最終講義 の商品レビュー
だいぶん古い講演集。節操なくなんでも語る内田先生だが、まぁ戯言ですと笑えるほどに自信を持って語るので、昔の先生ってのは楽しいんだろうなぁと思う。楽しく読了。
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ー みなさん、「実学」ということを軽々に口にされますが、あらためて「実学って何のことですか?」と聞くと、絶句してしまう。「実用性の高い学問のことです」というふうに答える人もいる。では、と重ねて訊きます。 「天文学は実学ですか? 解剖学は実学ですか?考古学は実学ですか? 数学は実学...
ー みなさん、「実学」ということを軽々に口にされますが、あらためて「実学って何のことですか?」と聞くと、絶句してしまう。「実用性の高い学問のことです」というふうに答える人もいる。では、と重ねて訊きます。 「天文学は実学ですか? 解剖学は実学ですか?考古学は実学ですか? 数学は実学ですか?」すると答えられない。天文学が有用な学問であることは誰だってわかります。でも、自分の子どもが「天文学者になりたい」と言ったら、たぶん「そんな夢みたいなこと言うんじゃないわよ」って言うんじゃないですか。 みなさんがおっしゃってる「実学」というのは有用性とは関係がないんです。要するにそれは「教育投資が迅速かつ確実に回収できるような学問領域」のことなんです。 医学部に入って国家試験に受かって医師になれば教育投資が効果的に回収できる。あるいは法学部に行って司法試験に受かって弁護士になれば、経済学部に入って一流上場企業に入ればなどなど。 実学における有用性というのは、つきつめて言えば「労働市場が高い値を付けること」つまり、「教育投資の元金がすぐに回収できること」のことなんです。それを平然と「実学」と称している。 ー 内田樹さんは、何を主張したいのかが分かりやすい方だ。彼の主張に賛成かどうかは各論なのでさておき、主張が分かりやすいの良いことだ。 レヴィナスとの向き合い方、哲学をするということ、教育について、政治について、、、考えることを放棄してはいけませんよね。 そして、反米的なるもの。 正常性バイアスが働きすぎて麻痺してしまっているのか、なんだかんだいって世界は壊れないと信じている人が多数派なのかよく分からないけれど、今の世界をどう捉えるのかとか、大事な視点だと思う。
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教えたい、というのはお節介で、教える側の思いだけでいいんだって、思った。研修に関して、あれやこれや悩んだけど、私が伝えたいことを、忖度せずに披露しようと思う。 私がぜひ伝えたいって思ったことを伝えて、あとはどう感じるかは、もうお任せだな。
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仕事に躓き休んでいた期間に読んだ本。 いろいろ面白い部分はあるけれど、その中で1つ。 シラバスに対する批判で、学ぶ側に明確なニーズが最初からあるはずがない、という話。一例として芸能人のよくある動機が「友人に誘われて」「兄弟が勝手に応募して」など。 だから本人はどうして自分がここ...
仕事に躓き休んでいた期間に読んだ本。 いろいろ面白い部分はあるけれど、その中で1つ。 シラバスに対する批判で、学ぶ側に明確なニーズが最初からあるはずがない、という話。一例として芸能人のよくある動機が「友人に誘われて」「兄弟が勝手に応募して」など。 だから本人はどうして自分がここにいるのかわからない。 そんな時は、一旦自分の価値観などを「棚上げ」すること。自分の手持ちのものさしではここにいる理由を計れないのだから、別の言葉づかいを見つけ出さなければいけない。考えたり、人に聞いたり、本を読んだり。そうやっていくうちに一つの何かに精通して「プロフェッショナル」になる。 これは別に学ぶことに限った訳ではなく、仕事もそうかなと思った。こんな仕事がしたい!っていう明確な"ニーズ"を決めなくても、前に進んでよいと言われた気がした。進みながら、努力していくことだってできる。
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教育の現場に長く身を置いた方だからこそ、言葉に説得力がある。 文学研究はすべての学術の中心である、教育に市場原理を持ち込まない、「いいから黙って勉強しろ!」と実感の伴わない言葉を覚えることの有用性、子どもは葛藤の中でしか成熟しない、などなど、なるほどと唸ってしまう。倍音の話も非常に興味深い。内田先生の本は引用が止まらないから困る。
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平和だと自殺者が増え、戦争中や準-戦争状況や苦しい時代は自殺者や精神疾患が減る。精神疾患が治ったりする。 太宰って戦争中は元気だったような……。
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私利私欲のために能力は最大化しない。 「教育における等価交換」 学ばざるものには見えないが一歩先に行くものには見える世界がある。それを伝えることは難しいが,価値のあることである。見えないからしないでは学べない。とにかく進むことがそこに至る唯一の方法である。 「張良」の話をどこかで...
