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最終講義 の商品レビュー

4.4

82件のお客様レビュー

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2014/02/09

この本の中でも倍音についての言及があるけれど、何故内田先生の「いつもの話」を自分が執拗に読み込んでしまうのか、と考えたときに、大筋という意味での「内容」は大きな目的ではなくて(ある意味それらはもう血肉になっているからね)、それらが語られるときに聞えてくる倍音の心地よさを求めている...

この本の中でも倍音についての言及があるけれど、何故内田先生の「いつもの話」を自分が執拗に読み込んでしまうのか、と考えたときに、大筋という意味での「内容」は大きな目的ではなくて(ある意味それらはもう血肉になっているからね)、それらが語られるときに聞えてくる倍音の心地よさを求めているのではないか、と。 もちろん論考のレトリックや「次数を上げる」思考の実例から毎回学ぶことも多いんだけども。 ってことで、より「語り」に近い(はずの)講演録であるこの本は、倍音を疑似体験するのにもってこいなわけだ。うん、たしかに気持ちよかった。

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2014/01/26

学ぶこと、学びを導くことの意味に得心がいき、自身の学びへの意欲がかきたてられた。もっと若い時に読めれば、もっと良かったと思うけれど、今だから分かるのかもしれないし。

Posted byブクログ

2013/11/10

 副題にある「生き延びるための六構」というのは,ちと大げさか…それにしても,著者が,これまで大学人として,研究者としてやってきたことが,分かりやすくとかれていて,とても興味深く読み進めることが出来ました。  難解な哲学を身近な例を出して説明する技に長けているのは,私のような凡人に...

 副題にある「生き延びるための六構」というのは,ちと大げさか…それにしても,著者が,これまで大学人として,研究者としてやってきたことが,分かりやすくとかれていて,とても興味深く読み進めることが出来ました。  難解な哲学を身近な例を出して説明する技に長けているのは,私のような凡人に取ってはありがたいです。  学問をこよなく愛し,次世代に伝えていきたい…そんな思いがびしびし伝わってきます。  教育が商品化してきた現在の状況を憂いながらも,教員である私に勇気を与えてくれる本でした。

Posted byブクログ

2013/07/22

人間はどのように欲望を覚えるのか、どうやって絶望するのか、どうやってそこから立ち直り、どうやって愛し合うのか…。自身の最後に行われた授業をはじめとする6本の講演を収録した内田樹氏初めての講演集です。 僕は内田氏の著作をあまり読んだことはないのですが、本書は著者初の講演集だそうで...

人間はどのように欲望を覚えるのか、どうやって絶望するのか、どうやってそこから立ち直り、どうやって愛し合うのか…。自身の最後に行われた授業をはじめとする6本の講演を収録した内田樹氏初めての講演集です。 僕は内田氏の著作をあまり読んだことはないのですが、本書は著者初の講演集だそうです。古今東西、大学教授の最終講義といえば、印象的な授業が多く、僕は不幸にして、そういった授業にはナマで出会ったことはないのですが、インターネットが発達した昨今、言語的な障害さえクリアーできればそういう授業には簡単にアクセスできるので、そういったところにはとても感謝しております。 ここに収録されているのは内田氏が所属している神戸時女学院大学で行われた最終講義を始め、6つの講演が収録されております、タイトルもそれぞれ刺激的で、『日本の人文科学に明日はあるか(あるといいけど)』や、『ミッションスクールのミッション』果ては自らの専門領域であるユダヤの研究に関連した『日本人はなぜユダヤ人に関心を持つのか』まで教育のありようや、昨今の人文科学の様子まで、本当に多岐に渡るお話を伺えて、久しぶりにこういう手の話を聞いたような気がいたします。 僕も大学は人文科学系でしたが、別な方向にそれてしまって以来、ずいぶんと離れてしまったので…。それはさておき、僕は縁のないであろう女子大学という教育機関。それも神戸女学院大学の建物から、女子の教育という命題について、キャンパスの建物についてから、『旗を掲げる』ということの「意味」など、読んでいて本当に面白い話が散見されておりました。特に、『教育に等価交換はいらない』という演題で話された講演では、「市場原理主義」が教育について語るときに、感じた反発が縦横無尽に語られていて、『市場は常に間違えない』という考え方も何でもかんでも用いてはいけない、ということを切々と訴えていて、それがとても印象に残っております。 繰り返しになりますが、僕は内田氏の著作をあまり読んだことがないので、人によっては同じことの繰り返しかと思われるのでしょうが、僕個人にとっては楽しく拝読ができました。

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2013/07/11

最近「タツル本」にハマっています。「まっとうなこと」をフツーの人でもわかりやすく伝える伝道師。この本は講演録でまさに伝道の記録なのでライブ感抜群。6本の講演録、どれも本当に面白いのですが、繰り返し語られる教育についての考え方は、全ての親、教育関係者、文科省のお役人にぜひ読んでもら...

