せんせい。 の商品レビュー
重松さんの描く「親子」や「教師と生徒」が好きだ。 なぜだろうか。重松さんの描く親や教師はどこか懐かしくて心のどこかがキュッとなるのだ。自分がもう子供時代が遠い昔だからと言うのもあるのだろうが、それだけじゃない。自分が普段忘れている記憶が呼び起こされるからかもしれない。 自分が大...
重松さんの描く「親子」や「教師と生徒」が好きだ。 なぜだろうか。重松さんの描く親や教師はどこか懐かしくて心のどこかがキュッとなるのだ。自分がもう子供時代が遠い昔だからと言うのもあるのだろうが、それだけじゃない。自分が普段忘れている記憶が呼び起こされるからかもしれない。 自分が大人になってみると、当たり前のことに気づく。親も教師も、全然完璧なんかじゃない、一人の人間なんだよな、と言うこと。子供の頃はそんなことが分からないから、どうして大人なのにこんなこと言うんだろう、と反発したり、大人が言うんだから間違いない、自分がダメなんだ、とあまりに素直に悲しい言動も受け入れてしまったり。そうやって当時のことが俯瞰的に見えるようになってから読む、重松さんの親や教師の物語は、子供の頃には分からなかった、大人の戸惑いや不安や悲しみを描いてくれていて、それを、自分が見てきた親や教師の思い出と重ねてしまうのかもしれない。 「白髪のニール」の中にこんな一節がある。『不思議と寂しい。ほんとうに、なぜか、寂しくてたまらない。 懐かしさは寂しさを埋めてくれるだけではない。かえって寂しさがつのる懐かしさだってある。四十歳を過ぎると、そういうことが少しずつ増えてくる。』 この感覚はとても良く分かる。たとえ楽しかった記憶の思い出であっても、懐かしいよなあなんて話していると、なぜか寂しさがこみあげてくるのだ。最近思うのは、学生時代に思い出す子供の頃の思い出は、純粋に楽しかったことは楽しかったことだった。きっとそれは、同じような楽しみをまだ今の学生時代の中で再度体験できるかもしれないから。けれども、いったん社会人になると、子供の頃や学生時代の楽しかった出来事は、もうこの先経験することが出来ない楽しみだとわかっているから、何とも言えない寂しさを感じるのかもしれない。 そう考えると、この「白髪のニール」で『サマーフェスティバル』で先生のギターをまた聞くことができた長谷川くんを羨ましく思う。
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「泣くな、赤鬼」241頁 「悔しさを背負った。おとなになった。私の教え子は、私の見ていないうちに、ちゃんと一人前のおとなになってくれたのだ。」245頁 「俺の生徒になってくれて、俺と出会ってくれて........ありがとう..........」246頁
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先生だって人間で完璧じゃないと改めて思える作品。でも、どんな先生でも生徒にとって先生は先生。多感な時期において生活を共に過ごす先生から教わることはたくさんある。そして、その教わったことが人生にいきてくるときが来る。 私は小中高で出会ったお世辞にも尊敬できるとは言えない先生でも、...
先生だって人間で完璧じゃないと改めて思える作品。でも、どんな先生でも生徒にとって先生は先生。多感な時期において生活を共に過ごす先生から教わることはたくさんある。そして、その教わったことが人生にいきてくるときが来る。 私は小中高で出会ったお世辞にも尊敬できるとは言えない先生でも、教わったことはたくさんあると思っている。数多くいる先生と生徒の中から先生と出会えたことは奇跡だなと感じる。
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2008年に『気をつけ、礼』のタイトルで 発行された作品 学生だった頃は先生とは常に正しく、人の手本にならなければいけない人と思っていました。何かを教え与えなければならないそんなプレッシャーの中で湧き起こるいろんな感情と戦いながらも生徒の前では情けない自分は晒せない。先生とは大変...
2008年に『気をつけ、礼』のタイトルで 発行された作品 学生だった頃は先生とは常に正しく、人の手本にならなければいけない人と思っていました。何かを教え与えなければならないそんなプレッシャーの中で湧き起こるいろんな感情と戦いながらも生徒の前では情けない自分は晒せない。先生とは大変な職業だと大人になった今ならわかる。 そんな先生の人間らしさを描いた6遍の短編集でした。どれも良かったです 久しぶりに読んだ重松清作品にまた感動でした。
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一行書評 『先生だって、人間だもの、時には・・・』 先生と生徒の心の揺れを描いた6編の短編集。 人間味溢れる先生の描写に、学生時代の先生の姿を重ねながら読んだ。 『白髪のニール』が最高!ロックンロールの真髄を見た!
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私自身、先生という仕事をしているので、自分の身の振りと重ねる部分があり、とても興味深い話だった。 先生も人間だよなと、改めて思う。
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どの短編も大人になって卒業した後の、「先生」とのエピソードを生徒目線や先生目線から書いている。 自分が卒業生を出してないからまだわからないけれど、教師という仕事は誰かの人生に少なからず関わっていると改めて感じました。してあげられることは少ないけれど、偉くなくて良いけど、ちゃんと...
どの短編も大人になって卒業した後の、「先生」とのエピソードを生徒目線や先生目線から書いている。 自分が卒業生を出してないからまだわからないけれど、教師という仕事は誰かの人生に少なからず関わっていると改めて感じました。してあげられることは少ないけれど、偉くなくて良いけど、ちゃんと生き方を教えてあげたい。
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2020.10.07~10.10 国語の読解問題で取り上げられていたので、続きが気になって読んだ。 嫌なタイプの先生、「こんな先生、居たら良かったのに」と思う先生。人間だから仕方がないけど、でも、それでは先生としての職業はダメなんだよ。 この本、多くの先生に読んでほしい。そして、...
2020.10.07~10.10 国語の読解問題で取り上げられていたので、続きが気になって読んだ。 嫌なタイプの先生、「こんな先生、居たら良かったのに」と思う先生。人間だから仕方がないけど、でも、それでは先生としての職業はダメなんだよ。 この本、多くの先生に読んでほしい。そして、考えてほしい。
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とても良かったです。 先生とはいえ一個人、個性的な先生と、個性的な生徒のいろいろなお話。 沢山感動しました。
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私自身、教師を目指すという過程でこの本と出会いました。 近い将来「先生」と呼ばれる立場に立って、自分は何を児童生徒に伝えられるのか、そう思い悩んでいた時に読みました。 本作品は、短編集のような形で様々な先生のあり方が記されており、自分らしくも先生でいるということの大切さを感じます...
私自身、教師を目指すという過程でこの本と出会いました。 近い将来「先生」と呼ばれる立場に立って、自分は何を児童生徒に伝えられるのか、そう思い悩んでいた時に読みました。 本作品は、短編集のような形で様々な先生のあり方が記されており、自分らしくも先生でいるということの大切さを感じます。
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