私利私欲のために能力は最大化しない。 「教育における等価交換」 学ばざるものには見えないが一歩先に行くものには見える世界がある。それを伝えることは難しいが,価値のあることである。見えないからしないでは学べない。とにかく進むことがそこに至る唯一の方法である。 「張良」の話をどこかでしゃべってみよう。 ユダヤと辺境論 ミッションスクール,大学や教え手のミッション
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ユダヤ人は世界中に離散しており、人種も様々である。イエメン国籍のユダヤ人、アメリカ国籍のユダヤ人が存在している。言語も異なる。宗教も一神教である。日本人は特定地域に集住しており、共通言語でコミュニケーションができ、生活習慣にも共通であり、多神教である。全てにおいてユダヤ人とは真逆...
ユダヤ人は世界中に離散しており、人種も様々である。イエメン国籍のユダヤ人、アメリカ国籍のユダヤ人が存在している。言語も異なる。宗教も一神教である。日本人は特定地域に集住しており、共通言語でコミュニケーションができ、生活習慣にも共通であり、多神教である。全てにおいてユダヤ人とは真逆にある。このように日本人とユダヤ人が同祖であることは考えにくい。
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内田樹氏の講演録。 本のタイトルにもなっている神戸女学院大での最終講義をはじめ、日本社会や教育をテーマとした6講演を収録。 いや~面白かった。以下、特に印象に残ったところと、その感想。 ◆ヴォーリズの学校建築 私も、小学校にあった使われていないダストシュートや焼却炉、中高の、本館と東館と北館て何階で繋がってるねん!みたいな複雑な構造は大好きでした 仕掛けのある建築っていいよね~ ◆判断力や理解力を最大化する方法は「上機嫌でいること」 ◆アカデミック・ハイ ◆母親(と父親)の育児戦略 うちの母の育児戦略は母親的でもあり父親的でもあったと思います。 で、それとは話がズレますが、私を長男として育てたのではないかと最近よく思います。 ◆倍音的文体 この話はかなり面白かった。 日常、文章を読んでいて、この"アハ体験"はよくあります 上記の通り内容もかなり面白かったのですが、それ以上に、専門に研究している訳でもない領土問題や中国の外交等のトピックでも思わず成程、と感心してしまうような説を立てている内田氏の知性(佐藤優氏が言うところの"インテリジェンス"?)に、今回も感動しました。 アタマがいい人の知的生産って、こう言うもんなんやな~ 面白いし、かっこいい。すごく憧れる どうすれば、こう言う「本質を見る力」とか「考える勘所」を身に付くんだろう・・ ともあれ、面白かったです。
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内田氏の講義を大学生のときに聞いていたら、今よりずーっとまともな人になっていただろうと思わせるだけの魅力ある講義の数々でした。特に『日本の人文科学に明日はあるか(あるといいけど)』での「人間というのは自己利益のためにはそんなに努力しないんです。だってどんなに努力しても、それで喜ぶ...
内田氏の講義を大学生のときに聞いていたら、今よりずーっとまともな人になっていただろうと思わせるだけの魅力ある講義の数々でした。特に『日本の人文科学に明日はあるか(あるといいけど)』での「人間というのは自己利益のためにはそんなに努力しないんです。だってどんなに努力しても、それで喜ぶのが自分ひとりだったら、そもそも努力する張り合いがないじゃないですか。」に納得し、『日本はこれからどうなるのか?』のメディア批判は痛快でした。これからも内田氏の著作を通じて勇気と元気と負けん気をもらうことにしましょう。
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