどなぁと思った。あと「謎のスペースや階段があるような校舎が教育の場として大事」なども読んでて納得。 講演録というのは初めて読んだけど、テーマからそれたようで最後はちゃんと繋がっていて面白かった。
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内田さんの本はしょっちゅう読んでいて、講演集なのですがまあ読んだことのある話題が多いです。ひょっとしたら音声をそのまま聞いたほうがよいのかもしれないと思う。人文に未来はあるか?とかの題名で結構講演の勝敗は決まるのかもね。とか思ったり。
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内田樹氏の初めての「講演録」。書かれたものと違って、ライブ感が伝わる。6章の「日本人はなぜユダヤ人に関心をもつのか」は、私の個人的な関心とは合致しなかったが、本全体を通してAgreeできる部分が多かった。一番合点がいったのは、あとがきにある「話している自分」と「話している自分の話...
内田樹氏の初めての「講演録」。書かれたものと違って、ライブ感が伝わる。6章の「日本人はなぜユダヤ人に関心をもつのか」は、私の個人的な関心とは合致しなかったが、本全体を通してAgreeできる部分が多かった。一番合点がいったのは、あとがきにある「話している自分」と「話している自分の話を聞いている自分」が分裂し、対話のようなものが成立することに関する話。以前より個人的にも感じていたことだった。
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衝撃を受けた。早く内田樹読めばよかった。私の抱えていた疑問にスパッと答えていただいた。例えば、なぜ文学を学ぶか、とか。私の通っていた文学部はもうなくなってしまった。文学部の任務は終わったとかなんとか理由をつけられて。そのとき私はきちんと反論できなかった。今なら言える。もう遅いけど...
衝撃を受けた。早く内田樹読めばよかった。私の抱えていた疑問にスパッと答えていただいた。例えば、なぜ文学を学ぶか、とか。私の通っていた文学部はもうなくなってしまった。文学部の任務は終わったとかなんとか理由をつけられて。そのとき私はきちんと反論できなかった。今なら言える。もう遅いけど。 そして 内田先生ありがとう。
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アカデミックな人というのは、基本的には知的な領域における「フロントランナー」である…でも、先端的な研究をしている人は何も背負っていない。自分しか背負っていない。自分の業績を積んで、評価され、それによって大学のポストなり、社会的なプレステージを獲得する、自己利益追求のためには意欲的...
アカデミックな人というのは、基本的には知的な領域における「フロントランナー」である…でも、先端的な研究をしている人は何も背負っていない。自分しか背負っていない。自分の業績を積んで、評価され、それによって大学のポストなり、社会的なプレステージを獲得する、自己利益追求のためには意欲的であるが、誰かのためにやっているという感じがぜんぜんしない…アカデミックな人こそ誰でも分かる言葉でフロントラインに立っている状況をアピールして欲しいです。そうだそうだ、と共感できる、こういう分かりやすい指摘が出来ることが内田センセイの魅力だと思います。
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【読書リスト6】内田樹『最終講義』技術評論社。退官前の6講演が収録され、ご本人曰く最初の講演録。内田氏の言葉は分かりやすく人間味があり、でも奥が深い。研究者として相手に分かってもらえるように「情理を尽くして説く」こと、中学生にその学問の魅力を話せるかと言葉、私の心に刻まれました。
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「日本の人文科学に未来はあるか」、泣けました。 知性が回転しているという身体的快感こそが動機のモチベーション、「情理を尽くして語る」ことの大切さ。共感します。 若者を知の入り口へ誘う仕事をしている身の上、「職につながらない」という親たちの心配に、こんな風にストレートに人文科学の...
「日本の人文科学に未来はあるか」、泣けました。 知性が回転しているという身体的快感こそが動機のモチベーション、「情理を尽くして語る」ことの大切さ。共感します。 若者を知の入り口へ誘う仕事をしている身の上、「職につながらない」という親たちの心配に、こんな風にストレートに人文科学の魅力を示せたらいいんだけど。
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