出世花 の商品レビュー
50ページ目くらいで泣いた。こんな序盤に泣いたのは初めての経験だった。登場人物がみんなひたむきに一生懸命生きてて素敵。
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物語の初めの方で久居藩とあり、お香の告白シーンで、伊勢国の津藩との記載がある。 本筋には関係無さそうだが、私の生まれ育ちは三重県なので、なんだか嬉しい。 あきない世傳でも、郷里の地名が出てきて、今回もまた出てきて、かなりマイナーな地域なのに文字になっていて、不思議な気持ちになった...
物語の初めの方で久居藩とあり、お香の告白シーンで、伊勢国の津藩との記載がある。 本筋には関係無さそうだが、私の生まれ育ちは三重県なので、なんだか嬉しい。 あきない世傳でも、郷里の地名が出てきて、今回もまた出てきて、かなりマイナーな地域なのに文字になっていて、不思議な気持ちになった。 あきない世傳や、みをつくし料理帖を先に読んでいたので、デビュー作だというこの作品は、少し読みづらい。流れるような文章ではなく、つっかえてしまうような。 話自体は、やはり人情系でよかった。 続編の蓮花の契りも、読みたい。
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続編を先に読んでしまったが、こちらを読んでいろいろと腑に落ちた。 十数年前、映画「おくりびと」を見てそんな仕事が!と思ったが、3年前母を見送った際のエンバーミング技術にはただただ驚愕。そして感謝。 200年の時を経て、さらに昨今ではコロナの影響で葬儀の形も変化しているけれど、見送...
続編を先に読んでしまったが、こちらを読んでいろいろと腑に落ちた。 十数年前、映画「おくりびと」を見てそんな仕事が!と思ったが、3年前母を見送った際のエンバーミング技術にはただただ驚愕。そして感謝。 200年の時を経て、さらに昨今ではコロナの影響で葬儀の形も変化しているけれど、見送る遺族の気持ちは変わることがない、と実感した。
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三昧聖、正念。題材としては、おくりびと。あきない世傳を待つ身として、読みましたが、次作が楽しみです!
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死者の弔いが専門の「墓寺」にて屍を洗い清める事を「湯灌」といって執り行われていた事を初めて知りました。墓寺の住職で人格者の正真、修業僧で慈愛に満ちた正念、そんな彼らに9歳で拾われ見守られて三昧聖として育つ主人公お縁。湯灌に携わる事を穢らわしいと疎まれていたところから次第に「お縁に...
死者の弔いが専門の「墓寺」にて屍を洗い清める事を「湯灌」といって執り行われていた事を初めて知りました。墓寺の住職で人格者の正真、修業僧で慈愛に満ちた正念、そんな彼らに9歳で拾われ見守られて三昧聖として育つ主人公お縁。湯灌に携わる事を穢らわしいと疎まれていたところから次第に「お縁による湯灌を」と望まれる迄になっていくのは、お縁の人柄が現れる丁寧で心の籠もった湯灌の仕事っぷりから。江戸の市井の人々の中でも特に底辺で辛い暮らしを強いられ「最後はお縁の手による湯灌で」と望むしかない人々とお縁との絡みが人情味溢れ哀しい。
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死者を弔う寺のお話なので、辛い話も多いかと思いましたが、作者さんのお話にはずれはないと思い読み始めました。
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不義密通の大罪を犯し、男と出奔した妻を討つため、 矢萩源九郎は幼いお艶を連れて旅に出た。六年後、 飢え凌ぎに毒草を食べてしまい、江戸近郊の下落合の 青泉寺で行き倒れたふたり。源九郎は落命するも、 一命をとりとめたお艶は、青泉寺の住職から「縁」という 名をもらい、新たな人生を歩むこ...
不義密通の大罪を犯し、男と出奔した妻を討つため、 矢萩源九郎は幼いお艶を連れて旅に出た。六年後、 飢え凌ぎに毒草を食べてしまい、江戸近郊の下落合の 青泉寺で行き倒れたふたり。源九郎は落命するも、 一命をとりとめたお艶は、青泉寺の住職から「縁」という 名をもらい、新たな人生を歩むことに…。
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湯灌という儀式は決して美しいことではなく、まして高田さんの描写は時に生々しいのにもかかわらず、場面を読んで伝わってくるものが静謐さであるところに驚かされます。彼女はどうしてこんなにも凛としていられるのか。幼いころからの彼女に圧倒されながら読みました。小さいですがまるで検視官が謎を...
湯灌という儀式は決して美しいことではなく、まして高田さんの描写は時に生々しいのにもかかわらず、場面を読んで伝わってくるものが静謐さであるところに驚かされます。彼女はどうしてこんなにも凛としていられるのか。幼いころからの彼女に圧倒されながら読みました。小さいですがまるで検視官が謎を解くようなミステリ仕立てとなっている部分はミステリ好きとしては嬉しいです。湯灌師である以上、各話の登場人物の誰かがその話の最後には…と想像できてしまうのが少し辛いですね。続きを書かれる予定があるそうで、是非読んでみたいと思います。
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主人公の正縁の身の上がもぉはなから大変なのに、性根も腐らず立派に育っていく姿が胸を打つ。 名前の縁が示すように全てにおいて人の縁が彼女を成長させているのだろう。 彼女がしている湯灌は今だとエンバーミングって事になるのかな? どんなに普段が立派に見えても心の奥底では差別いい気が...
主人公の正縁の身の上がもぉはなから大変なのに、性根も腐らず立派に育っていく姿が胸を打つ。 名前の縁が示すように全てにおいて人の縁が彼女を成長させているのだろう。 彼女がしている湯灌は今だとエンバーミングって事になるのかな? どんなに普段が立派に見えても心の奥底では差別いい気があったりするのはままある事だし、滅多に表には出ないから見なかった事にしちゃえればまた違ったんだろうな。 それにしても、三昧聖と呼ばれるようになってからは引く手あまたのようで、若いから疲れを感じずにいられるけどもう少し年を重ねると一気に疲れが噴出して大変な事になるんじゃないかと心配。 何やら後半は推理物のような展開になったけど、これはこれで面白かったので続編にもあんな感じの話があるといいな。 個人的には正念との今後の関係に注目したい。 なんだかんだで読んでて涙ボロボロでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宮部みゆき来の時代小説。 ほろり涙の物語が詰め込まれたこの一冊を読むだけで優しい気持ちになれる。 描写がおどろおどろしいシーンがあるにも関わらず気持ちよく読めるのはお縁のふるまいならではなんだろう 寺の住職、僧侶、毛坊主の仲間も心憎く、物語中に出てくる人もみな優しい ドロドロとした現代小説の箸休めにちょうど良い一冊でした ちょっと高田郁さんの小説を他にも読んでみたいと思った
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