せんせい。 の商品レビュー
教師と生徒を題材にした短編集。 教師とはいえ人間。完璧ではないし、失敗や後悔もある。 完璧ではなくても生徒の心に寄り添える教師であって欲しかったな、と感じる作品もあった。 一方で、厳しくても生徒にとってはかけがえのない教師の話はじんときた。
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先生と生徒からなる6つの短編集。 昔は色々な個性豊かな先生がいたなぁ。 よくビンタさせられたりもした。今なら体罰で大問題になってしまうだろう。 でも、それが先生からのメッセージであったのだと今考えれば思う。 現代の先生像ってどんなんだろう。 作者からしたら、あのとき先生が教...
先生と生徒からなる6つの短編集。 昔は色々な個性豊かな先生がいたなぁ。 よくビンタさせられたりもした。今なら体罰で大問題になってしまうだろう。 でも、それが先生からのメッセージであったのだと今考えれば思う。 現代の先生像ってどんなんだろう。 作者からしたら、あのとき先生が教えてくれたことが、大人になって胸に染み入るってことなんだろうな。
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せんせい。生徒がいなけれは決して成立しない仕事。生徒から学び、正しい完璧な教育法なんてないと知りながら謙虚でいるべき仕事。学生のためにと自己犠牲を払い続けることなく、自分の好きな生き方からも教えられることがある仕事。ここに書かれている全てのせんせい。は尊いです。
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私は現在、小学校の先生になるために大学の教育学部で教職課程をとりつつ、ボランティアやアルバイトで小中高校生と関わっている。 その中で感じるのは、 「教師の仕事は勉強を教えることだけでは無い」 ということだ。 子供たちが生きていくために大切なことを悟らせる、子供たちと一緒に人間と...
私は現在、小学校の先生になるために大学の教育学部で教職課程をとりつつ、ボランティアやアルバイトで小中高校生と関わっている。 その中で感じるのは、 「教師の仕事は勉強を教えることだけでは無い」 ということだ。 子供たちが生きていくために大切なことを悟らせる、子供たちと一緒に人間として成長していく。 これができる教師に私はなりたい。
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文庫本のあとがきに、教師濃度の高い作品集との作者説明あり。2001年に書かれた、気をつけ礼、なにやら自伝的な物語に読めます。2008年 泣くな赤鬼、は、映画もいいけれど(赤鬼演じるは、堤真一)、小説には小説の良さがあるな、と改めて感じさせてくれる作品、作者の紡ぎだす先生と生徒の物...
文庫本のあとがきに、教師濃度の高い作品集との作者説明あり。2001年に書かれた、気をつけ礼、なにやら自伝的な物語に読めます。2008年 泣くな赤鬼、は、映画もいいけれど(赤鬼演じるは、堤真一)、小説には小説の良さがあるな、と改めて感じさせてくれる作品、作者の紡ぎだす先生と生徒の物語に☆四つです。
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『にんじん』が特に心に残りました。 私にも、1人だけ先生としてではなく、人間として許せなかった先生がいます。だからかもしれません。 『ドロップスは神さまの涙』の保健室の先生が、担任の先生にビシッと言ってくれたところはスカッとしました! 良いも悪いも、やはり先生というものは多...
『にんじん』が特に心に残りました。 私にも、1人だけ先生としてではなく、人間として許せなかった先生がいます。だからかもしれません。 『ドロップスは神さまの涙』の保健室の先生が、担任の先生にビシッと言ってくれたところはスカッとしました! 良いも悪いも、やはり先生というものは多少なりとも影響がありますよね。 あの頃の世界は学校が全てですから。学校が全てじゃない、先生が全てじゃない…もっともっと子供たちの世界が広がるといいな。
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先生とて、決して聖人ではなく、人間なのでいいろいろな感情はあるけれど、生徒が好きではないという理由で、無視する先生はいただけない。ほとんどいじめに近い扱いをする先生は、好きになれないなあ、ひどいなあと感じた。どれほど、この少年が傷ついていたのかなと思うけれど、先生よりずっと大人だ...
先生とて、決して聖人ではなく、人間なのでいいろいろな感情はあるけれど、生徒が好きではないという理由で、無視する先生はいただけない。ほとんどいじめに近い扱いをする先生は、好きになれないなあ、ひどいなあと感じた。どれほど、この少年が傷ついていたのかなと思うけれど、先生よりずっと大人だったような気がする。 保健室の先生が一番素敵だったかな?厳しくて怖いけれど、ちゃんと見たくれているやさしさがあったから。 この、物語の先生は、人間臭くて、たぶん、こういう先生に会っていたら、学校は好きに離れなかったのかもしれないなと思う。あまり、好きになれる先生はいなかった。
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帯に「泣ける」と書かれていた。これまでそういったことが書かれていても泣けたり泣けなかったりしたのだが、この本は泣けた。 有名な重松清さんの作品を初めて読むこととなった。評判通り面白い。一気に読めた。 『せんせい。』は、生徒と教師の六つの物語(短編集)なのだが、特に印象深かった...