最近「タツル本」にハマっています。「まっとうなこと」をフツーの人でもわかりやすく伝える伝道師。この本は講演録でまさに伝道の記録なのでライブ感抜群。6本の講演録、どれも本当に面白いのですが、繰り返し語られる教育についての考え方は、全ての親、教育関係者、文科省のお役人にぜひ読んでもらいたい…既に信者ですね、私(~_~;) タイトルにもなっている神戸女学院大の最終講義は感動的。他に知性の身体性とか倍音とか、私が最近気になっているあたりの話題も面白かったです。

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2013/06/07

大学教員が定年退官にあたって振り返りを行う「最終講義」というセレモニー。自慢話や、単なるおしゃべり、どうしようもないのも多いけれど、自分の業績の達成点と残した課題をしっかりと確認するものであったり、すばらしいものも多い。内田先生の最終講義は、過ごしてきた大学の建物それ自体の中に、...

大学教員が定年退官にあたって振り返りを行う「最終講義」というセレモニー。自慢話や、単なるおしゃべり、どうしようもないのも多いけれど、自分の業績の達成点と残した課題をしっかりと確認するものであったり、すばらしいものも多い。内田先生の最終講義は、過ごしてきた大学の建物それ自体の中に、学びの本質が隠されているという、興味深いお話だった。  他に収録されている講演も、それぞれおもしろい。「日本の人文科学に明日はあるか(あるといいけど)」では、内輪向けの研究しかやらない学者を嘆き、「ミッションスクールのミッション」では、(学びたいではなく)教えたいというところから学校は始まっている。だから、教えたいことを教えるべきという主張が鋭く、どの講演も、話がどう進むのかわからないようなライブ感が漂うところも楽しかった。

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2013/04/16

人文学、教育、学問、ユダヤと、内田樹の著作に慣れ親しんだものとしてはとくに目新しさは何も感じないいつものトピックといつもの主張たち。ただ、内田樹がなぜ武道を、ユダヤの研究をしているのか、まったく関連性のないように思えるこれらを追求しているのはなぜか、といったことについて語られてい...

人文学、教育、学問、ユダヤと、内田樹の著作に慣れ親しんだものとしてはとくに目新しさは何も感じないいつものトピックといつもの主張たち。ただ、内田樹がなぜ武道を、ユダヤの研究をしているのか、まったく関連性のないように思えるこれらを追求しているのはなぜか、といったことについて語られていて。それがとても面白かった。というのは、わたし自身が自分の広がっていった興味方向をどう統合させればいいのか、わたしがこれを学びたいと思うのは、これに関心を持つのは、本当のところなぜなのか、そういったことを言語化出来ずに苦しんでいたから。内田先生からすれば学びに対する正しい態度なんだろうけど、まあ本人としてはあまりのもどかしさに大変苦しめられていて。笑 内田先生の語ることは、学びに対する姿勢も含めて、わたしが自分の問題を探り当てる、言語化する助けになるだろうと感じました。というわけでいま読んでよかった。

Posted byブクログ

2013/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 内田樹の講演集である。最終講義を含んで、6つの講演が収められている。彼の話は、講演という媒体によって一層憑依状態が露わになって、とても良い。この人は対談とか講演とか、自分以外の誰かがあるときにより活性化されるように思う。  内田樹の教育論は、常にまっとうなことを言っていると思う。問題はそれが現代の教育論の主流となっていないことだ。どこかで教育界は舵取りを間違えたように思う。経済的効果を追求してしまったのが、その原因だろう。  長い中断期間を挟んでしまったが、非常に楽しく読んだ。

Posted byブクログ

2013/02/25

内田樹さんの講演録。 ひさしぶりに読みたくなったので、今回再読しました。 教育の話がとてもいいと思う。教えることについて、とか、いろんな人間がいたほうがいい、というような内容にしびれました。 ただ、最後の章のユダヤ人の話は毛色が違いすぎた。あまり興味も湧かなかったので、流し読みし...

内田樹さんの講演録。 ひさしぶりに読みたくなったので、今回再読しました。 教育の話がとてもいいと思う。教えることについて、とか、いろんな人間がいたほうがいい、というような内容にしびれました。 ただ、最後の章のユダヤ人の話は毛色が違いすぎた。あまり興味も湧かなかったので、流し読みしてしまいました。

Posted byブクログ

2013/02/11

総集編としては良質。 内田樹さんが先生(教授)として最後の講義を行った際の話を6つ取り扱っています。 何冊か著者の本を読んでいてある程度知っているので、既視感のようなものがありました。 しかし、まだ内田樹さんの本を読んだことがなかったり、少し読んで共感できているならばオススメで...

総集編としては良質。 内田樹さんが先生(教授)として最後の講義を行った際の話を6つ取り扱っています。 何冊か著者の本を読んでいてある程度知っているので、既視感のようなものがありました。 しかし、まだ内田樹さんの本を読んだことがなかったり、少し読んで共感できているならばオススメです。 各章論点は違うので一概に何を言っているかは言えませんが、総集編ですのでファンの方以外は何か目的のある読書にはあまりならないと思います。

Posted byブクログ