出世花 の商品レビュー
主人公の正縁さんは、若い女性ながらお寺で死人を洗う三昧聖。 主人公が屍洗いなんて暗い話にしかならなさそうなのに、そんな事は無いところがさすが高田郁さん。 みをつくし料理帖シリーズと同様、自分の仕事に誇りを持って前向きに生きている姿が清清しい。 人は誰でもいつかは死ぬのです。 でも...
主人公の正縁さんは、若い女性ながらお寺で死人を洗う三昧聖。 主人公が屍洗いなんて暗い話にしかならなさそうなのに、そんな事は無いところがさすが高田郁さん。 みをつくし料理帖シリーズと同様、自分の仕事に誇りを持って前向きに生きている姿が清清しい。 人は誰でもいつかは死ぬのです。 でも、死んだからといって急に「おばけ」になるわけではないし、急に家族との絆がすっぱり切れるわけでもない。 正縁さんの湯灌を通して、家族は死人を送り出す心の整理を付け、 死人は正縁さんに美しくしてもらう事でこの世への未練を洗い流す。 屍を洗うという、ちょっと見たくないシーンでありながら荘厳で美しい。 自分がやるべきだと思い定めた仕事を精一杯こなす姿に憧れます。 続きが出るようなので、楽しみにしていよう。
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「みをつくし料理帖」の澪、「銀二貫」の松吉、そしてこの「出世花」の縁。高田郁の描く主人公は、みなみな、親との縁の薄い、淋しい生い立ちを持ちながら、その心映えの美しさでよい縁を引き寄せ、苦難も己の力で乗り越えんと凛々しく生きていく。主人公だけでなく、周りの人々も同じように。きりっと...
「みをつくし料理帖」の澪、「銀二貫」の松吉、そしてこの「出世花」の縁。高田郁の描く主人公は、みなみな、親との縁の薄い、淋しい生い立ちを持ちながら、その心映えの美しさでよい縁を引き寄せ、苦難も己の力で乗り越えんと凛々しく生きていく。主人公だけでなく、周りの人々も同じように。きりっと清々しいものを見せてもらえる、ひとときの幸せ。
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デビュー作にして高田節全開です。剣戟は一切登場せず。作者曰く、殺陣は嫌いなそうです。こうして時代小説の常識を覆していくんだろうなぁと思ったり。
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江戸時代、亡くなった人の湯灌をする寺に身を寄せることになった少女。自らの生活を真摯に紡ぎ、それを手伝うことを決意する。映画おくりびとを思い出した。 ほとけさまとの会話だけでなく、周りの人々と交わりながら成長していく姿が愛おしい。
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絶版売り切れ中だったのが、別の出版社から出たので早速購入しました。出版社が変わった理由がちゃんとあとがきに書かれていたので、変な邪推をしなくてすみました。 この人の書く話は正座して読みたくなります。 一切の欲を捨てて真摯に生きる主人公の姿は、本当に美しいです。 その人の幸せはそ...
絶版売り切れ中だったのが、別の出版社から出たので早速購入しました。出版社が変わった理由がちゃんとあとがきに書かれていたので、変な邪推をしなくてすみました。 この人の書く話は正座して読みたくなります。 一切の欲を捨てて真摯に生きる主人公の姿は、本当に美しいです。 その人の幸せはその人の中にあるのだな、と思いました。
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