帯に「泣ける」と書かれていた。これまでそういったことが書かれていても泣けたり泣けなかったりしたのだが、この本は泣けた。 有名な重松清さんの作品を初めて読むこととなった。評判通り面白い。一気に読めた。 『せんせい。』は、生徒と教師の六つの物語(短編集)なのだが、特に印象深かったのは「にんじん」と「泣くな赤鬼」だった。 「にんじん」は中盤〜終盤、ずっとどうなるのかとドキドキしながら読んだ。教師が生徒を徹底的に嫌うといたことと、“にんじん”がちゃんと自分が嫌われていることをわかっていて、それでも大人になって先生を許すという結末が印象深かった。 泣いたのは「泣くな赤鬼」。登場人物が誰であれ、私は癌と闘うもの、病によって命を落としてしまうストーリーに弱い。映画化もしていることを読んでから知った。先に原作が読めてよかった。 最後の「気をつけ、礼」は重松さんの実体験をもとにしたお話なのだろうか。 教師というものに対する解像度が高くて、終始驚かされた作品でもあった。
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物語全編通して、ほんとに個性豊かな「せんせい」たちが出てきて、面白い。学校という場では生徒に焦点が当てられがちだけど、先生もやっぱり1人の人間で、みんな自分を生きてるんだろうなと感じた。 「白髪のニール」 「キープ・オン・ローリングなんよ。」、「止まらん、いうことよ。」、「終わ...
物語全編通して、ほんとに個性豊かな「せんせい」たちが出てきて、面白い。学校という場では生徒に焦点が当てられがちだけど、先生もやっぱり1人の人間で、みんな自分を生きてるんだろうなと感じた。 「白髪のニール」 「キープ・オン・ローリングなんよ。」、「止まらん、いうことよ。」、「終わらん、いうことよ。」「要するに、生き抜く、いうことよ。」はやっぱり響く。 「ドロップスは神さまの涙」 最後に笑ったヒデオバの笑顔を想像すると、自然と笑顔が溢れてしまう。保健室の先生って不思議だしすごい。 「マティスのビンタ」 画家であることを諦めなかった先生なりの松崎への指導は、誰も邪魔することのできないものだったんだと思う。その手は画家であり、やはり教師でもあったんだろうな。 「にんじん」 正直この物語がこの本の中で1番リアルで、印象に残った。顔を見るだけでなぜか歯を食いしばってしまうような、なんとなく嫌いな奴って誰しもいるんじゃないかな。でも、それをなんらかの形で表出してしまった瞬間、自分の負けなのかもしれない。先生は必ずしも完璧じゃないといことを体現してしまった工藤に、同情したくてもやはりできないな。 胸くそ悪いけど、逆にそこまでリアルに人物を描ける著者の実力を賞賛せずにはいられない。 「泣くな赤鬼」 厳しく接することしかできなかった教師って、本当にたくさんいるんだろうな。でも、赤鬼のように、「俺の生徒になってくれて、俺と出会ってくれて、ありがとう」と思える教師はなかなかいないんじゃないかな。 「気をつけ、礼」 著者の経験にも基づいているはずなのに、程よくフィクションを感じさせるのは、著者の巧みな筆致あってこそなんだろうなと。先生ってほんとに不思議。 あとがきも、最後に作品を完成させる上で欠かせないものだなって改めて感じた。著者の「教師と生徒」観あっての作品であることを、認識しているかしていないかで、作品との向き合い方が大きく違ってくると思う。
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あとがきが響いた。 僕は教師という職業が大好きで…けれど、僕は同時に教師とうまくやっていけない生徒のことも大好きで… 激しく共感。 この短編集には6編の先生と生徒の物語が入っている。 先日見た映画の原作「泣くな赤鬼」を読もうとページを開いたのだが、すべて...
あとがきが響いた。 僕は教師という職業が大好きで…けれど、僕は同時に教師とうまくやっていけない生徒のことも大好きで… 激しく共感。 この短編集には6編の先生と生徒の物語が入っている。 先日見た映画の原作「泣くな赤鬼」を読もうとページを開いたのだが、すべての話にどっぷり浸る。 どの話もホロリとさせられるのはなぜだろう。 当時の先生の年齢を追い越してからふと考えると先生も若かったんだよな、と思うことが実際ある。 今の私なら大目に見たり、許したりできることでも当時は恨みつらみに思ったこともたくさんある。 「ドロップスは神様の涙」の保健室のヒデおばと河村さん 「にんじん」の工藤先生と伊藤くん 「泣くな赤鬼」の赤鬼とゴルゴ 特に心に残った。 どの作品にも生徒だったころの私が見え隠れし、ホロリときた。 当時の先生より年齢を重ねた私が、先生も人間、完璧な人間なんていない、と思またまたホロリ。 ふと学生時代を思い出した、そんな1冊だった。
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